女の子がエロい服を着てる世界でもラブコメはできる!

キューマン・エノビクト

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41. いつかはきっと、向き合わなければいけないんだ

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「奥原って、白宮さんのこと好きなのか?」

 一瞬、思考の処理が止まる。
 俺が、白宮さんを、好き?

「いやまあなんでも知ってるわけじゃないけどさ。でも、二人の仲が良さそうってのは周知の事実じゃん?となるとやっぱ気になって…って、聞いてるかー?」
「あ、あぁ、うん、好きかどうかって話だよな、聞いてるぞ」
「…聞いてはいるけども…」
「動揺してるねー。これは好きってことかな?」
「ああ、いや待ってくれ!」

 片理さんの言葉に、俺は慌ててしまう。

「ぶっちゃけ、わからないんだよ。ほら、好きってフワフワした概念じゃん?自分の中でも何も固まってなくて、返せる答えがないんだよ」
「好きかどうかって、そんな難しい概念だっけ…?」

 島地が奇妙な表情をしている。
 怪しむと言うか、訝しむと言うか、はたまた不思議そうと言うか、そんな表情だ。

「個人差があるだろ。俺にとってはそうだってことだ。とりあえずこれ以上は返せる答えはないぞ」

 仕方ないのだろうが、五人がちょっと気落ちしたような顔になる。

「まぁ、俺は話下手だから、あんまり面白い話ができるとは思わないでくれ」

 そう適当なことを言って集まりを解散させようとした、その時。
 ザッザッと、砂を蹴ってこちらに駆けてくる足音が聞こえた。
 振り向いてみると…

「奥原くん、ちょっといいですか?」

 白宮さんだった。
 ちょうど話題に出していた本人の登場に、俺たちは顔を見合わせる。
 それを気にした様子もなく、白宮さんは話を続けた。

「借り物競走で出たお題が、奥原くんが当てはまるものだったんです。一緒に来てくれませんか?」
「わかった、行くよ」
「ありがとうございます。では」

 そう言って白宮さんは、俺に向かって手を差し出した。

「え?」
「借り物競走で人を借りるときは、手を繋がないといけないルールなんです」
「あ、そういうこと…」

 先程まで話題の中心だった俺と白宮さんが手を繋ぐこと。
 それがこいつらにどう解釈されるか、一抹の不安が頭をよぎる。
 だがそれ以上に、俺の葛藤如きで徒に白宮さんの順位を落とすのは憚られる。
 結局、俺は当たり前のように彼女の手を握った。

「それじゃあ、行きましょう」

 五人の表情を見る暇もなく、俺は白宮さんに引っ張られて走っていった。
 彼らがどんな表情をしているか知りたいような知りたくないような気持ちが、ゴールするまでずっと俺の頭の中で渦を巻いていた。
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