女の子がエロい服を着てる世界でもラブコメはできる!

キューマン・エノビクト

文字の大きさ
49 / 164

49. 触らないといけない状況なんて、文字通りの手探りだ

しおりを挟む
「まず、床は蹴らないんだ。顔を水につけて、力を抜いて、スーッと体を伸ばす」

 白宮さんは言われた通りにやってみようとしているようで、さっきからお尻が水から浮き出ては沈んでいく。

(…早速だが、やってみるか)

 白宮さんのお尻が水面に現れたタイミングで、俺は下から両腕でお腹と太ももを支えた。

「ひゃっ!?」

 白宮さんが顔を上げて、びっくりしたような声を上げる。

「落ち着け。顔を水につけて、力を抜くんだ」
「う、うん…」

 白宮さんはまた顔を水につけて、力を抜こうとしているらしい…が、相変わらず背中とお尻だけが水から出ている。

「腰の力を抜いて、体をまっすぐ伸ばすんだ。力を抜く方が優先だ、伸ばすのを意識しすぎると力が入って沈むから」

 そう言うと、白宮さんの体が徐々に伸びてきた。
 脚が水面に出てきたのを確認して、俺の腕を脚の方へ撫でるようにスライドさせる。
 下腹部の、鼠径部の感触を手に感じる。
 白宮さんの体がびくりと震えた気がしたが、気づかなかったことにする。
 そうして、足首だけを支えている状態になったが、白宮さんが沈む様子はない。
 そっと手を離してみても、沈まない。

「ぷはぁっ…はぁ…はぁ…」
「良かったじゃないか。とりあえず第一段階はクリアだな」

 息の限界に達して顔を上げて立ち上がった白宮さんに、俺は労いの言葉をかけた。
 前回は壁を蹴って進むところから始めたが、多分静止したまま浮く方が難しいと思うので、まずはその感覚から身につけてもらおう。
 その方が最終的にも身につきそうなのと…あと、支えるという名目で触る機会が増えるだろう。

「それじゃあもう一回浮いてみて。俺はその間ビート板取ってくるから」

 俺はそう言って、プールから出てビート板を借りに行った。

 ◆ ◆ ◆

 その後も俺は足の動きの練習と称して上半身を支えたり、逆に腕の動きに集中するためと言って脚を持ったりと、触れるところはできるだけ触りながら平泳ぎをレクチャーした。
 …流石に、股間や胸を直に触ることは尻込みしてしまったが。
 しかし、なめらかな白宮さんの鼠径部や太ももを撫で回していると…端的に言って、勃起が収まらない。
 臨戦態勢を無理やり水着で押さえつけてはいるが、そろそろ色々な意味で出したくなってくる。なぜなら、結構痛いからだ。
 この世界の男性用の服は股間のあたりに少し余裕があって、勃起していてもそこまで圧迫感を感じることはないのだが、水着は数少ない例外の一つである。
 いっそトイレにでも行ってシコってしまおうか、なんて考えていると、三大欲求のうちもう一つが姿を表した。
 即ち、食欲である。
 よりによって白宮さんとプールから上がった瞬間に盛大にお腹が鳴ってしまった。

「…まだちょっと早いけど、もうそろそろお昼ごはん食べよっか」
「はい…」

 正直、割と誤算だった。
 白宮さんを撫で回すことによって際限なく膨れ上がる性欲に、食欲が覆い隠されてしまっていた。
 それに、練習に付き合っているうちに、俺も結構運動していたらしい。
 …などと反省会を脳内で繰り広げていると、隣の白宮さんのお腹からも、可愛らしく音が鳴った。

「…私もお腹空いちゃった」

 ちょっと恥ずかしそうにお腹を抑える白宮さんに、どうして男女の腹の虫はこうも違うのだと、俺はそこはかとない理不尽さを感じたのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...