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6.弱ってる筈の夫が欲情しました *
しおりを挟む頭を撫でられたキリアンが、はっとして私を見つめる。
「君はいつも動じないよな。好きでもない男を夫にして世話を焼いて…一体何を考えてる?」
キリアンと会話らしい会話をするのは初めてだ。
だからこそ、自分の考えを伝えた方がいいだろう。
「キリアン様に婚約破棄までさせてしまったので、ニ年間はここで気分良く暮らしてもらいたいなって思っています。友人とか家族みたいな、仲の良い存在になれたらいいなって。だから、いろいろお世話しちゃったりするんですよ。自分勝手な想いですけどね。」
キリアンは、はぁっと溜め息をついた。
「君は馬鹿なのか?こんな冷たい男と仲良くしたいとか…今となっては、サラと関係なく婚約破棄に至ったかもしれない。寧ろ親の借金を肩代わりしてもらって、何不自由なく生活させてもらってることに、俺が感謝しないといけないんだよな。」
あぁ、キリアンはこういう人だったのかと今更ながら思った。
元々の性格を歪めてしまうほど、キリアンは傷付いていたんだ。
本当は優しい人なのに。
「キリアン様は、何も悪くないじゃないですか。だから、感謝もしなくていいんですよ。私と結婚させてしまって、ごめんなさい…」
キリアンは私をふわっと抱き締めた。
私はキリアンの背中をヨシヨシと撫でた。
結婚して、初めて心が触れた日なのかもしれない。
「サラ、君は良い人だな。今更だけど…」
「うーん、どうなんでしょうねぇ…ぼーっとしてるとかマイペースとかは言われますけど。」
「嘘のない良い人だと思うよ。今日は、もっと君を知りたいって思った。」
「結婚して、初めてマトモな会話してますよ、今日。何か嬉しいです。」
やったぞー!みたいな気持ちになって、思わずニンマリしてしまう。
「君は…可愛かったんだな…早く気付けば良かった…」
不意にキリアンの唇が触れてきた。
「えっ?ちょ、ちょっと、待っ…」
唇を割って舌が入ってくる。
「んーんーんーっ!!」
押し除けようとしても、騎士のキリアンの力に敵うわけがない。
押し疲れた頃、やっとキリアンの唇が離れた。
「はぁはぁはぁ…キ、キリアン?」
「サラが欲しい…抱いていいか?」
潤んだ目で私を欲しがっている。
「処女だから、たぶんつまんないですよ?」
今までの経緯からすると断るべきなんだろう。
でも、素のキリアンを知ってしまったら拒めない自分が居た。
「尚更欲しくなった…」
「えっ、あっ、そのっ!」
この後の返事は聞いてもらえなかった。
キリアンは、あっという間に私を生まれたままの姿にし、首筋から足まで、体のあちこちを舐め回した。
乳首を舐められると、下腹に切ない感覚が走って腰が動いてしまう。
「っいやっっ!そんな、の、だめ…」
抗えない快感に囚われてくる。
その舌が徐々に下がっていき、陰核に吸い付いた瞬間、目の前に火花が散ったように快感が弾けた。
「ぃやぁぁぁ…」
「達したんだね。イくってことだよ。でも、まだまだこれからだ。」
キリアンが獣になったように見えた。
陰核を舌で捏ねくり回されながら、膣内に指が蠢き、もう私は何がなんだか分からない位に感じていた。
「サラは感度がいいみたいだね。これからちょっと痛いけど我慢して。良くなるから。」
陰唇に熱いものを感じ、侵されることを自覚した。
ゆっくり、ゆっくり、私の様子を伺いながらキリアンのものが入って来る。
「ぅぅっ、ぃ、いたっ…」
「やめようか?」
「ぃゃ、もぅ挿れちゃってくださいっ!どぅせ、ぃたいんだからっ!!」
キリアンがふっと笑った。
そして、奥まで当たるような衝撃と痛みが走った。
「ぅわっっ、い、痛い!!」
「抜こうか???」
「動かないで!!そのまま!!!動いたら痛いから、ちょっと待って!」
「分かったよ。」
キリアンはまた笑っている。
こっちは泣きそうなのに、ちょっとムカつく位の良い笑顔だ。
しかし、キリアンの様子が急におかしくなってきた。
「サラ?君の中は…えっ!?待て、サラ、何なんだ、君は?中が…くっ…蠢いてる?あぁ…何か絡みついてくるっ!!はぁ、はぁ、はぁ…んっ、んんっ…」
「はっ?分かんない…何もしてない!」
痛過ぎて、腰が勝手に動いてしまうとキリアンが更におかしくなっている。
「あっ、サラ、だめだっ!動かないで!君の中が凄いんだ!!だめだ、も、もぅ、出るっ!!」
あまりの展開に2人で呆然とする。
「キリアン様?どうしたの??」
「サラ、君、もしかしたらトンデモナイ名器かもしれない…」
「めいき?」
「女性の性器。君の膣の中、物凄く絡み付いてくるんだけど…何なんだ…?」
「そんなん自分で分かるわけないじゃないですかっ!キリアン様みたいに経験豊富じゃないんだし。」
言ってから恥ずかしくなる。
両手で顔を覆って、体を丸めて小さくなってみた。
「ぷははっ!サラ、全然隠れてないけど?」
「もぅ、やだぁ…」
私を丸っと抱き締めてキリアンは囁く。
「サラ、もう一度いいかな…痛いかもしれないけど…」
「そんなに…良かったんですか?」
「うん…」
「明日じゃ…ダメですか…?眠い…」
「そうだな。無理させたな。ゆっくりおやすみ。」
「キリアン…初めて…笑いましたね…」
そのまま意識が遠くなり、気付いたら朝だった。
キリアンの腕の中で。
長いまつ毛、端正な顔立ちを見ていたら、この人としちゃったんだと恥ずかしくなる。
だんだん顔が赤くなるのを感じて、そっと起きようとしたらキリアンが目覚めた。
「おはよう、サラ。」
結婚以来、キリアンからの初めての朝の挨拶に心があたたかくなった。
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