パラレルにゃ~ルド

巴菜

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午後のお仕事と漆黒の猫獣人

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黒猫の獣人ルカがBランチを載せたトレイを持ってリナの前の席に座ると『で、さっきの話の続きだけど…』とリナにBランチの焼き鮭を食べながら質問してきた。リナは目の前に居る愛猫ルナに似てるルカを見ていたら、いつもの習慣で今の自分に起こってる出来事を伝えそうになったが止めた。いくら似てるとは言っても他猫だし、それにルカはリナの事を知ってるみたいだがリナにしてみれば、初対面で知らない猫獣人(そもそも人じゃないし)を信用して自分に起こった出来事を話すのはまだ早いと思ったからだ。相手がどんな猫獣人化判らないので、今は【自分が本当は人間で何故かこの世界に来てしまった事】は言わずにいておこう。と思い、リナは『あぁ~、さっきの話ね。私の耳の近くに虫が居たみたいで払ってたんだけど、全然どこかへ行ってくれなくて…』と適当な事を言ってデザートが載ってたお皿を持って『じゃあ、私そろそろ戻るね』と言って食堂を出た。

リナがまず向かった先は、いつも仕事をしてる自分の仕事場。(お昼もそろそろ終わる頃だし、もしかしたらこれはリアルな夢で仕事場に入った途端に夢から覚める。とか、お昼のベルが実は目覚ましのアラームでそれが鳴って目が覚めるかも)と思ったからだ。

と、仕事場のドアの前に着いたと同時にお昼休憩が終わるベルが鳴った。………が、リナが想像した事も起こらず普通に午後の仕事が、はじま……らなかった…

室内の椅子や机などのレイアウトは全て同じで、違っていたのは社長の席に黒毛の白衣を着たエキゾチックショートヘアがクッションの効いた椅子の背もたれに背中をあずけた姿で(へそ天の格好)大きないびきをかき、先輩達の使ってる席でもサバトラやハチワレが各々空いている机に枕やクッションを置いて好きな格好で【お昼寝】をしていた。
リナは自分の席だった所行くと隣には頭に猫耳がある七海の名前が入った白衣を着た毛色がキジトラの猫獣人が気持ちよさそうに寝ていた。

(えっ?七海も猫獣人なの?)とリナの頭の中は疑問符でいっぱいになっていると、外から綺麗な鈴の音色が聴こえてきた。リナは窓から鈴の音が聴こえてきたほうを見て驚いた。そこに居たのは、黒毛の猫獣人が肩から襷《たすき》を掛けて歩いていた。リナはこの猫獣人が飼っている黒猫のルナにそっくりで、しかもその猫獣人が首から下げてる水色の鈴はルナの首輪に付けている物と同じだったからである。リナはこの猫獣人が自分が飼っている愛猫のルナと思い声を掛けようとした途端『リナ…』とリナの背後から声を掛けられ振り向くとそこに立っていたのはさっき食堂で会ったルナによく似た漆黒の猫獣人ルカだった。リナはもう一度窓の外に目をやると、そこには誰も居なくなっていた。耳を澄ませて見るとさっきの鈴の音色だけが遠くに聴こえて、やがて聴こえなくなってしまった。
(あの猫獣人は…ルナ?でも、特に珍しい色でもないしそれに自分に似た人は世の中に3人は居るっていうらしいから、この世界の猫獣人だって同じかもしれないわね。)と、リナは愛猫に似た黒猫獣人を見たからか、そんな事を冷静に考えていた。

『リナ、お昼寝は終わったの?まさか寝ぼけてる?』と言ってルカは近くの椅子に座ると自分の腕を枕にして(ごめん寝)のポーズで寝始めた。
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