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4月3日(土)入学式
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2021年4月3日(土)
今日は入学式だ。
僕の嫌いな冬も終わり、あたたかい春がやってきた。
そうさ、タイトルの通りである。
僕はいつでも眠い。
三流大学へ入学と共に、一人暮らしを始めた僕は、朝食もままならず、二つ上の兄のおさがりのスーツを着てアパートを飛び出した。
今朝はしっかりと起きれた。
目覚まし時計が鳴り、ギリギリの時間に起き駆け足で慌てて電車に乗り大学へと向かう。
読んでる方は、きっと僕が初日からこんな感じで心配だろうが、僕にとっては至って通常の時間通りの生活なのだ。
電車に乗り込み向かいの窓ガラスに写った自分の髪が、名探偵のメガネくんばりに跳ねていることに、気が付いた。
電車が走り出し少しすると、足元から暖かい風が吹き込み、ふわっとしたあの感覚に襲われ、慌てて飛び起きた。
僕は、恥ずかしくなり、頭を抱える仕草で、照れ隠しにつぶやいた。
「そういや、ネクタイってどうやってしばるんだっけ。」
スマホの動画を消音で見て、その通りにやってみた。
何かしていないと寝てしまうからだ。
この眠いという症状は高校3年の春から始まり、少しずつ悪くなっていっているようだ。
流石に親にも心配され、病院へも何度も連れて行ってもらったが、脳波やMRIや色々な科で検査をしてもらっても、何もどこも悪くないと言う。
それどころか、健康そのものなのだそうだ。
僕はこの一年、こんなだから、食事もそう食べていない。身長185cmなのに、今では60kgもないんだ。
こんな体型だと余計目立つので、電車やバスではいつも座っていたい。
今年は、入学式は生徒のみの参加となり、親は来ないそうだ。
僕にとっては、あまり人がいない方が都合が良い。
とにかく、あまり目立ちたくないのだ。
大学生活はインキャでいたいのだ。
大学に到着し、受付をして体温チェックしアルコール消毒をし、入学式場に入る。
指定された席へ座った。座って少しすると、僕はいつもの暗い闇に落ちていった。
-----さい。
大丈夫ですか。
起きてください。
式、終わりましたよ。」
誰かが、女の子の、呼ぶ声が聞こえてくる。
気付くとまんまるの目と顔をし、マスク姿の髪の長い女の子が目の前にいた。
やっちまった。入学式は終わったようだ。
僕は状況を理解し、女の子に言葉を返した。
「ありがとう。起こしてくれて。寝ちゃってたみたいで。」
「私、隣に座ってたんだけど、式の途中、君、まるで死んでるように動かないし、息してた?もし死んでたらどうしようって、凄く怖かった。でもよかった。」
女の子は心配そうに少し涙目で言った。
「ごめんね。大丈夫だから。えと、同じ学科?」
「うん。経済学科一年、成宮砂希(なりみやさき)。よろしくね。」
「僕は、神田慧(かんださとし)。よろしく。」
成宮砂希は僕の頭に手を置き、通りすがりに、僕の髪をクシャクシャっと撫でた。
「さとしくん。髪、ハネてるよ~。またね。バイバイ。」
「え?」
僕はとっさに立ち上がり振り返えった。
成宮砂希を見ると、彼女は振り返り先程までのまん丸な目を細めて、とびきりの笑顔で僕に言った。
「さとしくんって、背が高くて、すごくカッコいいね。」
成宮砂希は、恥ずかしそうに小走りで去って行った。
今日は入学式だ。
僕の嫌いな冬も終わり、あたたかい春がやってきた。
そうさ、タイトルの通りである。
僕はいつでも眠い。
三流大学へ入学と共に、一人暮らしを始めた僕は、朝食もままならず、二つ上の兄のおさがりのスーツを着てアパートを飛び出した。
今朝はしっかりと起きれた。
目覚まし時計が鳴り、ギリギリの時間に起き駆け足で慌てて電車に乗り大学へと向かう。
読んでる方は、きっと僕が初日からこんな感じで心配だろうが、僕にとっては至って通常の時間通りの生活なのだ。
電車に乗り込み向かいの窓ガラスに写った自分の髪が、名探偵のメガネくんばりに跳ねていることに、気が付いた。
電車が走り出し少しすると、足元から暖かい風が吹き込み、ふわっとしたあの感覚に襲われ、慌てて飛び起きた。
僕は、恥ずかしくなり、頭を抱える仕草で、照れ隠しにつぶやいた。
「そういや、ネクタイってどうやってしばるんだっけ。」
スマホの動画を消音で見て、その通りにやってみた。
何かしていないと寝てしまうからだ。
この眠いという症状は高校3年の春から始まり、少しずつ悪くなっていっているようだ。
流石に親にも心配され、病院へも何度も連れて行ってもらったが、脳波やMRIや色々な科で検査をしてもらっても、何もどこも悪くないと言う。
それどころか、健康そのものなのだそうだ。
僕はこの一年、こんなだから、食事もそう食べていない。身長185cmなのに、今では60kgもないんだ。
こんな体型だと余計目立つので、電車やバスではいつも座っていたい。
今年は、入学式は生徒のみの参加となり、親は来ないそうだ。
僕にとっては、あまり人がいない方が都合が良い。
とにかく、あまり目立ちたくないのだ。
大学生活はインキャでいたいのだ。
大学に到着し、受付をして体温チェックしアルコール消毒をし、入学式場に入る。
指定された席へ座った。座って少しすると、僕はいつもの暗い闇に落ちていった。
-----さい。
大丈夫ですか。
起きてください。
式、終わりましたよ。」
誰かが、女の子の、呼ぶ声が聞こえてくる。
気付くとまんまるの目と顔をし、マスク姿の髪の長い女の子が目の前にいた。
やっちまった。入学式は終わったようだ。
僕は状況を理解し、女の子に言葉を返した。
「ありがとう。起こしてくれて。寝ちゃってたみたいで。」
「私、隣に座ってたんだけど、式の途中、君、まるで死んでるように動かないし、息してた?もし死んでたらどうしようって、凄く怖かった。でもよかった。」
女の子は心配そうに少し涙目で言った。
「ごめんね。大丈夫だから。えと、同じ学科?」
「うん。経済学科一年、成宮砂希(なりみやさき)。よろしくね。」
「僕は、神田慧(かんださとし)。よろしく。」
成宮砂希は僕の頭に手を置き、通りすがりに、僕の髪をクシャクシャっと撫でた。
「さとしくん。髪、ハネてるよ~。またね。バイバイ。」
「え?」
僕はとっさに立ち上がり振り返えった。
成宮砂希を見ると、彼女は振り返り先程までのまん丸な目を細めて、とびきりの笑顔で僕に言った。
「さとしくんって、背が高くて、すごくカッコいいね。」
成宮砂希は、恥ずかしそうに小走りで去って行った。
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