僕の未来の夢の話

三苦之一幸(sankunoissi)

文字の大きさ
1 / 3

未来のトイレ

しおりを挟む
僕は、近い未来にいた。

今日の僕は女の人だった。

建物の中にいたが、暑くもなく寒くもなく、季節はわからなかった。

自分の見た目を語るのはおかしな話だが、ハッキリとわかった。

黒い髪は肩まであり、30代前半で、面長の顔に、細い眉、目は大きくもなく小さくもなく、鼻筋が通っていて細く、唇は細く小さく、体型は小柄で細身だった。

ダブダブの前開きで、丈がくるぶしまである、白のワンピースを着ていた。

見回すと、自分のまわりには100人程がそこにいた。皆、色は違うが同じ形のワンピースを着ていた。

皆、表情には出ないが、とても楽しそうだ。そう感じることができた。

この日はどうも、月に一度の外出できる貴重な一日なのだそうだ。

そう、男も女も、同じ服。年齢は20~30代くらい。髪型は短かったり、長かったり、ポニーテールだったり、色々あるが皆、前髪をサッパリとカットされた黒髪だった。

どの服も、薄い水色、薄いピンク、薄い緑色、と淡い色ばかりで、僕が(私が)着ている真白色は珍しいようだった。

どうやら僕が(私が)いるのは、現代で言うデパートの様な場所。

皆、ここで品物を直接見て、買い物をしているようだった。

店員はいない。

皆、買った商品は手に持っていない。バックも何も持っていなかった。

どういう仕組みなのか解らないが、スマホや時計などの装飾品も付けていない。

数人は、片耳に黒いホクロのようなピアスのようなものを付けている。あれはまるでテレビのリモコンの赤外線のとこのように、たまに赤く光るのだった。

僕は(私は)、この時代の友達のような女性3人と建物を出てどこかへ向かおうと話した。

地下鉄のようなコンクリートの出口から建物を出て、すぐに「おしっこしたい」と思った。

すると彼女らも「私も、私も、」と言う。

一緒について行くと、8畳ほどある部屋だった。

部屋は仕切りで2つに分かれていて、1/3が男性用、2/3が女性用と図で描かれた電子表示があった。

女性用へと入ってみると、別に臭うわけでもないが、ジメジメした雰囲気だった。

そして、滝のような音とまるでリラクゼーションのようなサウンドが流れた。

そこには、個室とかなく、ただ狭い部屋の中にピンク色の椅子がこちら向きで12脚並んでいた。

友達3人は、その椅子に腰掛け、慣れた感じでようをたすと、そのまま先に出て行ってしまった。

このトイレは、混雑はしていないものの、入れ替わり立ち替わり状態である。

僕も先に習って、同じようにピンクの椅子に腰掛けてそのまましてみようと思った。

前の方だと見えたら嫌だなと思い、4列目の1番奥を選んだ。

座ってみて驚いた。下は石だった。

隣の席に人が入ってきたので僕は(私は)それをさりげなく見ることにした。

ワンピースをまくり、腰掛けた後に、少し足を開いて用を足す。足した後、それは、流れ落ちて石に染み込んですぐに消えていった。

仕組みは解らないがトイレットペーパーなどはなく、そのままの立って部屋の外へと向かうのだ。

皆、平気な様だった。

きっとこの世界では、それが当たり前なのだろう。

だが、足を開いて座った僕は(私は)、恥ずかしさでいっぱいになった。
「パンツも履いてないんか。」

強い尿意はあるが、どうやっても出ない。

いつも男として、立ちションしているが、これはオムツにそのまましろよと言われている、そんな気分だった。

すると、隣に20代前半の白いワンピースのアイドルの様な可愛い女の子が腰掛けてきた。

彼女は、目に涙を浮かべながら言った。
「私、出来ない。こんな所でおしっこ出ない。」

よかった。こういう人もいるんだ。そう思えた。しかも、この子はとびきり可愛い。

「私も(僕も)だよ。」

「一緒に頑張ろう。」そう言って手を握った。

なんとかして、この未来のトイレを克服した2人は、トイレを出てそこで手を洗うのかと思いきや…。

この時代では、水が大変貴重なものらしく水洗トイレも手洗いの水も水道もなくなっていた。

ああ…未来のトイレ。恐ろしや。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...