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【アレクシス編】 妻の『一番』で『最愛』になった夫 〜やけっぱちで結婚したのに妻がこんなに可愛いなんて聞いてません〜
2.空っぽな俺
しおりを挟むソフィアと別れてからの俺は、どうにもならない喪失感に苛まれていた。
執務だけは何とかこなしていたが、それ以外は食べることも寝ることも興味がなくなっていた。
せめて、セルジュ殿下やソフィアを恨んだり出来たら、もっと気持ちは楽だっただろう。
その恨みを起動力にして、何か出来たかもしれない。
しかし、俺は空っぽになってしまった。
そんな俺を両親や友人達は心配し、無理矢理パーティに誘った。
最初は令嬢達が寄ってきたが、どこに行こうと、喋らない・笑わない・動かない俺は、だんだんと敬遠される存在となった。
幼い頃から、容姿は人から褒められるタイプだったが、肝心なのは表情だ。
会話すらしない仏頂面の男など、顔がいいだけでは相手にされなくなる。
もちろん俺としては、それで良かった。
十九歳の時、面倒だなと思いながら行ったパーティで、俺を気に入ったらしいという侯爵令嬢が居た。
フィリーネ・ラジスト侯爵令嬢だ。
親同士が知り合いで、ラジスト侯爵からの申し出だった。
(ソフィアじゃなければ誰でも同じだ…)
いろいろ辟易していた俺は、その結婚に特に「異論はない」と答えた。
したいとも、したくないとも言ってない。
空っぽな俺は、自分を取り巻く状況がめんどくさかっただけだ。
(どんな女か知らないけど「あの方素敵ね」って、どうせ顔だろ?上等じゃねーか。たまに笑ってやればいいんだろう?)
半年後、俺はその女と結婚した。
結婚式には出るが、それまで逢いたくないと無茶苦茶な条件を飲んだ女。
結婚式の誓いの口付けは、触れるか触れないかのギリギリの口付け。
そんな無礼な俺にもめげず、披露宴の招待客に礼を尽くす女を見て、変わった女だと思った。
「アレクシス様、お疲れのようでしたら、お部屋でお休みくださいね。お客様への対応は私にお任せください。」
そう言って笑った女に、少し尊敬の念を抱いた。
(この女、変わってるだけじゃないかもしれないな…)
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