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24.騒然
しおりを挟む私と想いが通じ合ったレオン陛下は、結婚に向けて動き出した。
当然反対する者もいるが、強行突破も辞さない勢いで、かつての苛烈な皇帝を彷彿させると噂になっている。
しかも、相手はしがない伯爵家と口さがない噂も流れ、両親にも申し訳ないと思っていたら、レオン陛下が暴挙に出た。
『アスタリッド王国との友好関係を円滑に築き、このアシュタルト帝国に多大なる国益をもたらしたことに尽力したクリフト伯爵を侯爵に陞爵する。また、通訳としてミレイユ王女のサポートに貢献したノエル・クリフトを皇后に迎えることを宣言する。』
突然の発表に、帝国は騒然とした。
もちろん、私もびっくらポンと驚いた。
(ちょっ、聞いてない…こんな展開、何も聞いてない…)
皇命として通達を受け取った両親が私室に飛び込んで来た。
「ノエル!これは何なんだっ!!」
「あなた、陛下と!?」
私は脇汗ダラダラで答える。
「う、ん…そう、みたい、ね…?」
「ノーエールーっっっ!!」
「……っ、ううっ……」
父は雄叫び、母は気絶、私は挙動不審。
クリフト伯爵家、最大の修羅場の中、レオン陛下とヘリオスがふらっと現れた。
「へ、へ、へぃくぁっ!」
父が叫ぶとレオン陛下は大爆笑だ。
「父娘で同じこと言ってる!あははは!!」
「陛下、自重してください。」
レオン陛下は、ヘリオスに諭されて、真面目な顔になる。
「クリフト伯爵、いや侯爵。通達したが、このようになった。ノエルを妃にもらい受けることにした。侯爵家は何れ産まれる子に継承するように。侯爵はあと十五年は現役でいてくれ。」
「はっ、はい…」
気絶したままの母を抱き、父はおどおどしながら承諾した。
その様子をぽかんとしながら見ていた私を、ヘリオスは気の毒そうに眺めていた。
「さあ、ノエル。一緒に行こう。」
「はっ!?へっ??」
レオン陛下に抱き上げられ、私は馬車に乗せられた。
その行動力とスピードに呆気に取られている間に、馬車は走り出す。
「ちょっと、レオン。お父様とお母様が…」
「大丈夫だ。ヘリオスを置いてきた。医者が必要なら手配するだろう。ノエルは俺と今日から暮らすんだ。」
嬉しそうに話すレオン陛下に戸惑いながら、取り敢えず、着いていくしかないと思う私。
「結婚式はひと月後だ。それまでは皇宮と実家を行ったり来たりしてもいいが、俺も一緒だからな?」
「一緒って…執務は?」
「そんなもん、どうにでもなる。皇帝になった時は半年も放置してたんだし、今は側近達もいるしな。大丈夫だ。」
「あなたって人は…反対する者もいたでしょう?こんな出戻りの伯爵家の娘に…」
「だから?俺がいいと言えばいいんだ。粛正するぞ?とか、皇帝やーめた!って言われるよりマシだろう?」
「レオン…あなた、結構な暴君では…?」
「うーん…どうだろうな…でも、何があれば対応するから、ノエルは安心して来てくれればいいさ。」
私の人生の波乱は、もうこれで最後にして欲しいと切に願った。
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