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23.2人の休日 ③
しおりを挟む管理人にお弁当を作ってもらい、レリウスと湖に向かった。
観光地化していないので、この美しい景色をニ人で堪能出来る。
野うさぎがあちこちに居て、私達を警戒しているのか、尻尾を立てて裏の白い毛が見えている。
「レリウス様は知ってる?うさぎさんは怪しい存在を見つけると、尻尾を立てて仲間に知らせるのよ。だから、どの色のうさぎさんも尻尾の裏側は白いの。白うさぎはどうやって警戒するか分からないけど…」
「そうなのか!知らなかったよ。リリは雑学王なのか?ふふっ。」
「たまたま本で読んだだけよ。」
まさか、外に出れば『釣り合わない婚約者』と言われたくなくて、本ばかり読んでいたとは言えない。
うさぎの本は気晴らしに読んでいた。
私自身も、その頃に比べて随分と変わった。
湖に着くと、別荘を出発した時よりも風が少し出て来た。
レリウスに手を貸してもらって、準備されたボートに乗り込む。
「リリ?乗った瞬間からオールを離さないけど、リリには無理だからな?風もあるし、オールを寄越しなさい。」
むぅっとする私に大笑いしながら、レリウスはボートを漕ぎ出した。
やっぱり力では敵いそうにないけど、男らしさを感じて顔が赤くなった気がした。
そんな私をレリウスは得意げな顔で見てくる。
(何か悔しい…今夜、覚えときなさいよ?ふふふ…)
「リリ、むくれたり、赤くなったり、企んだ顔したり、忙しいな!」
(バレてる?この人、鋭い!)
「俺のこと、鋭いって思っただろ?こんだけ一緒に居たら、大体のことは分かるようになったぞ?」
揶揄われている間に、湖の中央まで来ていた。
「ほら、リリ。見渡してごらん、綺麗だから。さっきから俺の顔しか見てないじゃん?そんなに俺の顔が好きか!」
「もぅ恥ずかしいからやめて!好きです、顔も中身も全部!!」
プイッと横を向いて拗ねてみたが、横目でチラ見するとレリウスがオールを置いて、片手で顔を覆っている。
「揶揄っといて照れるの、やめてください…もぅ、あなたって人は…」
「ボートじゃなければ……押し倒してた…」
それは、私も同じと思ったことは秘密にしておこう。
この後は、岸に戻り、お弁当を食べ、湖を眺めながらまったりした。
肩を寄せ合って、たまに見つめ合って、くすくす笑って。
特に会話が無くても、青空とキラキラした湖とのんびり流れる時間があれば幸せだ。
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