女の子がエロい服を着てる世界でもラブコメはできる!

キューマン・エノビクト

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81. わからないまま、始まった勝負

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 台を挟んで、対面して座る。
 白宮さんの手許でシャッフルされるカードを眺めながら、ひたすらに考える。

(なんで俺に勝負を挑んできた?しかも、条件付きで…)

 負ければ言うことを聞くという罰ゲーム的な条件をつけてゲームをしたことはある。
 以前はどちらかといえば陽キャ側に属していたからだ。
 …今はそれとはわけが違う。いや、単なるおふざけ、お楽しみでやっている可能性を排除できる気はしないが、白宮さんがそういうことをするキャラだとも思えないのだ。

「奥原くん、チップを5枚ずつ配ってくれる?」
「…わかった」

 言われるがままに、俺はチップを互いの前に置いた。

「チップが無くなったら負けってことで、いいよね?」
「うん、いいけど…」
「けど?」
「…誘いが、いきなりだったと思って」
「あー…まぁ、気にしないで」

 はぐらかされた…ような気がする。
 真意を問うには、勝つしかないのだろうか。
 いや、負ければ無条件で真意が判明するかもしれないが。

「はい、カード配り終わったよ。私が最初親でいい?」
「いいぞ、まあ二人プレイで親もクソもないような気もするけど」
「了解。じゃ、チップ出して」

 俺はチップを1枚取って、場に出した。
 白宮さんも同じようにする。

「じゃ、カード見ようか」

 その合図で、俺たちはカードを拾い上げる。
 俺の手元には、3枚の『7』…見事に、スリーオブアカインドが来ていた。

「最初にチップを出すのは『ビッド』だったよね。ビッドする?」
「する。1枚だ」

 俺の言葉に、白宮さんは少し表情を変えた。

「へぇ…じゃあ、レイズ。2枚で」
「自信あるんだな」
「まぁ、ね」

 少しばかり揺さぶってはみたものの、特に反応はなし。
 …素人同士、心理戦など無駄だろう。

「コール」
「コール。1ターン目はこれで終わりだね」
「そうだな」

 俺は無言でカードを開示ショウダウンした。

「スリーオブアカインドだ。そっちは?」
「おっ、同じ。スリーオブアカインド…だけど、こっちの数字は5だね。負けちゃった」

 白宮さんはチップを2枚こちらによこした。

「大富豪みたいに革命を起こせたら面白いのにね」
「オリジナルルールのゲームか…そういうの入れても良かったかもなあ」

 そうぼやきながら、次のターンの親となった俺はカードをシャッフルして配った。

「まずはビッドだね。はい、1枚」
「レイズ。3枚」

 俺は白宮さんの持つチップの枚数と同じ枚数を出した。

「…挑戦的だね」
「さぁ。早く帰りたいだけかもしれんぞ」

 別に自信があるわけではないから、この言葉はだいたい正しい。
 本当は上回る数のチップを出して無理やり負けさせたいが、生憎俺たちが定めたルールではそのようなことはできない。

「それじゃ、ドローだな。親は俺だから、そっちからだ」
「うん。えーっと…こんなものかな」

 3枚ほど交換して、白宮さんは順番を俺に回した。
 自分の手札を見ると、ペアが1つのみ。
 そのペアは固定して1枚を何度か回すと、ツーペアができた。

「これで行く。ショウダウンだ」

 同時にカードを台の上に広げた。
 白宮さんのそれは――ハートのフラッシュだった。

「形勢逆転、かな?」
「こりゃ参った」

 俺は内心の焦りを隠すべくわざとらしく両手を上げてから、チップを押しやった。
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