【完結】 君を愛せないと言われたので「あーそーですか」とやり過ごしてみたら執着されたんですが!?

紬あおい

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3.愛せないわけじゃない!?

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またレリウスと会う日がやって来てしまった。
婚約解消の話は全く出ないままだ。
愛せない女と結婚する気持ちってどうなんだろうと思いながら、レリウスを待った。

「お待たせしてしまったかな?すまない。」

「いいえ、大丈夫です。今日はどちらへ?」

「まあ、ついて来て。」

この前の話など無かったことのように、普通に接してくる。
見た目によらず、変わった人なんだろうと思いながら、エスコートされ一緒に馬車に乗り込む。

「今日は隣に座って欲しい。」

「え…並んで座ったら狭いですよ?」

「いいから、来て!」

手を引っ張られ、無理矢理隣に座らせるレリウス。

(何を考えているのかしら…)

「前回の訂正をしてもいいだろうか?」
レリウスは、真剣な顔をしている。

「どうぞ。何でもお聞きしますわ。」

そこで聞いたのは、レリウスは他人に興味が持てないという話だった。
だから『結婚しても君を愛せない』ということらしい。

「あーそーですか。」

私は前回と同じ返事を繰り返す。

「どうして!どうして君はそんなに無関心なんだ?」

レリウスは、私の顔を覗きこんで口調を荒げる。
その目には怒りすら感じる。

「レリウス様と私は、他人に対して無関心なところが同じなのかもしれません。なのに、レリウス様は何故私には無関心で居られないのですか?」

レリウスがはっとする。

「何故だ…そう言えば、何故なんだろう…?」

動揺するレリウスをちょっと揶揄ってやろうと、私はいたずら心を発揮する。

「やだ、レリウス様。私のことが気になるのでは?もしかして好きになっちゃったとか!?」

レリウスは、片手で口元を覆い、ぷぃっと反対を向いた。

(え…!?お顔赤い?お耳真っ赤??)

しばらくレリウスは、そのまま窓の外を見ていたが、急にこちらを向いた。

「確かめたいことがある。ちょっと目をつぶってもらえないだろうか。」

「はい。」

ふわっと左頬に手が当たる感触がして、右耳朶は指でクニクニ挟まれた。
そして、唇にあたたかいものが触れた。

「な、何?」

喋った瞬間、口の中にぬるっとあたたかいものが入って来た。

(舌?ていうか、口付けされてる?)

くちゅ、くちゅと馬車に響く音と、生温かい舌の感触に、驚いて体が動かない。
何度も角度を変えた口付けに、いつしか酔いしれてしまう。
やっと解放された時は、あまりのドキドキに心臓が破裂しそうだった。

「何故…?」

「君だけは、俺の興味を唆る。君を愛せないわけじゃないかもしれない…」

そう言ってレリウスは私を抱き寄せた。
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