SEVEN TRIGGER

匿名BB

文字の大きさ
60 / 361
揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》

揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》12

しおりを挟む
「紹介する。元S.Tセブントリガーのコードネーム「トリガー3」こと「ロナ・バーナード」だ」
 何故かセイナに正座させられた俺は以前のように電撃でチリチリなったアフロヘアで隣に同じように座った銀髪の少女を自己紹介をする。
 ゴミ屋敷のような部屋がさらに荒れたせいで、もうすでに何が自分の足元にあるのかよく分からないが、何か尖ったものの破片などが突き刺さって正座している両足が痛い。
「ロナ・バーナードで~す!職業はダーリンのダーリンで~す!」
 自分の頬に人差し指を当てながらニコッと満面の笑みを作ってそう言ったロナの銀髪の後頭部に────
 ボコッ!!
 俺は手刀を叩き込んだ。
「痛ッたぁ!!ロナの天才的頭の細胞が~」
 と言いつつ、ロナは大げさに痛がる素振りを見せる。
 さっきの痴女のような格好と違って今はさっき着ていた黒いキャミソールの下に、その辺に脱ぎ捨ててあった白いショートパンツと同色のニーソックスを履いていた。まだお腹のヘソの部分や谷間が強調された大きな胸元、ショートパンツとニーソックスの間にむっちりとはみ出した太腿は全く隠れてはいなかったが、とりあえず人前に出れるレベルまでにはなっていた。
「フォルテ~?まだ反省が足りないかしら?」
 正座している俺達を見下ろすように、片足体重で腕組したセイナが笑っているのに全く笑っていないようなちょっと自分でも何言っているかよく分からないが……とにかくヤバい笑みを浮かべたセイナが左足を小刻みに動かしていた。
 てかッ!?俺ッ!?
「なんでだよ!?俺は悪いことなんて……いや……すみません……謝るからその拳は下ろしてください……」
「はっきり説明しなさいよ!?コイツは一体何なのッ!?恋人!?愛人!?」
 俺に振り下ろそうとしていたその殺人パンチを下げながら、眼を三白眼にさせたセイナは、ポニーテールを重力に逆らうように逆立てながらがなり立ててくる。
「違う!俺達は決してそんな間柄じゃない……「そうよッ!ロナたちは恋人同士じゃなくて夫婦ッんん~~~~」お前は黙ってろッ!!コイツはS.Tが解散後にその高い能力を買われてCIA中央情報局副長官に抜擢されたことによって今もこうしてホワイトハウスで大統領周辺の警護や各国の情報収集をしているんだ」
 俺が余計なことをしゃべるロナの口を手で押さえつつ事実を述べると。
「電撃が足りなかったのかしら?それとも逆に多すぎて頭がおかしくなったの?」
 と俺の言うことを全く信じてくれないセイナはバキバキッと拳を鳴らした。
 さっきのバキバキ音の正体はそれだったのね……
「ホントなんだッ!コイツは癖は強いけど実力はあるんだッ!信じてくれッ……!」
「はぁ……」
 片腕を突きながらの泣き土下座をする必死な俺にセイナも流石にため息をつきながら、訝しむ表情を浮かべて吟味するようにな視線を俺に向けてきた。
「ぷはッ!!そんなこと言ったらアタシだって言いたいことは山ほどあります~どうしてロナの部屋に他の女なんか連れてくるんですか~?おこです。ロナちゃんおこですよフォルテさん?」
 手で押さえつけられていた口が解放されたことによってセイナの代わりに今度はロナが文句を言い出した。
「お前はマジで黙ってろ……昔から言っているが俺はお前とそんな関係になった覚えはない……!」
 俺は流石に少し苛立ちを露わにしてロナを軽く睨んだ。
 それに、今のロナの発言で何となく最初の不可解な飛びつきの理由が俺には分かってしまった。
 コイツは多分俺が他の女を連れてきたことが不満で、わざとセイナに見せびらかすかすように俺にべたべたと引っ付いてきたのだ。そしてまんまと挑発に乗せられたセイナが突っ込んできたところを、今度は俺への当てつけとばかりに身代わりに使ったのだ。
 おかげでこうして地獄巡りをした後なのだが、それでもロナは納得がいかないのか、今もこうして場を掻きまわすような、相手が嫌がるような言動や行動、仕草を計算してそれを
「言ったよ!「お前は俺の家族」って決め顔マシマシで前にそう言ってくれたじゃない……あの言葉は嘘だったの!?」
「フォルテェ~?」
 両手を顔の前に組んで涙ぐむ演技のロナに、ハイライトの無い瞳でこちらを睨んでくるセイナ。
 話しが一向に進まないこのエンドレスのようなやり取りに俺は意識を手放してしまいそうになる。
 この空間地獄から一秒でも早く抜け出したい。もういっそのこと誰か殺してくれ。
 話しに聞いたことのあった「修羅場」ってやつがどんなものなのかよく分かった気がした。全く、92年も長生きしていると色々なことが経験できてウレシイナー。
 と死んだ魚のような表情で貴重な経験に感謝していた俺はブルブルと顔を振ってどうにか意識を現実に引き戻しつつ。
「それは「お前」じゃなくて「お前達」な、自分の部下として部隊の全員に言った言葉だ。大体セイナも何をそんなにイライラしているんだ?コイツとはそんな関係じゃないが、仮にコイツと俺がその……愛人だったり夫婦だったとしてお前に何の問題があるんだ?」
 別に俺はセイナと付き合っているわけでもないし、ロナとイチャイチャしようが何しようが不倫でも浮気でもないのにさっきから理不尽な暴力を受けていることに俺が抗議すると。
「そっそんなの決まっているでしょッ!?あ、相棒が目の前でだらしなくイチャイチャとしているところを見たら……!見たらその、あの……教育するものでしょ!!」
「教育……?」
「そ、そうよ!教育よ!だらしない相棒のための教育よ!馬と騎手との関係と一緒で、だらしない馬にはしっかりとした調教が必要なのよ!だ、だからアンタみたいな隙あらばところ構わず盛ってくるような獣をアタシが調教してあげているのよ!むしろ感謝してもらいたいくらいだわ!」
 ロナと違ってあまり膨らみを感じないその慎ましい胸を張りながら、なんかそれらしい言葉を並べて俺を言いくるめたつもりらしいが、ハッキリ言って内容は支離滅裂だ。
 結局セイナのその言葉からは何故そんな怒っているのか俺には理解できなかった。
 ていうかセイナ嬢……調教の意味が分かって言っているのかしら……?フォルテ心配です……
「分かった分かった……分かったからそろそろ俺に話しをさせてくれ、ロナも何をそんなに気に入らないか知らないが、いい加減機嫌を直してくれ。とりあえずこのセイナのことをお前に紹介しないと話しが先に進まないんだ」
 俺はため息まじりにそう言うと、ロナは少しだけ真面目な顔つきになってこう呟いた。
「説明なんかしなくても……」
「なんだと……?」
 俺は困っていることがあるから協力して欲しいこと以外、つまりはセイナについては同伴者の女ということ以外はロナに話してなかった、それなのに今知っていると言ったのか?
 するとロナは俺達が耳を疑うような内容を突然語りだした。
「アンタはセイナ・A・アシュライズ、アシュライズがイギリス皇帝陛下である父のもので、Aは母親であるイギリス女王陛下のエリザベス・アレクサンドラの頭文字を取った名前でしょ?」
 俺とセイナの表情が一瞬で変わる。セイナの両親が誰であるか分かっているということはセイナの正体もロナは分かっているということだ。イギリス王室の隠し王女であるセイナの正体が。
「お前!?どこでそれを……?」
「ロナの情報収集能力を舐めないで欲しいな~他にもフォルテが知らないことまでロナはコイツのことを知ってるよ。身長は152㎝、体重は40㎏、スリーサイズは上から────」
「うわー!!聞くなー!!」
 ガンッ!
 セイナの鉄拳による左フックが何故か俺の右側頭部に叩き込まれた。
 なぜ~!?
 幾ら聞かれたくないからってなんでその情報をバラまいている奴じゃなくてなんで俺をぶん殴ってくるんだよ……?
 ねえ……?流石に理不尽すぎておれ泣くよ……?
「う……あ……」
 目をギュッと瞑って、口を開けて痛みに悶える中、キーンと耳鳴りがしてロナの声が一部聞こえなくなる。まるでスタングレネードを食らった時みたいだ。
「────誕生日は7月15日で好きなものは紅茶、嫌いなものはッんん~~~~」
 だんだんと耳鳴りも収まり、眼を開けると、ずっとセイナについての情報をしゃべり続けていたロナの口を俺ではなく、今度はセイナが押さえつけていた。
「なにすんだよセイナ!?」
 殴ってきたことに対して俺がロナともみくちゃになっているセイナに向かってそう叫ぶと。
「アンタが聞くのが悪いのよッ!!」
 般若のような顔でカッとこちらを一睨み、俺はそれだけで全身に鳥肌を立てながら一歩後退る。
 それだけでこの理不尽がまかり通るのだからホントずるい……あれだあれ、昔の貴族の暴君と一緒だよこれ……
「んん~~離しなさいこの泥棒猫!!人のダーリンを誘惑してッ!!」
「誰が泥棒猫よ!!こんな戦闘中でも人の身体触ってくるような変態こっちから願い下げだわ!!」
 髪を引っ張り、互いの顔を掴んだりと淑女とはかけ離れた稚拙なキャットファイトによって汚い部屋がさらに荒れていく。
 時折俺への風評被害も混じっているが抗議する暇さえ与えてくれない。
「落ち着けって何回言えばわかるんだよ……!おいッ……!離れろって!」
 二人の間に割って入るタイミングを計って俺が何とか二人を引きはがした。それでもケンカしようとする相性最悪の二人の間に立って近づけないようにする。
 そして────
「ロナ、お前セイナのことを誰かに話したのか?」
 真面目な口調でそう聞くと。
「アタシが誰かに情報をペラペラとしゃべるわけないでしょ?フォルテたちが交戦したヨルムンガンドとやらについての情報も、セイナについてもCIA職員はおろかベアード大統領にも話しはしてないわよ……」
 とこっちも真面目な口調で返答してくれた。
「なんでそんな詳しく知っているんだ?」
「そりゃあテレビで見れば誰だって調べるでしょ?」
 あんな映像……おそらく大統領も見たと言っていたケンブリッジ大学での戦闘映像のことか……
「じゃあ話しは早い。事情を知っているのなら俺達に協力してくれ……!」
「やだッ!」
 首をプイッと傾けて子供のようにそう吐き捨てたロナの銀髪ツインテールがシャンッと揺れた。
「はぁッ!?お前最初は手伝ってくれるって電話でも言ってたじゃないか……!?」
 俺の言葉にロナは少し俯いてから口を小さく動かして呟くように何かしゃべった。
「だって……そう言わないとフォルテがロナに会いに来てくれないと思ったんだもん……」
「なんだって……?」
「何でもない……!とにかくその子を見て気が変わったの!そんなロナよりも弱っちそうな子の手助けなんて嫌です~」
 何故かセイナのことを弱そうというよく分からない理由からロナはヘソを曲げてしまった。
 別に今回の件に強い弱いは特に関係が無いに……ほんとコイツの思考を読むのは毎回苦労する。
「アタシが弱い?なにそれ?アンタこそ、そんなだらしない身体で本当に特殊部隊の隊員が務まっていたの?その家畜みたいな体型のアナタが現役のアタシに勝てるとでも?全くお笑い沙汰ね……」
 ふんっと鼻を鳴らしながら煽り耐性の低いセイナが珍しく相手を煽りまくっている。
 王女としての肩書はもうドブにでも捨てるかの勢いで失われてはいるが、ある意味罵倒のセンスはSM嬢としての才能があるかもしれないぞ。
 と俺は最低なことを内心で思っていると、ロナの方の空気がどんどん冷たくなっていくのを感じてそっちを振り向くと────
「ふっふっふっふっ……」
 と顔を伏せていたロナが口角を吊り上げながら静かな笑みをこぼしているところだった。
 ヤバい……おれはこれは知っているぞ……これはロナがマジ切れした時に見せる静かな笑みだ……普段明るい性格なのだが、怒った時はその真逆、周りの空気が凍るかのような静かな笑みを浮かべながらキレるのだ。どうやらそのスイッチを入れてしまったらしい。たった一言のセイナの言葉で……
「カッチーン……誰が家畜ですって?もう一度アタシの眼を見て言ってみなさい?」
「アンタのことよ豚女。それとも牛女かしら?悔しかったらさっきみたいにブヒブヒ、モーモー鳴いてみなさいよ?」
 セイナの方からは赤く燃える炎のようなオーラが見え、ロナの方からは青く凍える氷のようなオーラがそれぞれぶつかり合ってバチバチと互いに火花を飛ばしていた。
 その間に立つ俺はもうどうしていいか分からず、二人の間に入ったままその場から動けなくなっていた。
 もうどうにでもなれ……
「ここじゃあ大事な機材が壊れる……地下室に行こうぜ……久しぶりに……きれちまったよ……」
「良いわよ、アタシが勝ったらさっきの言葉取り消して素直に手伝いなさいよ……?」
「えぇ……その時は喜んでアンタの下僕にでもなってあげるわ。その代わりロナが勝ったらフォルテをここに置いて二度とアタシ達の前に姿を現さないよう一人でイギリスに帰りなさい」
 と勝手に決闘をすることにした二人はガニ股でズカズカ音を立てながらゴミ部屋から姿を消してった。
 やっぱセイナとロナは合わなかったか……
 思っていた通りの結果になってしまったことに俺はため息をつきつつ、取り残された部屋の真ん中で一人呟いた。
「もう一人で日本に帰りたい……」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー

白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。 その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。 人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。 異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ 主人公はあまり戦ったりはしません。

「ただの経費削減ですが?」 銀河最弱の補給艦隊が、俺の「在庫管理」で最強になったようです

空木 架
SF
日本の企業で総務として働く星野明日虎(32歳)は、ある日突然、見知らぬ宇宙の帝国へと転移してしまう。彼が配属されたのは、整理整頓もままならない「銀河最弱」の補給艦隊だった! ひょんなことから戦艦の艦長に任命されてしまった明日虎だが、宇宙の戦い方など全く分からない。そこで彼が武器にしたのは、長年の社畜生活で培った「経費削減」と「在庫管理」のスキルだった。 「弾薬の無駄遣い禁止!」「エンジンはこまめに切れ!」――ただ徹底的なコストカットと業務効率化を推し進めただけなのに、それがなぜか「天才的な軍事戦略」として周囲に大勘違いされていく。 個性豊かな仲間たちと共に、最弱だった倉庫部門を最強の組織へと育て上げる、痛快・お仕事&成り上がりSFファンタジー! ※この作品は、「小説家になろう」「カクヨム」でも連載しています

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~

黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。  ─── からの~数年後 ──── 俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。  ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。 「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」  そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か? まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。  この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。  多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。  普通は……。 異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。 勇者?そんな物ロベルトには関係無い。 魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。 とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。 はてさて一体どうなるの? と、言う話。ここに開幕! ● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。 ● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

時渡りの姫巫女

真麻一花
恋愛
リィナは村の祭りで、主役である「姫巫女」役に選ばれた。舞の相手は騎士として活躍しているヴォルフ。  あこがれの彼との舞を喜んでいたのもつかの間、リィナは本物の姫巫女へと祭り上げられ神殿に囚われる事となる。  嘆く彼女に救いの手を差し伸べたのは、出会ったばかりの騎士、ヴォルフだった。 (表紙絵は、りょおさんからいただきました)

【完結】結界守護者の憂鬱なあやかし幻境譚 ~平凡な男子高校生、今日から結界を繕います~

御崎菟翔
キャラ文芸
​【平凡な高校生 × 妖従者たちが紡ぐ、絆と成長の主従現代和風ファンタジー!】 「選ぶのはお前だ」 ――そう言われても、もう引き返せない。 ​ごく普通の高校生・奏太(そうた)は、夏休みのある日、本家から奇妙な呼び出しを受ける。 そこで待っていたのは、人の言葉を話す蝶・汐(うしお)と、大鷲・亘(わたり)。 彼らに告げられたのは、人界と異界を隔てる結界を修復する「守り手」という、一族に伝わる秘密の役目だった。 ​「嫌なら断ってもいい」と言われたものの、放置すれば友人が、家族が、町が危険に晒される。 なし崩し的に役目を引き受けた奏太は、夜な夜な大鷲の背に乗り、廃校や心霊スポットへ「出勤」することに! ​小生意気な妖たちに絡まれ、毒を吐く蛙と戦い、ついには異世界「妖界」での政変にまで巻き込まれていく奏太。 その過程で彼は、一族が隠し続けてきた「残酷な真実」と、従姉・結(ゆい)の悲しい運命を知ることになる―― ​これは、後に「秩序の神」と呼ばれる青年が、まだ「ただの人間」だった頃の、始まりの物語。 ​★新作『蜻蛉商会のヒトガミ様』 この物語から300年後……神様になった奏太の物語も公開中! https://www.alphapolis.co.jp/novel/174241108/158016858

処理中です...