7 / 14
本編 第一章 過去の傷跡編
三兄弟、地獄行き
しおりを挟む
僕が無理やり押し込まれた後、満足げな顔の二織兄さんも乗り込み、ついにバスは「地獄」へ向けて出発してしまった。
「はぁ……最悪だ……」
結局、抵抗も虚しく運命を受け入れるしかなくなった。思わず重いため息をつくと、それを察したのか一織兄さんが優しく励ましてくる。
「大丈夫ですよ、みしきさん。あなたに何かあれば、私がすぐに助けます!」
「そーだぜ、みしき! 俺が守ってやる。頼りがいのある兄貴を持って幸せもんだなぁ!」
「ええ、私たちはずっとそばにいますから」
二人の言葉に少しだけ緊張がほぐれた。寝不足だったこともあり、僕は二人の気配に包まれながら、いつの間にか深い眠りに落ちてしまった。
「みしきさん、みしきさん! 着きましたよ」
「……うーん……」
重いまぶたをこすりながら返事をし、ふらふらとバスから降りる。
「そういえば、荷物……重いけどどうするの?」
「先生方が私たちの寮まで運んでくださるそうですよ」
「へぇ、そこだけは親切なんだね」
校舎に入り下駄箱のところまで行くと、そこには一人の背が高い男が立っていた。
「えーっと……君らが転校生? とりま、ついてきて」
男はボサボサの髪をわしわしとかきむしり、大きなあくびをしながら言った。
「ほーんと、めんどくさいったらありゃしない。二度と関わりたくねぇのによぉ、なんで俺がこんな問題児の世話しなきゃなんねんだ……」
小声でブツブツと文句を垂れ流している。初対面からあまりに失礼な態度に、僕は少しイラっときたが冷静に尋ねた。
「えーと、あなたは誰なんですか?」
「俺? 俺は君たちの担任の成田。よろしく」
(担任? え、これが!? この、いかにも「まとも」じゃなさそうな、やる気ゼロの男が僕たちの先生だっていうの?まぁとにかく挨拶しよう)
「成田先生これからよろしくお願いします。えーとぼくの名前は、、、」
「そういうのいーから、お前たちの事は事前に知ってるし、必要な時以外関んないから、それでよろしくー」
ぼくが丁寧な自己紹介を投げかけるが、成田はそれを遮り、ため息をしながらだるそうに歩き出した。
「気に入らねぇ……」
隣で二織兄さんが低く呟き、ガンを飛ばしている。
やがて、ある教室の扉の前で足が止まった。プレートには「2-A」と書いてある。
「着いたぞ。それじゃ、俺はこれで。ホームルームには戻るから、中の奴らとせいぜい仲良くしろよー」
成田は再び髪をかきむしりながら、背を向けてどこかへ消えてしまった。
「なんだよ、あいつ……」
「まぁまぁ、とりあえず入ろう!」
一触即発な空気の二織兄さんをなだめ、僕は教室のドアに手をかけた。
この時、僕はまだ知らなかった。 この後、僕を挟んだ二人の兄が、このクラスで騒動を巻き起こし、「やらかし」をしまくることになるのかを——
そして僕は知ることになるこの学校の治安の悪さを———
「はぁ……最悪だ……」
結局、抵抗も虚しく運命を受け入れるしかなくなった。思わず重いため息をつくと、それを察したのか一織兄さんが優しく励ましてくる。
「大丈夫ですよ、みしきさん。あなたに何かあれば、私がすぐに助けます!」
「そーだぜ、みしき! 俺が守ってやる。頼りがいのある兄貴を持って幸せもんだなぁ!」
「ええ、私たちはずっとそばにいますから」
二人の言葉に少しだけ緊張がほぐれた。寝不足だったこともあり、僕は二人の気配に包まれながら、いつの間にか深い眠りに落ちてしまった。
「みしきさん、みしきさん! 着きましたよ」
「……うーん……」
重いまぶたをこすりながら返事をし、ふらふらとバスから降りる。
「そういえば、荷物……重いけどどうするの?」
「先生方が私たちの寮まで運んでくださるそうですよ」
「へぇ、そこだけは親切なんだね」
校舎に入り下駄箱のところまで行くと、そこには一人の背が高い男が立っていた。
「えーっと……君らが転校生? とりま、ついてきて」
男はボサボサの髪をわしわしとかきむしり、大きなあくびをしながら言った。
「ほーんと、めんどくさいったらありゃしない。二度と関わりたくねぇのによぉ、なんで俺がこんな問題児の世話しなきゃなんねんだ……」
小声でブツブツと文句を垂れ流している。初対面からあまりに失礼な態度に、僕は少しイラっときたが冷静に尋ねた。
「えーと、あなたは誰なんですか?」
「俺? 俺は君たちの担任の成田。よろしく」
(担任? え、これが!? この、いかにも「まとも」じゃなさそうな、やる気ゼロの男が僕たちの先生だっていうの?まぁとにかく挨拶しよう)
「成田先生これからよろしくお願いします。えーとぼくの名前は、、、」
「そういうのいーから、お前たちの事は事前に知ってるし、必要な時以外関んないから、それでよろしくー」
ぼくが丁寧な自己紹介を投げかけるが、成田はそれを遮り、ため息をしながらだるそうに歩き出した。
「気に入らねぇ……」
隣で二織兄さんが低く呟き、ガンを飛ばしている。
やがて、ある教室の扉の前で足が止まった。プレートには「2-A」と書いてある。
「着いたぞ。それじゃ、俺はこれで。ホームルームには戻るから、中の奴らとせいぜい仲良くしろよー」
成田は再び髪をかきむしりながら、背を向けてどこかへ消えてしまった。
「なんだよ、あいつ……」
「まぁまぁ、とりあえず入ろう!」
一触即発な空気の二織兄さんをなだめ、僕は教室のドアに手をかけた。
この時、僕はまだ知らなかった。 この後、僕を挟んだ二人の兄が、このクラスで騒動を巻き起こし、「やらかし」をしまくることになるのかを——
そして僕は知ることになるこの学校の治安の悪さを———
0
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。
それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。
友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!!
なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。
7/28
一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる