パステルデータ

RinRan

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秘密を知ってしまえば…

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「もう……分かっちゃった?」
久米沢君は、首をかしげて私に問いかける。
私はその横で、何も言う事が出来ずに、いや、考えすぎて下を向いていた。


思い返せば、私の脳内に入り込むような彼の微笑みは、1学期の初めからあったものではない。
気付けば、彼は私の顔を覗き込むようにもう一段下の階段にしゃがんでいた。

「考えてるより、聞いた方が良いと思わない?」
その途端、彼の顔からは笑顔が消え、真剣な眼差しでまた私の横へ座った。
「僕はさ、普通じゃないんだ。前までは普通の中学生だったのになぁ。」
立ち上がった彼は屋上のドアにもたれ、話を続けた。


「高校へ入る前に、カフェで高城さんを見たことがあるんだ。」
「私を?」
「うん。コーヒーをすごくゆーっくり飲んでて、飲んでるの?くらいのスピードだったから思わず笑っちゃって。ふっ、ふふふ。思い出し笑いしちゃうよ。」
私ってそんな遅いっけ……。久米沢君の笑いが収まり、再び耳を傾けた。
「そこで一緒にいた友人にね、お前が笑ったの久しぶりだなって言われてね。僕は知らない間に笑顔を失っていたんだ。」
少し寂しげにうつむく彼は話を続ける。
「でも、高城さんは僕の笑顔を取り戻してくれた。それからずっと気になってた。それで、2ヶ月ほどたったある日、街でとある看板を見つけたんだ。」
私は目を閉じ彼の話を想像した。

((好きな人と一生一緒にいられます))
好きな人と一緒に………僕は小さな入り口から中を覗いた。
「いらっしゃい。中へお入り。」
おばあさんがそう言った。いかにも怪しかった。僕はそこで辞めておけばよかったのに入ったんだ。
「あの……一緒にいられるってどういうことですか。」
僕は出されたお茶を一気に飲み、ごくっと喉をならした。
「まぁ、データとってことさ。1000円でどうかね。安いもんだろ。」
机の上に札を置くと、おばあさんが大きな機械を持ってきた。
「さ、これを頭にのせて。」
「これで本当に一生一緒にいられますか。」
僕は改めて聞いた。
「あぁとも。」
気付いた時にはおばあさんは居なくて、僕は一人その店にいた。

「それから、高城さんを探した。そしたらこの高校に入って行くのを見つけたんだ。」
「それがテスト週間の開始日?」
「そ。この高校にこっそり入ったら誰かがこっちに来たんだ。見つかったと思って謝ったら素通り。他の人もみんな。僕は、見えなくなっていたんだ。そこから展示制服を着て、高城さんを探したんだ。」
やっぱり、久米沢君は見えなくなっていたんだ。。。


「でも、この秘密、知ってしまうと、高城さんは…………」
なに?聞こえないよ?

………その瞬間から私の記憶は途切れ、保健室のベッドに横たわっていた。
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