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1.支離滅裂な婚約者
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1話 22時、2話 23時
3話 0時、以降3時間毎の更新です
よろしくお願い申し上げます😊💗
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
私、リリンス・ハーヴィは伯爵家の二女だ。
今度、レリウス・カーナル公爵家の長男と結婚するらしい。
らしいというのは、私に結婚願望が無いからだ。
どうせ政略結婚だし、そこに愛があるのは稀だと、十六歳にして知っている。
たまたま両親が稀な人達だっだだけで、自分はそんな相手に恵まれるとは思っていない。
レリウスのことは見たことがあった。
ブルーの髪にグレイの瞳、背もすらっと高く、だからと言ってヒョロガリではなく、しなやかな筋肉質な体型をしている。正統派の美丈夫だ。
三つ年上の十九歳、既に次期公爵としての資質を認められ、令嬢からの人気も高い。
だからこそ、普通のブラウンの髪でヘーゼルの瞳、尚且つチンチクリンの私なんぞが隣に並べばお笑い草だ。
何の公開処刑だよ?という気持ちにしかならない。
そんな婚約者同士が、定期的に会わなければならないのが苦痛だ。
二人並んで歩けば、十人中十人が似合わないと思うだろう。
最低月一回は二人で会うことというお約束をカーナル公爵様にさせられたので、仕方なく出掛ける。
今日は、まさにその日だ。
特に会話も弾まず、公爵家の庭園を散歩するのが、いつものパターンだ。
しかし、今日はレリウスの雰囲気が更に重い。
何かあったのかしら?と思っていたら、ガゼボに着いた時、レリウスが切り出した。
「結婚しても君を愛せない。」
(あぁ、それ、今言う!?初夜の花びらバラ撒きベッドじゃなくて?いや、結婚してから言われるよりマシ?うん、そうそうマシだわ。きっと彼の優しさね!)
「あーそーですか。」
頭の中で完結した私は、あっさり答えた。
「えっ!?」
レリウスが何故か驚いた顔をする。
「だからー、あーそーですか!って言ったんですけど?」
(はぁ…めんどくさいなー。「どうしてですか?私に問題が?」とか言って泣かれたいのかしら?泣かねーし!政略結婚だし。)
「いや、君は理由を聞かないのか?」
レリウスの動揺は、更に激しくなる。
「理由を聞いて欲しかったのなら、聞きますけど…?基本的に建設的な意見交換しかしたくないんで。『君を愛せない』って言われた時点で、レリウス様の中で完結してるじゃないですか。敢えて言うなら、結婚するの?しないの?位ですかねぇ。政略結婚なので、親とも話さないといけないし。」
「あぁ、そうだな。政略結婚だから、親とも…しかし、君は俺について思うところは無いのか?」
レリウスは青白い顔で、真っ直ぐに私を見つめる。
「正直、私にはレリウスは勿体ないというか、並んで歩くと釣り合わないというか。自分の意思とは関係ない政略結婚なのに『何であの女が?』とか『どんな汚い手を使ったの?』みたいなことは随分言われてますし。だから、結婚しないことにほっとしている自分が居ます。」
(言いたいことは言い切ったかな。スッキリしたかも。)
私は、今までで一番穏やかに微笑んだかもしれない。
結婚に興味がないとは言え、婚約者の評判が良過ぎて、自分が貶められる環境に疲れていたのだ。
「結婚しないとは言っていない。」
「あーそーですか。」
言ってることが支離滅裂で、だんだん何故この人が人気があるのか分からなくなってきた。
私はこの会話全てが面倒になってきた。
「君は先程から、俺を馬鹿にしているのか?」
顔色が青くなったり、赤くなったり、忙しい人だ。
いつもの冷静さはどうしたのだろう。
「何が仰りたいのか分からないので、お好きになさればいいと思います。結婚すると言われればしますし、しないと言われればしません。たかだか伯爵家の次女が、未来の公爵様に刃向かえるわけがありませんもの。あとは、レリウス様のお気持ちを整理して、家同士の話し合いになりますでしょう。」
呆然としているレリウスをガゼボに残して、私は伯爵家に帰ることにした。
何故、レリウスの方が傷付いたような顔をしているのか、考えると腹が立ってきたので、この婚約は是非とも解消したいと思った。
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