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26.土下座
しおりを挟む怒涛のスケジュール第一弾として、レナリアとジークフリードは結婚式の準備した。
ウィルヘルムとヘライザの着たタキシードやドレスを借りて、サイズ直しをし、ネックレスなども全て借りた。
ジークフリードは帝国での結婚式も金に糸目はつけないつもりだったが、レナリアは両親の衣装を着るのが夢だった。
「お願い、ジーク。お母様のドレスが着たいの。昔から憧れていたの。他の人なら無理だけど、ジークなら私のお願い、聞いてくれるでしょう?」
レナリアに上目遣いで頼まれたら、ジークフリードも折れるしかない。
それにルーセント殿下となら、いくら仕立てが良くても、確かに叶わぬ夢だっただろう。
(俺だから叶えられる夢かぁ。悪くない。)
ジークフリードは、ちょっとだけ優越感に浸った。
「指輪だけは見に行かないか?公国の結婚式には間に合うように。」
「そうね。一緒に行きましょう。」
レナリアはドレスを、ジークフリードは騎士服を、久しぶりにオシャレして、二人で出掛けた。
ジークフリードは、宝飾店など全く分からない為、レナリアについて行った。
「此処にしましょう。」
レナリアとジークフリードは、店の奥に通され、じっくりとデザインを選んだ。
剣を持つこともあるジークフリードの為に、指輪の薄さに拘り、お互いの色も入れた。
そして、二人が納得のいく指輪を注文し、宝飾店を出た所で、またルーセント殿下に遭遇してしまった。
「レナリアじゃないか。社交界で見掛けないが、宝石は欲しがるんだな。しかも、またそいつと一緒か。」
自分は前回と違う令嬢を連れているのに、何故か突っ掛かってくるルーセント殿下に、レナリアは不快感丸出しで応えた。
「殿下、またお会いしましたね。そちらのご令嬢にプレゼントですか?お気に召すお品があると宜しいですね。では。」
レナリアがルーセント殿下を交わして通り過ぎようとすると、ルーセント殿下はレナリアの腕を掴んだ。
「何をなさる?」
ジークフリードがルーセント殿下の腕を払うと、激怒し怒鳴った。
「騎士の分際で腕を払うとは、何て不敬な奴なんだ!地下牢にぶち込まれたいのか!?」
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「承知致しました。」
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「殿下、申し訳ございません。騎士はお許しください。」
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「分かればいい。今後は気を付けるように。もう、行ってよい。」
レナリアはジークフリードの手を借りて立ち上がり、馬車へと向かって行き、残されたルーセント殿下は、令嬢の手を取り、宝飾店へ入って行った。
ルーセント殿下は、レナリアに何が言いたかったのか、自分でも分からずに困惑した。
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