異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~

結城 朱煉

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一般常識を学ぼう

寝過ぎる原因

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「ゆ…夕飯?」
「そ、夕飯だけど?
 時計見てみろよ、20時だぞ?」
「はぁぁぁ!!!?
 俺一体何時間寝たんだよ!!?」
「僕が知るわけないでしょ
 何時間寝たんだよ」

ユウキの言葉は、キョウヤに届いているのか…
キョウヤは、とてもショックだ…という感じで項垂れている
まぁ、それもそうだろう
行こうと思っていた、米や野菜探しに行けなかったのだから

(何で、俺はこんなに寝なきゃならねぇんだよ!!)

前の世界では、そこまで長く睡眠をとる事はあまりなかったキョウヤ
その反動なのか、慣れない世界にいるためか分からないが
この2日間、活動する時間よりも寝る時間が大幅に上回っている
本人は起きて動く気があっても、寝てしまえば起きる事が出来ないのだ

「ま、疲れてんだろ」
「疲れてなんか!」
『いーや、キョウヤの場合は魂が疲れてるからな!』
「「!!!?」」

2人の頭に響く、聞き覚えのある声
思わず上を見上げるが、その声の主が見える事は無く
ただ木造の天井と照明が見えるだけだった

『キョウヤは、あんだけ激しく魂を消耗させたからな
 魂の回復に時間がかかってるんだよね』
「誰のせいで消耗したと思ってんだよ!!!」
『キョウヤのせいじゃない?俺はちゃんと説明したし…』
(いや、あの理由を簡単に受け入てる人、相当少ないで…)
「あんなふざけた事『はいそうですか』って落ち着いて受け入れられるか!!!」
(ですよねぇ~)
『なっちゃったものは、しょーがないじゃん?
 こっちとしては、悪かったとは思うけど、どうしようも出来ないしね?』
(何気にこの自称神様酷いんだよねぇ~)
『ていうか、2人ともに通話機能つけてるのに
 何で、俺を頼ってくれないんだよ~』
「はぁ!!?んな機能知らねぇぞ!」
『あ、キョウヤには言い忘れてた
 まぁ、言う時間も無かったから、仕方ないよね~』

ユウキとキョウヤには、神様の声が聞こえるので、普通に会話しているが
一般の人からしたら、キョウヤが独り言を言って、怒っているようにしか見えない
まぁ、自宅で会話するには何の問題も無い

「僕は…アンタに頼る必要が無いからかな
 (だいたい自分で出来るし、調べる術もあるし)」
『確かに、ユウキはフツーに自分でやっちまうもんなぁ~
 普通なら、もっと頻繁に連絡くるもんだけど』
「おい、ちょっと待て、普通って事は他にもいるのか!?」
『ん?あぁ…俺の所のケースじゃないが…
 世界は色々あるんだ、実はこういう事は、そこまで珍しい事じゃないだ』
(えぇ~…それはそれで、どうなんだよ…)

ポンポン違う世界に飛ばされる事が、珍しくないとか…それはそれでオカシイ気がする
神様の世界では、普通なのかもしれないが…
そんなに頻繁に起きているのも、問題な気はするが…

『神隠し…って、君たちがいた所にあった言葉でしょ?
 そんな感じで、昔から不思議な事は色々あるって事さ』
(そんなに、色々あられても困るけどな!!
 でも、この世界の人は異世界の事を受け入れやすい感じだったよな…)

科学が発展し、分からない事も少しずつ減っていく中でも、不思議な事はある
しかし、それをどう受け止めるかは、世界によって違うようだ
2人のいた世界では、科学で説明出来ない事は、怪奇現象や心霊や…
そんなオカルト的な事にまとめられているだろう
しかし、この世界では、女神という存在がしっかり認知され
しかも、神様のいる空間がある事まで知られている
認識の違いは、世界が違うから仕方ないのかもしれないが

「おい、俺は一体いつまでこんな長時間寝ないといけねぇんだよ!」
『ん~…それは俺にも分からないが…少なくとも1年以上はその状態だろうね』
「1年!!!?」
『そうだよ、キミは狭間の世界で、あまりにも魂を消耗し過ぎたからね
 俺があの時、早急にそこに送らなければ、消滅する寸前だったわけだし?
 それくらい時間がかかる事は、仕方ないと思うけどね』
「お前…あの世界で、何やってきたんだよ…」
「何もやってねぇよ!怒りに任せて、コイツに文句言ってやっただけだ!」

フンッとそっぽを向くキョウヤ
思いっきり拗ねているみたいだ

『魂の強度は、色々あるんだけどね
 ユウキは魂自体が強かったし、意外と落ち着いてたからね
 消耗はほとんど無かったんだ
 キョウヤも魂は強い方だったんだけど…激情に駆られて、どんどん消耗したんだよ』
「あれで怒らねぇやついるのかよ!!!」
『キミの横にいるけど』
「…」
「まぁ…確かに、僕は怒らなかったけど…」
「何で怒らねぇんだよ!!!」
「だって…どうにもならないんじゃ、仕方ないじゃん?」
「仕方ないじゃん…じゃねぇだろ!怒るところだろ!」
「怒って何とかなるなら、怒っても良いけど…なんないなら、疲れるだけでしょ
 それよりも、次の場所があるなら、さっさとそこに行くね」
「っ…(コイツ…何でそんな落ち着いた思考回路なんだよ!!!)」

キョウヤはガックリと項垂れた
ユウキに何を言っても仕方ないという、諦めだった
唯一の同じ境遇の相手が、あまりにもサラッとしているので
自分が怒りっぽいようにしか見えない
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