女の子がエロい服を着てる世界でもラブコメはできる!

キューマン・エノビクト

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94. 意味深な言葉は、察せない

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「おっくーん、お客さんだよー」

 島地が教室の入り口から俺を呼ぶ。
 ちょうどディーラーとして1ゲーム終えたところだったので、そのまま向かった。

「あっ、やっぱり!」

 お客さんらしき女子は、俺を見て声を上げた。
 そして、その顔には見覚えがあった。

「ゆーみん…さん?」
「覚えててくれた?嬉しいなー」

 そう、彼女は昨日やってきた先輩だった。
 花音という子の乳首を、俺の目の前で散々にいじめ抜いた人である。

「今日は何の御用で…」
「そのことなんだけどね?ほら、出てきて」

 ゆーみん先輩は、背後にいたもう一人の女子を前に押し出した。

「えっと…あ、ありがとうございました!」
「…花音先輩?」

 勢い良く頭を下げたので一瞬しか顔が見えなかったが、たしかにそうだったはずだ。

「これは、どういう…」
「た、助けてくれたから」
「助け…あーっ!!!」

 俺の大きい声に花音先輩が思わず後ずさってしまい、俺は慌てて口を塞いだ。
 そうだ、あの不審者に気を取られていたが、あそこで被害を受けていたのは花音先輩だった。

「その節は…どういたしまして」

 なんだか立場が逆みたいな挨拶をしてしまった。

「それでなんだけどね…花音がね、をしたいんだって。今日の放課後、2年1組の教室に来てくれるかな?」
「え?」

 意外な提案に、俺は思わず声を漏らした。
 ここにお礼をしに来ただけではなかったのか。

「わかりました。予定もないので行きます」
「ありがと。じゃあ、またね」

 ゆーみん先輩は花音先輩を引き連れて去っていった。

「お礼…?」

 首を傾げる俺の両肩に、ぽんと手が置かれた。
 左右を見てみれば、それぞれ浜場と島地だった。

「…なんだよ」

 二人は無言で空いてる方の手の親指を立ててきた。
 なんなんだ。というか、相変わらず仲がいいな。

 ◆ ◆ ◆

 放課後、一気に人が消えた校内を俺は歩いていた。
 片付けは明日に回されるので、今日は文化祭が終わったまま色々と放置されている。
 窓から差し込む鮮やかな夕暮れに照らされた人のいない校内というのは、いつ見ても神秘的だ。

「失礼します」

 ノックしてから、俺は指定された教室に来た。

「おっ、来てくれたんだね」

 予想に反して、ゆーみん先輩と花音先輩の二人がそこにいた。
 てっきり花音先輩だけいると思っていたのだが。

「それで、お礼というのは…」

 俺がそう発した瞬間、二人は制服の上着を脱いだ。いや、まぁそもそも上着しかつけていなかったが。
 元々胸も股間も当然のように露出されていたから体感としてはあまり変わらないものの、肌の面積は明らかに増えている。
 これで二人は、上履きと靴下(とローター)以外は全裸になった。
 花音先輩はニーソ、ゆーみん先輩はショートソックスにガーターリングといったスタイルで、なんとも眼福な光景である。

「…って、えぇっ!?」
「せっかくだし、体でお礼しよっかなって。わたしが提案したんだけど、花音も受け入れてくれたから。二人を相手にするのって、なかなか普段できないだろうし」

 体でお礼という文化、こっちにもあったのか。
 というか…

「なんで、ゆーみん…先輩まで…?」
由美ゆみ先輩でもいいよ。ま、それはわたしの親友の花音を助けてくれたことと、あとは昨日めんどくさいプレイに突き合わせちゃったお詫び…みたいな?」

 少々あざとく人差し指を唇に当てて首を傾げてみせるゆーみん…もとい由美先輩。
 それから、ガーターリングに装着されたローターのリモコンに手をやり、カチリとスイッチを入れた。
 そして、花音先輩のローターのスイッチも同じように入れる。

「ひゃんっ…」
「せっかくなんだから、使わないともったいないでしょ。さ、奥原くんも座って座って、なんなら寝転んで。楽にしてていいからね」

 言いながら、由美先輩は俺の肩を掴んで座らせ、最終的には言われたとおり仰向けにされた。

「し、失礼します…」

 花音先輩がおずおずと正面にしゃがみこんで、俺のズボンのチャックを下ろす。
 俺の息子は予想外の事態にもちゃんと適応して大きく膨らんでいる。そっと握られ、チャックを開けられたところから取り出された。

「…花音先輩は、大丈夫なんですか。あんなことがあったあとなのに」

 俺は昼間の出来事を思い出して言う。
 あれでは男にトラウマを抱いてもおかしくないと思うのだが。
 由美先輩が、花音先輩に答えるよう目で促した。

「大丈夫です。あなたは、助けてくれた人だから。それに…乱暴にされるよりは、優しくしてくれそうな人のほうがいいです」

 …俺が白宮さんに惚れてなかったら、花音先輩に惚れてたかもしれない。

「花音は安心したいんだよね。セックスがあんな悪いものじゃないって」
「それも、あります…ごめんなさい、わがままで」
「いえ、それで安心できるなら大丈夫です。こういうのもなんですが、どうぞ利用してください」
「ありがとう…ございます」

 花音先輩はまた律儀にお礼をして、それからゆっくり腰を持ち上げた。
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