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27. 暗くなっても楽しめるのが、夏のいいところかもしれない
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夏休みも残り1週間。
俺は暇を持て余していた。
短期で入れていたバイトが終了し、完全にやることがなくなってしまった。
今までは土日以外は毎日8時間フルで働いていた。バイト先の人たちに『働きすぎじゃない?』と言われたことは数知れず。
でも仕方がないのだ。そもそもこの世界の夏は元の世界より暑い。裸がどうとかいうより、それ以前に暑すぎておよそ外に出る気にならない。
遊ぶのもまず無理だ。こないだの海は誘われたからというのと、まだ涼しく過ごせそうという打算もあって行くことを決定したのだ。
普段、日中から遊ぶのは無理だ。
「…というわけなんだよ」
『事情は理解するけど、それでも夏休みにわざわざフルタイム入れるのはワーカホリックすぎねえか?』
「それも散々言われたよ…バイト先で」
『まぁ、元々のお前の性格がめちゃくちゃ真面目なんだろうな…そうでもなきゃテストで上位に入らないだろ』
「かもな」
通話相手は浜場である。
暇を持て余しすぎた結果、柄にもなく人とのつながりがほしくなってしまったのだ。
『でも、そんな暇なら夏祭りでも行けば良いんじゃね?今日の夕方あるはずだろ』
「え、マジ?」
調べてみると、学校の近くの公園で開催されるらしい。
徒歩圏内に住んでいる同級生も多いから、多分人で賑わうだろう。
『お前暑いの苦手って言ってただろ?でも夏祭りは4時くらいからだし、だいぶ暑さも落ち着いてから参加できるんじゃないか?』
「確かにな。ちなみにそっちも行くのか?」
『もちろん。由紀と一緒にな』
「島地とか。ならデートの邪魔はしないでおいたほうがいいか?」
『助かる…と言いたいところだが、今回は由紀が「おっくんも誘おうよ」って言ってたもんでな。この電話がなくても誘おうと思ってたとこだった』
「マジ?それじゃあお言葉に甘えさせてもらうけど…適当なタイミングで離脱するから」
『サンキュ。んじゃ、4時に公園でな。…あぁ、それと』
わざとらしく間を作って、浜場は言った。
『白宮さんも誘ってるぞ』
◆ ◆ ◆
夏の午後4時というのは案外日が高いもので、まだまだ夕方感はない。
でも、徐々に屋台が設営されつつあったり、人も来つつあったり…と、高揚感のようなものは既に人々の間で共有されているようだ。
「おっくんお待たせー!!」
「早かったな、奥原」
「浜場こそ」
スマホから視線を上げると、バッチリ浴衣を着た二人が現れた。
しかし、島地の方は…というか女性の浴衣、すごいな。
胸から上の布が大胆にカットされて普段の制服のようにちゃんと(?)胸が出ているのと、下は下で丈は足首あたりまであるのに、前面だけ布が取り払われて股間が露出している。
普段どおりローターをガーターリングで固定しているが、そのリングのデザインが若干浴衣の帯っぽくて和を感じる。
後ろから見ると肩と背中が出ている着物って感じだ。
「どうどう?かわいいー?てかエロい?」
「由紀、お前なぁ…」
いつも通りの島地に、俺はしばし返答に迷うも、なんとか組み立てて出力した。
「まぁ、俺基準ではエロいんだけど…それ以前に、ここまでデザインが変わっても浴衣ってわかるんだなっていう謎の感動がある」
「確かに、はまちーのとは全然違うよね。ま、男の子はそんな肌を晒さないのが普通だしね」
やっぱり常識がぜんぜん違う…と見せかけて、実は元の世界でもへそ出しとかホットパンツとか、女子のほうが肌の露出面積は広い。
そんなどうでもいい事実に気づきながら、俺はスマホをポケットにしまった。
「んじゃまずは適当に歩き回るか。あ、白宮さんは30分頃に来るってさ」
「了解」
こうして俺たち三人は、まだ設営が終わっていない夏祭りの会場をなんとなく歩き回ることにした。
俺は暇を持て余していた。
短期で入れていたバイトが終了し、完全にやることがなくなってしまった。
今までは土日以外は毎日8時間フルで働いていた。バイト先の人たちに『働きすぎじゃない?』と言われたことは数知れず。
でも仕方がないのだ。そもそもこの世界の夏は元の世界より暑い。裸がどうとかいうより、それ以前に暑すぎておよそ外に出る気にならない。
遊ぶのもまず無理だ。こないだの海は誘われたからというのと、まだ涼しく過ごせそうという打算もあって行くことを決定したのだ。
普段、日中から遊ぶのは無理だ。
「…というわけなんだよ」
『事情は理解するけど、それでも夏休みにわざわざフルタイム入れるのはワーカホリックすぎねえか?』
「それも散々言われたよ…バイト先で」
『まぁ、元々のお前の性格がめちゃくちゃ真面目なんだろうな…そうでもなきゃテストで上位に入らないだろ』
「かもな」
通話相手は浜場である。
暇を持て余しすぎた結果、柄にもなく人とのつながりがほしくなってしまったのだ。
『でも、そんな暇なら夏祭りでも行けば良いんじゃね?今日の夕方あるはずだろ』
「え、マジ?」
調べてみると、学校の近くの公園で開催されるらしい。
徒歩圏内に住んでいる同級生も多いから、多分人で賑わうだろう。
『お前暑いの苦手って言ってただろ?でも夏祭りは4時くらいからだし、だいぶ暑さも落ち着いてから参加できるんじゃないか?』
「確かにな。ちなみにそっちも行くのか?」
『もちろん。由紀と一緒にな』
「島地とか。ならデートの邪魔はしないでおいたほうがいいか?」
『助かる…と言いたいところだが、今回は由紀が「おっくんも誘おうよ」って言ってたもんでな。この電話がなくても誘おうと思ってたとこだった』
「マジ?それじゃあお言葉に甘えさせてもらうけど…適当なタイミングで離脱するから」
『サンキュ。んじゃ、4時に公園でな。…あぁ、それと』
わざとらしく間を作って、浜場は言った。
『白宮さんも誘ってるぞ』
◆ ◆ ◆
夏の午後4時というのは案外日が高いもので、まだまだ夕方感はない。
でも、徐々に屋台が設営されつつあったり、人も来つつあったり…と、高揚感のようなものは既に人々の間で共有されているようだ。
「おっくんお待たせー!!」
「早かったな、奥原」
「浜場こそ」
スマホから視線を上げると、バッチリ浴衣を着た二人が現れた。
しかし、島地の方は…というか女性の浴衣、すごいな。
胸から上の布が大胆にカットされて普段の制服のようにちゃんと(?)胸が出ているのと、下は下で丈は足首あたりまであるのに、前面だけ布が取り払われて股間が露出している。
普段どおりローターをガーターリングで固定しているが、そのリングのデザインが若干浴衣の帯っぽくて和を感じる。
後ろから見ると肩と背中が出ている着物って感じだ。
「どうどう?かわいいー?てかエロい?」
「由紀、お前なぁ…」
いつも通りの島地に、俺はしばし返答に迷うも、なんとか組み立てて出力した。
「まぁ、俺基準ではエロいんだけど…それ以前に、ここまでデザインが変わっても浴衣ってわかるんだなっていう謎の感動がある」
「確かに、はまちーのとは全然違うよね。ま、男の子はそんな肌を晒さないのが普通だしね」
やっぱり常識がぜんぜん違う…と見せかけて、実は元の世界でもへそ出しとかホットパンツとか、女子のほうが肌の露出面積は広い。
そんなどうでもいい事実に気づきながら、俺はスマホをポケットにしまった。
「んじゃまずは適当に歩き回るか。あ、白宮さんは30分頃に来るってさ」
「了解」
こうして俺たち三人は、まだ設営が終わっていない夏祭りの会場をなんとなく歩き回ることにした。
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