【完結】 君を愛せないと言われたので「あーそーですか」とやり過ごしてみたら執着されたんですが!?

紬あおい

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5.刺繍糸は彼の髪色

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今日、私はレリウスと会う約束を、体調が悪いからとキャンセルした。
正直言って、訳が分からないからだ。
あんなにモテる人が私に興味を持つなんて、これぞ青天の霹靂だろう。
恋愛初心者の私には、レリウスは荷が重い。

そんな時に限って、パーティの招待状が来て、父と公爵様からレリウスをパートナーにするよう命令された。
今後の事業展開を鑑みて、是非とも次世代の当主としてレリウスの立ち位置を確実にしたいそうだ。

レリウスが優秀な人材なのは分かる。
私から見ても、きちんとした人だ。
私の前以外では。
でも、私は未来の公爵夫人という器ではない。
何で皆そこに気付かないのか。

どんどん卑屈になりそうな自分が嫌で、無心で何かしたくなり、ハンカチに刺繍をすることにした。
色とりどりの刺繍糸の中から選んだのはブルーだった。

(あ…レリウス様の髪の色と同じだ…)

少しグレーがかったハンカチに、ブルースターの刺繍を入れる。
花言葉は『幸福な愛』『信じ合う心』だ。

(うわぁ…私達に最も似合わない…)

気晴らしのつもりが、落ち込む方向に行ってしまった気がする。
それでも、やり掛けのままには出来ないからと、最後まで仕上げてみた。

(意外といい感じ!自分で使ってもいいしね。)

そのハンカチは、お出掛け用のバッグにしまった。
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