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9.葛藤 Side レリウス
しおりを挟むパーティで、リリンスに怪我をさせてしまった。
存在を知っている程度の女が、リリンスにワイングラスを投げたからだ。
一気に沸騰する怒りを辛うじて抑え、リリンスを抱いて公爵邸に戻って来た。
首の怪我を塗り薬で手当てし、リリンスを抱き締める。
淡々と過去の嫌がらせを語るリリンスに、申し訳ない気持ちが湧いて来る。
俺の婚約者でなかったら、きっとこんな目には遭わなかった。
婚約を解消すれば、これからはこんなことはないのだろう。
でも、俺は気付いてしまった。
いつもは『淡々と』『飄々と』『無関心』、こんな言葉が似合う彼女が、実は繊細で、いろんなことに気が回る人だということに。
そして、早い段階で物事を諦めようとすることに。
また、パーティ会場で挨拶回りをしている時、俺の隣で出しゃばらず、卒なく交流していたり、とにかく一緒に居て心地良いことに。
リリンスは、きっと俺のかけがえのない存在になる。
と同時に、リリンスに対する欲望が抑え切れない。
ケガ人に盛る自分が情けない。
甘い唇と胸を思うままに味わい、挿れてもいないのに達したリリンスを見て、更に昂った。
意識を失ったリリンスの小さな手を取り、痛い程に膨らんだ肉棒を扱いた。
達した印の白濁液がべったり付いたリリンスの手を見て、また昂り、扱き、達する。何度繰り返しただろう。
「ああっ、リリ、俺のリリ!好きだ、愛してるっ!くぅっ、イくっっっ!!」
俺は最低だ。
愛せないどころか、意識の無いリリンスにまで欲情し、歪んだ愛をぶつけている。
こんな俺を知ったら、リリンスはどう思うだろうか。
リリンスは、きっと俺を愛していない。
偉そうに『愛せない』と言った自分が、今では『愛されたい』と切望している。
彼女の心も体も全て欲しい。
こんなに誰かを欲するなんて、有り得ないと思っていた。
あの頃の自分をぶん殴ってやりたい。
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