88 / 361
揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》
揺れる二つの銀尾《ダブルパーソナリティー》40
しおりを挟む
これは────まさか……!?
「……ったく……おせーぜレクス!!」
アタシの考えを代弁したかのようにロアは歓喜の声を上げる。
狙撃だ。それもポトマック川の向こう側、ここから2㎞近く離れている国防総省の屋上付近からの超遠距離狙撃だ。
さっきの雷鳴は、音速を遥かに超える秒速1000mに近い速度で放たれた銃弾が、川の向こうに置き去りにしてきた音だ。
アタシですら、ここから見ても薄っすらとしか見えないポトマック川の向こう側から、銃弾と変わらないサイズの標的に当てるだけでも至難の業なのに、それを動いている標的でやってしまうとは────しかも一発で……
一応狙撃技術を持っているアタシからしたら、普通の人よりもこれがどれだけ凄いかが伝わってくる。
AHー64Dはロナの歓喜の声と共に地面に墜落した。
低空を飛んでいたおかげで爆発こそしなかったが、金切り声を上げながら装備やテールローターをバラバラにしてアスファルトの地面に不時着した。コックピットは幸い直接的な被害は無いようだったので、多分操縦者も無事だろう……
スナイパーライフルの得意なトリガー5の神業を目の当たりにして、アタシだけでなくオープンカーに乗っていたアルシェも何が起こったか理解できないといった表情をし、あの黒髪女ですら当惑したように後ろを振り返っていた。
無理もない、一応味方?のアタシも理解できていないもの。
と思っていた矢先、再びポトマック川の向こう、薄っすらと見える国防総省の屋上付近にマズルフラッシュが走った────
「ッ……!!」
黒髪女がそれに気づいて素早くハンドルを切った。
オープンカーが車体を横滑りさせ、キュルキュルとタイヤと道路の摩擦音を響かせながらドリフト態勢に入る。
運転席から見えた黒髪女の横顔には、普段の余裕あるポーカーフェイスは失われていた。ヘリを堕とされてから明らかに焦りの色が見えていた。
アルシェは未だにさっきの攻撃が狙撃だということ自体気づいていなかったんだろう。
オープンカーの上で墜落したヘリを呆然と見たまま突っ立っていたアルシェが、車が急に旋回したことでバランスを崩し、そのままドアの角に側頭部を盛大にぶつけた。ゴテンッ!といい音を響かせて、そのまま後部座席でうつ伏せに横たわったまま動かない……まさか気絶した?
動かないアルシェを乗せたオープンカーの側面に再び一閃────稲妻のようにクリーム色のボディを抉り、アスファルトの地面に衝撃が走った。
二回目の雷鳴は────外れた。
150キロ以上で走る車体に当てるだけでも至難の業なのに、一発目からほんの数瞬、一呼吸という驚異の速さで放たれた銃弾……威力から察するにおそらく……タバコの箱より大きな12.7㎜×99㎜弾は、オープンカーの左側面を大きく傷つけた。だがそれでも運転手や車の動力源といった主要部分は外していた。
多分、あと少しでも黒髪女が車をドリフトさせるのが遅れていたら……後輪のタイヤを直撃していただろう。
その判断力は速さはアタシやフォルテを上回るものかもしれない……
黒髪女はドリフトで方向転換させた勢いを使い、そのままポトマック川とは反対の、ビルで入り組み狙撃に適さないワシントンのビル街に再びオープンカーを急発進させた。
最初、連中はポトマック川の方に行こうとしていた。それは多分、逃走用に洗脳したヘリのパイロットにAHー64Dを運転させ、神器とともに逃げるつもりだったのだろう……そうすれば、洗脳した運転手を人質に取りつつ、安全に国を出ることができる。だがそのヘリが落ちた今、明らかにあの黒髪女やアルシェが焦っていることが分かる。
────絶対逃がさない!
洗脳した一般人ではなく、組織に直接関係のある人間を捕らえるチャンス!絶対逃がさないんだから────!
ハンドルを切り、車をドリフトさせ、オープンカーのあとを追いかけようとワシントンの街に入っていくと、セダンに搭載された電子画面から声が聞えてきた。
『機体と雑費で64万ドル……』
「え……?」
これはさっき聞いたトリガー5の声だ。
だけどその声にさっきと違って感情は無く、静かなものだった。
『あと、マッキンリー山と並ぶくらいの始末書……』
「……」
『各方面への謝罪……』
ぼそぼそと吐かれる声にだんだん感情が宿っていく。だけどそれは決して明るいものではなく、重く、どんよりとした声。
あぁ……なるほどね。トリガー5は自分がやったことに対し、どのような責任が生じるか考え、その重さに絶望しているんだ。
「そ、その……ごめんなさい。えーと、レクス……アンジェロ……さん?でいいのかしら?」
アタシも一応王族の人間として考えてみると、AHー64Dや道路修繕などで64万ドル(国民の血税)をたった二発の銃弾でパーにしたことの重圧や、この前ケンブリッジ大学のテロ事件の後に書かされた脱走や単独行動に関する始末書(丸々三日分)……どちらもとても恐ろしいことを理解していたので自然と謝罪の言葉が出た。
『おお……お美しい声が聞こえる……これはもしや女神様の声ですか?』
あぁ……現実逃避しているのかしら……
「へったくそ!二発目外してんじゃねーかよ!」
軽く頬を引きつらせて苦笑いを浮かべていたトリガー5の女神様に代わって、天井からひょっこり顔を覗かせた銀髪の悪魔が返事した。
『なんだその言い方はッ……お前じゃ一発目すら当てられなかっただろ!助けてくれてありがとうございますくらいないのか貴様はッ……!?』
電子画面から人が変わったかのようにトリガー5の罵声が聞こえてきた。
ポトマック川の向こうから聞こえてきそうな程の大声ね……
「ロア止めなさい……!アタシ達を助けてくれた人にそんな言い方は無いわ!」
逆さで銀のツインテールを真下に垂らしていたロアにピシャリとアタシが言う。
『その声は……やはり女神様が────』
ピッ!
「あっこら!ロア!」
天井から助手席に降りてきたロアが電子画面の電源を切った。
「けっ……下らない話しはあとにしようーや……今はアイツらが優先だ……」
あご先でクイッと前方を走るオープンカーを指しながらロアがそう言った。
「……」
ちらりと見たそのハニーイエローの瞳にはふざけた様子も戦闘狂的な笑みも無かった。
鋭く真っすぐな視線。一見すると集中しているようにも見えるが、思い詰めているようにも見えなくもない……
────オープンカーに乗り込んだ後からどこか様子がおかしい?
と一瞬思ったが、すぐにその雑念を取り払う。
きっとロアは集中しているのだろう。
「えぇ……でもあとでちゃんとレクスさんにお礼を言いなさいよ?」
「……」
アタシの言葉が聞こえていたのか、それとも無視していたのか、ロアから返事は帰ってこなかった。
「……ったく……おせーぜレクス!!」
アタシの考えを代弁したかのようにロアは歓喜の声を上げる。
狙撃だ。それもポトマック川の向こう側、ここから2㎞近く離れている国防総省の屋上付近からの超遠距離狙撃だ。
さっきの雷鳴は、音速を遥かに超える秒速1000mに近い速度で放たれた銃弾が、川の向こうに置き去りにしてきた音だ。
アタシですら、ここから見ても薄っすらとしか見えないポトマック川の向こう側から、銃弾と変わらないサイズの標的に当てるだけでも至難の業なのに、それを動いている標的でやってしまうとは────しかも一発で……
一応狙撃技術を持っているアタシからしたら、普通の人よりもこれがどれだけ凄いかが伝わってくる。
AHー64Dはロナの歓喜の声と共に地面に墜落した。
低空を飛んでいたおかげで爆発こそしなかったが、金切り声を上げながら装備やテールローターをバラバラにしてアスファルトの地面に不時着した。コックピットは幸い直接的な被害は無いようだったので、多分操縦者も無事だろう……
スナイパーライフルの得意なトリガー5の神業を目の当たりにして、アタシだけでなくオープンカーに乗っていたアルシェも何が起こったか理解できないといった表情をし、あの黒髪女ですら当惑したように後ろを振り返っていた。
無理もない、一応味方?のアタシも理解できていないもの。
と思っていた矢先、再びポトマック川の向こう、薄っすらと見える国防総省の屋上付近にマズルフラッシュが走った────
「ッ……!!」
黒髪女がそれに気づいて素早くハンドルを切った。
オープンカーが車体を横滑りさせ、キュルキュルとタイヤと道路の摩擦音を響かせながらドリフト態勢に入る。
運転席から見えた黒髪女の横顔には、普段の余裕あるポーカーフェイスは失われていた。ヘリを堕とされてから明らかに焦りの色が見えていた。
アルシェは未だにさっきの攻撃が狙撃だということ自体気づいていなかったんだろう。
オープンカーの上で墜落したヘリを呆然と見たまま突っ立っていたアルシェが、車が急に旋回したことでバランスを崩し、そのままドアの角に側頭部を盛大にぶつけた。ゴテンッ!といい音を響かせて、そのまま後部座席でうつ伏せに横たわったまま動かない……まさか気絶した?
動かないアルシェを乗せたオープンカーの側面に再び一閃────稲妻のようにクリーム色のボディを抉り、アスファルトの地面に衝撃が走った。
二回目の雷鳴は────外れた。
150キロ以上で走る車体に当てるだけでも至難の業なのに、一発目からほんの数瞬、一呼吸という驚異の速さで放たれた銃弾……威力から察するにおそらく……タバコの箱より大きな12.7㎜×99㎜弾は、オープンカーの左側面を大きく傷つけた。だがそれでも運転手や車の動力源といった主要部分は外していた。
多分、あと少しでも黒髪女が車をドリフトさせるのが遅れていたら……後輪のタイヤを直撃していただろう。
その判断力は速さはアタシやフォルテを上回るものかもしれない……
黒髪女はドリフトで方向転換させた勢いを使い、そのままポトマック川とは反対の、ビルで入り組み狙撃に適さないワシントンのビル街に再びオープンカーを急発進させた。
最初、連中はポトマック川の方に行こうとしていた。それは多分、逃走用に洗脳したヘリのパイロットにAHー64Dを運転させ、神器とともに逃げるつもりだったのだろう……そうすれば、洗脳した運転手を人質に取りつつ、安全に国を出ることができる。だがそのヘリが落ちた今、明らかにあの黒髪女やアルシェが焦っていることが分かる。
────絶対逃がさない!
洗脳した一般人ではなく、組織に直接関係のある人間を捕らえるチャンス!絶対逃がさないんだから────!
ハンドルを切り、車をドリフトさせ、オープンカーのあとを追いかけようとワシントンの街に入っていくと、セダンに搭載された電子画面から声が聞えてきた。
『機体と雑費で64万ドル……』
「え……?」
これはさっき聞いたトリガー5の声だ。
だけどその声にさっきと違って感情は無く、静かなものだった。
『あと、マッキンリー山と並ぶくらいの始末書……』
「……」
『各方面への謝罪……』
ぼそぼそと吐かれる声にだんだん感情が宿っていく。だけどそれは決して明るいものではなく、重く、どんよりとした声。
あぁ……なるほどね。トリガー5は自分がやったことに対し、どのような責任が生じるか考え、その重さに絶望しているんだ。
「そ、その……ごめんなさい。えーと、レクス……アンジェロ……さん?でいいのかしら?」
アタシも一応王族の人間として考えてみると、AHー64Dや道路修繕などで64万ドル(国民の血税)をたった二発の銃弾でパーにしたことの重圧や、この前ケンブリッジ大学のテロ事件の後に書かされた脱走や単独行動に関する始末書(丸々三日分)……どちらもとても恐ろしいことを理解していたので自然と謝罪の言葉が出た。
『おお……お美しい声が聞こえる……これはもしや女神様の声ですか?』
あぁ……現実逃避しているのかしら……
「へったくそ!二発目外してんじゃねーかよ!」
軽く頬を引きつらせて苦笑いを浮かべていたトリガー5の女神様に代わって、天井からひょっこり顔を覗かせた銀髪の悪魔が返事した。
『なんだその言い方はッ……お前じゃ一発目すら当てられなかっただろ!助けてくれてありがとうございますくらいないのか貴様はッ……!?』
電子画面から人が変わったかのようにトリガー5の罵声が聞こえてきた。
ポトマック川の向こうから聞こえてきそうな程の大声ね……
「ロア止めなさい……!アタシ達を助けてくれた人にそんな言い方は無いわ!」
逆さで銀のツインテールを真下に垂らしていたロアにピシャリとアタシが言う。
『その声は……やはり女神様が────』
ピッ!
「あっこら!ロア!」
天井から助手席に降りてきたロアが電子画面の電源を切った。
「けっ……下らない話しはあとにしようーや……今はアイツらが優先だ……」
あご先でクイッと前方を走るオープンカーを指しながらロアがそう言った。
「……」
ちらりと見たそのハニーイエローの瞳にはふざけた様子も戦闘狂的な笑みも無かった。
鋭く真っすぐな視線。一見すると集中しているようにも見えるが、思い詰めているようにも見えなくもない……
────オープンカーに乗り込んだ後からどこか様子がおかしい?
と一瞬思ったが、すぐにその雑念を取り払う。
きっとロアは集中しているのだろう。
「えぇ……でもあとでちゃんとレクスさんにお礼を言いなさいよ?」
「……」
アタシの言葉が聞こえていたのか、それとも無視していたのか、ロアから返事は帰ってこなかった。
0
あなたにおすすめの小説
立花家へようこそ!
由奈(YUNA)
ライト文芸
私が出会ったのは立花家の7人家族でした・・・――――
これは、内気な私が成長していく物語。
親の仕事の都合でお世話になる事になった立花家は、楽しくて、暖かくて、とっても優しい人達が暮らす家でした。
「ただの経費削減ですが?」 銀河最弱の補給艦隊が、俺の「在庫管理」で最強になったようです
空木 架
SF
日本の企業で総務として働く星野明日虎(32歳)は、ある日突然、見知らぬ宇宙の帝国へと転移してしまう。彼が配属されたのは、整理整頓もままならない「銀河最弱」の補給艦隊だった!
ひょんなことから戦艦の艦長に任命されてしまった明日虎だが、宇宙の戦い方など全く分からない。そこで彼が武器にしたのは、長年の社畜生活で培った「経費削減」と「在庫管理」のスキルだった。
「弾薬の無駄遣い禁止!」「エンジンはこまめに切れ!」――ただ徹底的なコストカットと業務効率化を推し進めただけなのに、それがなぜか「天才的な軍事戦略」として周囲に大勘違いされていく。
個性豊かな仲間たちと共に、最弱だった倉庫部門を最強の組織へと育て上げる、痛快・お仕事&成り上がりSFファンタジー!
※この作品は、「小説家になろう」「カクヨム」でも連載しています
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる