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一話完結物語
虹色の幸せ
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「お前に幸せの味を教えてやろう」
ボクの前に現れた神様は、上から目線でそう言った。
神々しい金色の雲に囲まれ、無数の虹がかかった中、光に包まれたその姿は眩しすぎて直視できない。
どうしてこんなことになったのかも、わからない。
日頃から、幸せの味を知りたいと願っていたせいだろうか。
だけど幸せの味を教えてくれるというなら、願ったり叶ったりだ。
ボクが是非是非と首を縦に振ると、神様は近くの虹をスプーンですくって、ボクに食べさせてくれたんだ。
それは本当に極上の味わいだったよ。
そこには色々な色の幸せが含まれていた。
情熱的な赤い幸せ。明るい気分の黄色い幸せ。神秘的な紫色の幸せもあれば、センチメンタルな気分になれるブルーな幸せもあった。
その全てが、同時に心になだれ込んでくるんだ。
なんかもう幸せ過ぎて、このまま死んでも良いっていう気持ちになれたよ。
それと同時に、永遠に生きてこの感情を味わい続けたいっていう欲望が押し寄せるんだ。
矛盾しているだろう?
でも、そんな矛盾すらも愛おしく思える味だったんだ。
だけどね。
ボクは、本当の意味では満足出来なかった。
だってそこには白い幸せと、黒い幸せが無かったから。
白い幸せの方は、まだ全部の色を混ぜれば味わえそうな気もした。
だけど黒い幸せは、虹の中には入っていなかったんだ。
一度も味わったことの無い、黒い幸せ。なのに、それが存在することを何故かボクは知っていた。
それを伝えると神様は大笑いして、ボクを欲張りめと罵った後、こう言ったんだ。
「それは人間に教えてはいけないことになっている。欲しければ自分で探すがいい」
その言葉を最後に神様は消えて、気づけばボクはベッドの上さ。
夢だったのかな。
だけどね、ボクの人生の目標はその時決まったんだ。
漆黒の幸せを、ボクは味わってみせる。
だって他の幸せは、もう味わっちゃったからね。
ボクは幸せを、追求し続ける。
その完成に、黒は必要不可欠なんだよ。
END
ボクの前に現れた神様は、上から目線でそう言った。
神々しい金色の雲に囲まれ、無数の虹がかかった中、光に包まれたその姿は眩しすぎて直視できない。
どうしてこんなことになったのかも、わからない。
日頃から、幸せの味を知りたいと願っていたせいだろうか。
だけど幸せの味を教えてくれるというなら、願ったり叶ったりだ。
ボクが是非是非と首を縦に振ると、神様は近くの虹をスプーンですくって、ボクに食べさせてくれたんだ。
それは本当に極上の味わいだったよ。
そこには色々な色の幸せが含まれていた。
情熱的な赤い幸せ。明るい気分の黄色い幸せ。神秘的な紫色の幸せもあれば、センチメンタルな気分になれるブルーな幸せもあった。
その全てが、同時に心になだれ込んでくるんだ。
なんかもう幸せ過ぎて、このまま死んでも良いっていう気持ちになれたよ。
それと同時に、永遠に生きてこの感情を味わい続けたいっていう欲望が押し寄せるんだ。
矛盾しているだろう?
でも、そんな矛盾すらも愛おしく思える味だったんだ。
だけどね。
ボクは、本当の意味では満足出来なかった。
だってそこには白い幸せと、黒い幸せが無かったから。
白い幸せの方は、まだ全部の色を混ぜれば味わえそうな気もした。
だけど黒い幸せは、虹の中には入っていなかったんだ。
一度も味わったことの無い、黒い幸せ。なのに、それが存在することを何故かボクは知っていた。
それを伝えると神様は大笑いして、ボクを欲張りめと罵った後、こう言ったんだ。
「それは人間に教えてはいけないことになっている。欲しければ自分で探すがいい」
その言葉を最後に神様は消えて、気づけばボクはベッドの上さ。
夢だったのかな。
だけどね、ボクの人生の目標はその時決まったんだ。
漆黒の幸せを、ボクは味わってみせる。
だって他の幸せは、もう味わっちゃったからね。
ボクは幸せを、追求し続ける。
その完成に、黒は必要不可欠なんだよ。
END
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