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一話完結物語
とある饂飩の胡乱な主張
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うどんに告白された。
「今まで、ずっと黙ってたけど……実は俺、そうめんなんだ」
さっき茹で上がったばかりのうどんが、一体何を言い出したのか。
どんぶりの中には極太の麺。
この太さでそうめんだと言い張るなら、そうめんの法則が乱れてしまう。
それに比べたら、うどんが突然しゃべりだしたことなど、実に些細な問題だった。
うろんな目でうどんを見つめていると、うどんは真面目な口調で言葉を続ける。
「確かに材料は一緒だよ。その意味では、うどんと言えなくもないかもしれない。だけど、信じてほしい。
俺、そうめんなんだ!」
材料の問題ではない。
このうどんは、うどんとそうめんの区別もつかないほど愚鈍なのだろうか。
両者の違いをネットで検索すると、乾麺状態で太さ1.7ミリメートル以上のものはうどん、1.3ミリメートル以下のものがそうめんと出てきた。中間が冷や麦だ。
私は無言でうどんを観察する。この太さなら無論、うどんだろう。
「そんな定義、人間が勝手に決めたものだろ!」
それなら君の考える、うどんとそうめんの違いとは一体なんだ。
何をそんなにこだわっているんだ。
「とにかく俺はそうめんだ! うどんである俺自身が言うんだから、間違いない!」
言った! 今、自分でうどんって言った!
「うるさい! 誰が何と言おうと俺はそうめんだ! アイアム、ソウメン! イッツミー、ソオォメエェン!」
叫び出すうどん。あまり熱くなられても困る。私は猫舌なのだ。
それにアパートの一室でそんな大声出したら……ほら、お隣さんが壁ドンしてきた。
すみませんねぇ、うちのうどんが……
今、黙らせますので。
「あ、ちょっ、やめッ、まだ話は終わってな……」
私は無言でうどんを啜る。
お腹に入ってしまえば、どっちでも一緒だ。
……明日のご飯は、そうめんにしようかな。
翌日、そうめんに告白された。
「黙っていて、ごめんなさい……実はわたくし、うどんなのです」
今時の麺'sの話に、私はついていけそうにない。
END
「今まで、ずっと黙ってたけど……実は俺、そうめんなんだ」
さっき茹で上がったばかりのうどんが、一体何を言い出したのか。
どんぶりの中には極太の麺。
この太さでそうめんだと言い張るなら、そうめんの法則が乱れてしまう。
それに比べたら、うどんが突然しゃべりだしたことなど、実に些細な問題だった。
うろんな目でうどんを見つめていると、うどんは真面目な口調で言葉を続ける。
「確かに材料は一緒だよ。その意味では、うどんと言えなくもないかもしれない。だけど、信じてほしい。
俺、そうめんなんだ!」
材料の問題ではない。
このうどんは、うどんとそうめんの区別もつかないほど愚鈍なのだろうか。
両者の違いをネットで検索すると、乾麺状態で太さ1.7ミリメートル以上のものはうどん、1.3ミリメートル以下のものがそうめんと出てきた。中間が冷や麦だ。
私は無言でうどんを観察する。この太さなら無論、うどんだろう。
「そんな定義、人間が勝手に決めたものだろ!」
それなら君の考える、うどんとそうめんの違いとは一体なんだ。
何をそんなにこだわっているんだ。
「とにかく俺はそうめんだ! うどんである俺自身が言うんだから、間違いない!」
言った! 今、自分でうどんって言った!
「うるさい! 誰が何と言おうと俺はそうめんだ! アイアム、ソウメン! イッツミー、ソオォメエェン!」
叫び出すうどん。あまり熱くなられても困る。私は猫舌なのだ。
それにアパートの一室でそんな大声出したら……ほら、お隣さんが壁ドンしてきた。
すみませんねぇ、うちのうどんが……
今、黙らせますので。
「あ、ちょっ、やめッ、まだ話は終わってな……」
私は無言でうどんを啜る。
お腹に入ってしまえば、どっちでも一緒だ。
……明日のご飯は、そうめんにしようかな。
翌日、そうめんに告白された。
「黙っていて、ごめんなさい……実はわたくし、うどんなのです」
今時の麺'sの話に、私はついていけそうにない。
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