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第43話
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「それは傑作だわ!」
ラシャダの豪快な笑い声が森の中をこだまする。
リーネたちにとっては笑い話ではないため、陽気に笑うラシャダに表情が強張る。
「まさか、あのデルスターが四天王とはね・・。」
五人で円を作り、各々楽な体勢で地面に座りながら、情報共有をしているとラシャダはそう言い鼻で笑う。
「デルスターを知っているです?」
リーネは笑うラシャダにそう聞くと、ラシャダは親指と人差し指を顔の前で開き、
「ええ、こんなにちっこい頃からね」
と、小馬鹿にするが、すぐに大きなため息を吐く。
「でも奴隷商として用意した偽装馬車がすり替えられていたなんて、馬鹿なことをする用になったものね・・。」
「それでリーネは私たちと共に来るのか?」
どこか悲しげにラシャダが物思いに更けていると、その隣の人狼妖精のシーアがリーネに尋ねる。
奴隷商人との事の顛末を話し、無事解決したことをシーアたちはわかっているものの、成人もしていないリーネを気遣っての事だろう。
「好い人と共に居たいのは分かるが、子供には危険過ぎる。しかも相手にするのは、あの勇者だろう?命がいくらあっても無謀なことだ」
リーネはシーアの言葉に顔を真っ赤にし、驚きを隠せずにいる様子であったが、センサザールはその言葉に疑問を浮かべる。
「あの勇者?貴方たち勇者たちを知っているの?」
「知ってるも何もあの女のせいで私たちは戦場に駆り出される羽目になったのだ!」
地面を叩き怒りを露わにするシーアに視線が集まる。
「ヤツらは、お前たちが去ったあとに来た肥沃翼竜たちと交戦もせずに街を離れたんだ!伝令にきた騎士団を切りつけてな・・。」
勇者とは思えない行為に耳を疑ったが、自分の仲間に手を上げるような者だ。
まともな人間の思考ではしないことをしてもおかしくはないだろう・・。
「それで私たちシャスリティアに白羽の矢を立てられたのよ。肥沃翼竜を連れてきただの、魔族なんだから戦えだのと貴族どもに言われたのよ」
感情任せに話していたシーアに代わりラシャダがそう付け加える。
「あの時、貴方たちに会ったのは、アタシたちが戦わなくていい条件がノウト様を連れて来るっていうことだったの。彼が貴方に連れられて街を飛び立つ姿を確認されていたし、勇者パーティーを離れたって噂になっていたしね。彼ならどうにか出来ると貴族たちは思ったのかもね・・。」
ラシャダはそう言いつつ視線をゼンに向ける。
魂の抜けた虚な表情のゼンを見てラシャダは首を横に振る。
「でもまあ、街に連れて行っても意味がなさそうね。今の状態の彼にとてもじゃないけどアイツらを倒せっこないわ」
「アイツらと戦ったの!?」
センサザールは興奮のあまりラシャダの肩を掴む。
ラシャダはセンサザールの握力の強さに顔を歪める。
「痛いって!?実際には戦ってはないけど、貴方の親と妹だけで街は半壊、駆けつけて来たAランクパーティーも瞬殺・・。だからこそ勇者たちの力が必要だったっていうのに・・。」
ラシャダの表情が沈む。
そして、シーアの最初の怒りと話が結びつきセンサザールの表情も曇る。
「その・・。一つ聞きたいのですが肥沃翼竜ってそんなに強いんです?」
リーネはまだ齢10代前半で戦闘経験も浅い。目の前のセンサザールの強さと魔力量は十分と言っていいほど理解しているが、リーネの基準は、魔術師の最高峰であり、オリジナルの役職を作った男の肉体を持つ傀儡のゼンと、魔王と同等であろう勇者、そして現天翼族族長のビュティニアであるから、センサザールの強さが霞んでいるのだ。
リーネの発言にラシャダとシーアは口をあんぐりと開けて驚き、センサザールは悲しげに空笑いをする。
「もしかして、まずいこと言っちゃいました?」
「無知とは怖いものだな・・。」
「リーネちゃん。この世界で最も人間が恐れているものを知っているかしら・・?」
ラシャダは声を優しくし、リーネに教えを説くように丁寧に質問する。
「・・魔王軍です?」
「いいえ、不正解よ。正解は〝五龍聖〟これに該当するのが、今目の前にいるセンサザールの種族肥沃翼竜なのよ。強さはもちろんのこと、五龍聖は創世を司るとされていて、魔導の力でこの世を作ったっていう神話級の話があるほどなの」
「・・そうなんです・・ね」
ラシャダの話を聞いても実感の湧かないリーネにセンサザールは肯定の意味で頷く。
「まあ、肥沃翼竜はその中じゃ実質下僕みたいな扱いなんだけどね。それに私は真のファートル・ドラゴンじゃないしね」
センサザールは自身を嘲笑うように笑うと、ポツリと溢すように話す。
「だからこそ、野心家の父は色々と足掻いていたのかもしれないわ。現状を打破するためにどうすればいいかと、でも叶わなかった。血を濃く引き継いだ私も四天王止まり、まあロクな父親じゃなかったってことよ」
センサザールはまとめるようにそう言うと、突然立ち上がる。
「リーネ、肥沃翼竜というよりアイツの恐ろしさなんて口で言っても理解出来ないと思うわ。だから私が言えることは一つ・・。」
センサザールは一拍開けると、こうリーネに言い放つ。
「貴方はラシャダたちについて行きなさい。私たちと一緒にいては危険だわ」
ラシャダの豪快な笑い声が森の中をこだまする。
リーネたちにとっては笑い話ではないため、陽気に笑うラシャダに表情が強張る。
「まさか、あのデルスターが四天王とはね・・。」
五人で円を作り、各々楽な体勢で地面に座りながら、情報共有をしているとラシャダはそう言い鼻で笑う。
「デルスターを知っているです?」
リーネは笑うラシャダにそう聞くと、ラシャダは親指と人差し指を顔の前で開き、
「ええ、こんなにちっこい頃からね」
と、小馬鹿にするが、すぐに大きなため息を吐く。
「でも奴隷商として用意した偽装馬車がすり替えられていたなんて、馬鹿なことをする用になったものね・・。」
「それでリーネは私たちと共に来るのか?」
どこか悲しげにラシャダが物思いに更けていると、その隣の人狼妖精のシーアがリーネに尋ねる。
奴隷商人との事の顛末を話し、無事解決したことをシーアたちはわかっているものの、成人もしていないリーネを気遣っての事だろう。
「好い人と共に居たいのは分かるが、子供には危険過ぎる。しかも相手にするのは、あの勇者だろう?命がいくらあっても無謀なことだ」
リーネはシーアの言葉に顔を真っ赤にし、驚きを隠せずにいる様子であったが、センサザールはその言葉に疑問を浮かべる。
「あの勇者?貴方たち勇者たちを知っているの?」
「知ってるも何もあの女のせいで私たちは戦場に駆り出される羽目になったのだ!」
地面を叩き怒りを露わにするシーアに視線が集まる。
「ヤツらは、お前たちが去ったあとに来た肥沃翼竜たちと交戦もせずに街を離れたんだ!伝令にきた騎士団を切りつけてな・・。」
勇者とは思えない行為に耳を疑ったが、自分の仲間に手を上げるような者だ。
まともな人間の思考ではしないことをしてもおかしくはないだろう・・。
「それで私たちシャスリティアに白羽の矢を立てられたのよ。肥沃翼竜を連れてきただの、魔族なんだから戦えだのと貴族どもに言われたのよ」
感情任せに話していたシーアに代わりラシャダがそう付け加える。
「あの時、貴方たちに会ったのは、アタシたちが戦わなくていい条件がノウト様を連れて来るっていうことだったの。彼が貴方に連れられて街を飛び立つ姿を確認されていたし、勇者パーティーを離れたって噂になっていたしね。彼ならどうにか出来ると貴族たちは思ったのかもね・・。」
ラシャダはそう言いつつ視線をゼンに向ける。
魂の抜けた虚な表情のゼンを見てラシャダは首を横に振る。
「でもまあ、街に連れて行っても意味がなさそうね。今の状態の彼にとてもじゃないけどアイツらを倒せっこないわ」
「アイツらと戦ったの!?」
センサザールは興奮のあまりラシャダの肩を掴む。
ラシャダはセンサザールの握力の強さに顔を歪める。
「痛いって!?実際には戦ってはないけど、貴方の親と妹だけで街は半壊、駆けつけて来たAランクパーティーも瞬殺・・。だからこそ勇者たちの力が必要だったっていうのに・・。」
ラシャダの表情が沈む。
そして、シーアの最初の怒りと話が結びつきセンサザールの表情も曇る。
「その・・。一つ聞きたいのですが肥沃翼竜ってそんなに強いんです?」
リーネはまだ齢10代前半で戦闘経験も浅い。目の前のセンサザールの強さと魔力量は十分と言っていいほど理解しているが、リーネの基準は、魔術師の最高峰であり、オリジナルの役職を作った男の肉体を持つ傀儡のゼンと、魔王と同等であろう勇者、そして現天翼族族長のビュティニアであるから、センサザールの強さが霞んでいるのだ。
リーネの発言にラシャダとシーアは口をあんぐりと開けて驚き、センサザールは悲しげに空笑いをする。
「もしかして、まずいこと言っちゃいました?」
「無知とは怖いものだな・・。」
「リーネちゃん。この世界で最も人間が恐れているものを知っているかしら・・?」
ラシャダは声を優しくし、リーネに教えを説くように丁寧に質問する。
「・・魔王軍です?」
「いいえ、不正解よ。正解は〝五龍聖〟これに該当するのが、今目の前にいるセンサザールの種族肥沃翼竜なのよ。強さはもちろんのこと、五龍聖は創世を司るとされていて、魔導の力でこの世を作ったっていう神話級の話があるほどなの」
「・・そうなんです・・ね」
ラシャダの話を聞いても実感の湧かないリーネにセンサザールは肯定の意味で頷く。
「まあ、肥沃翼竜はその中じゃ実質下僕みたいな扱いなんだけどね。それに私は真のファートル・ドラゴンじゃないしね」
センサザールは自身を嘲笑うように笑うと、ポツリと溢すように話す。
「だからこそ、野心家の父は色々と足掻いていたのかもしれないわ。現状を打破するためにどうすればいいかと、でも叶わなかった。血を濃く引き継いだ私も四天王止まり、まあロクな父親じゃなかったってことよ」
センサザールはまとめるようにそう言うと、突然立ち上がる。
「リーネ、肥沃翼竜というよりアイツの恐ろしさなんて口で言っても理解出来ないと思うわ。だから私が言えることは一つ・・。」
センサザールは一拍開けると、こうリーネに言い放つ。
「貴方はラシャダたちについて行きなさい。私たちと一緒にいては危険だわ」
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