平凡雑音日記。

赤屋カル

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友人b

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 僕は昨日,友人aと友人bの3人で電話をした。
友人aはこの前も出てきた一張一弛の子。
今回は友人aの説明を省き,友人bを紹介する。

友人bは僕とは反対の性別,つまり異性である。
中学時代に仲が良く,高校と大学でたまにsnsでやりとりするくらいだ。

といってもここ何年かはやりとりもなく,
bと会話するのは久々だった。

一視同仁とは,まさにbのことだ。
僕は学生時代,良くbと会話をしていた。

相談もしたし,馬鹿話なんかもした。

今回bと話すきっかけになったのは
この前の出来事がきっかけとなっている。

というのも,異性の気持ちなど同性にしかわからないということもある。

そこでaは僕がbと仲良かったことを思い出し,

「いっそのことbに聞いてみれば?」
と言ってきたのである。

久々に連絡を取り合うというのに,

「bってさ,異性の何を最初に見る?」
なんて初っ端から入るのは,
デリカシーのかけらもない。

かと言って,どーでもいいことをごだごだ言ってるほど,こちらも余裕がないのである。

この前話した「どうする?」の4文字の意味を知りたいからだ。

どんなに考えてもこの4文字の意図が気になって仕方ないのである。

アイスを貪り食い,直撃で扇風機を浴び,あぐらをかきながら,考える内容ではない。

むしろこの一面が,女として終わっているであろう。

いや,語弊がある。女も人間なのだ。
こんなの,みられてない時くらい許してもらおう。

しかし,bに今からその「どうする?」を聞きたいのだから,ここは

1本線に毛筆でグンと書かれ,
「もう,僕は嵐がこようが折れません」
みたいな正座をして
ピンとして、
片手はお膝,
片手はスマホというのが正しいのだ。
聞くのだから敬意を払わでばならない。

「友人b様」
最初にそのメッセージのみを送った。

しかし数秒後に
堅苦しいな。
って思って,メッセージを消した。
そしたらすぐに
「どったの?」

ってメッセージが来るもんだから

慌てて
「聞きたいことがある。」

ピストルが合図も無しに撃たれて,リレーがスタートしたのに出遅れた選手みたいな光景。
どんなに燃えていても,集中力があっても,
合図なしではなかなか思うように動けん。

僕はえーーい!って思いで
大太鼓をぼんっ!って振った勢いで

「実は~」
と出来事全てと悩んでることを告げた。

彼はそれは「どーちゃらこーちゃらで」
と簡単に教えてくれた。

曖昧さが少し残っていたので,
友人aにbからこう言われたんだよねっていうと

aは
「もう,bと電話しな。」
「いや,久々やし。」
「じゃあ,3人で話そ」
ということで,
bに了承をもらって,なぜか
3人での通話が開始した。

よく話すaと久々のbを交えて
小さな会議が始まったのである。

aとbも同じ中学で,二人は小学校も同じなので,顔見知りだ。
ただ僕よりも二人が仲良いかと言われれば,
「同級生」
という肩書きしか持っていない。

aもbも考え,討論になる。
意見がスマホから漫画のセリフのように
「ぼん!」「ぼん!」
と吹き込んでくるものだから
その勢いに少し押されつつ,
こんなに異性で考えが違うんだなって思った。

最終的に途中からaの恋愛話もかになったが,
中々bも仏のような人だから
6時間も話を聞いてくれた。

僕も,6時間彼女(a)の話を聞いた。

6時間はあっという間に過ぎたし,
今までの空いた時間が嘘のようにすっぽり埋まった。

bは声が変わっていて,大人っぽくなっていたし,
bはaの裏の顔とやらを知って
「清楚系じゃないんだ」という
偽りの仮面をバキバキに破られた。

でもそれはある意味,よかった。
相手はbで,
aは破られた仮面を解放感として
捉えたからだ。

まるで大空に羽ばたく小鳥のようだ。

僕らが話し終える頃にはもう,朝日が目を覚まし始めていた。

中学の友達は意味がないと良く聞く。
高校の友達や大学の友達は人生の中でずっと続く関係だという。
中学は別だと。
でもそれは半分本当で,半分は嘘だと自覚した。なぜなら,
僕らは別々の高校で,別々の大学。
一緒になったのは
中学のあの狭い空間だけだった。
bは同じクラスが2回なったが,
aに関しては1度も同じクラスになったこがない。

クラスが同じ,クラスが一度も一緒じゃない,

そんなのは関係ないのかもしれない。

必要な時に必要な人は必ずそばにいるという言葉,本当なのかもしれない。

そして,切れる人はいつの間にか切れている。

自由に生きよう,そして強く生きよう。

友人aもbも何かしらの磁石がくっついて,引き合い,今こうしてまた出会い笑い合っているのだから。
人生って不思議。人の関係って不思議。




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