平凡雑音日記。

赤屋カル

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 美しくいたい
誰かに愛されたくて,何の目的もない道をぶらぶら歩く
通るたびに映る自分姿にたまに呆れる
悲しくなる
向こうから手を繋いで歩いてくる若者を見るたび、私の容姿か性格か年齢か,何がダメかを考える
考えれば考えるほど真っ暗な夜道を歩きたくなる
カサカサの唇は誰かも触れた感覚を忘れている。
私の肩は誰かに後ろから触られた瞬間に無意識に拒否反応してしまう
いつからか
誰かに愛されたい
そう思う一方で
逃げている自分がいる
臆病なのかただ自分という存在が楽なのか
わからないけど,1秒すぎるごとに私はまた一つ女としての難易度が上がる
歳を重ねて女はまた輝く
歳を積んで女のステージは高くなる
だから女はそのステージを上がるごとに輝いて誰かの''なりたい''になれるのかもしれない
 誰かと一緒になりたい
というのは,
自分が女である証を持っていたいからかもしれない
私も女だ
女だから彼氏が欲しいと思う
でもその一方で
彼氏がいなくて輝ける人になりたいとも思う
これは逃げているのだろうか
それとも
挑戦しているのだろうか
私は彼氏以外で自分が女であるという証が欲しい
誰かと一緒に過ごす時間も楽しいけれど
誰かと一緒に過ごす時間よりも面倒なものもない

もしも女であるために男を作れというのなら、
私は喜んで女をやめる

だって私は女になるために生まれてきたわけじゃないから
偶々運が重なって女になっただけなの
そう,
私は偶々人間になっただけなの
なら偶々出会った人たちと交流して
偶々通った道で人生の色をかさねて
偶々重なった道の先にいる何か別の女としての証を見つけてみたいの

偶々という言葉がどれだけ私を輝かせてくれるのか知りたいの
男なんていらないよ
カサカサの唇だって構わない
女であるためにはファッションの流行を守らなきゃいけないなら私は女を捨てる
女であるためには細くならなきゃいけないなら
私は人間として生きていく
それも許されなくなったら
私は生き物として生きてくいく
女である証は男とは限らない

でも一つ私は欲しかった証がある
私がこの道を辿ったのは最初から決められた道だったからだ
そう思えたら多分私は「こういう人生なんだ」と,少し肩が落ちるだろう
でもそれが納得いかない人生だったら
女の証と同じくらいなにか得られるものが欲しい
私が生きていた証が欲しい

ただの欲望だけど,みんなその欲望があるから
生きていくんだ

証を探すのだ
欲しい言葉じゃなかったら,あたって,怒ってしまうかもしれない
欲しい証じゃなかったら,あっさり切り捨てるかもしれない

それでもいい
最後に私がこれだと思う言葉をかけてくれるなら
私の最高の証になるだろう
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