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月下の鬼人(ワールドエネミー)下
assemble(パストバレット)4
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「……う……」
俺とベアードは眦を大きく見開いた。
ベッドの方から思わず聞き逃してしまいそうな程に、小さな呻き声が聞こえたのだ。
「……たい……ちょう……」
しがれた響きの中にも聡明さがある老爺の声。
聞き間違いなんかじゃない、ヨハネが声を発したんだ!
「ヨハネッ!!」
痛みのことなど忘れてICUベッドの手すりにしがみ付く。
数分前よりもほんの僅かに精気を取り戻していたヨハネは、皺の中に埋まっていた瞳を恐る恐る開いた。
「御爺様……ッ!そんなバカな……!?」
長らく寝たきりだったはずの祖父の姿に、ベアードは言葉を失っている。
その姿は普段の彼からは想像できないほどの取り乱しようだ。
それくらいヨハネの容態は最悪だったのだろう。
俺自身、初めて「奇跡」という言葉を本気で信じた。
「ヨハネ聞こえるか!俺だ!フォルテだ!!……永らく……待たせて済まなかった……!あれから色んな事があって、お前達に見せる顔が無くて……俺はずっと逃げていたんだ!ずっと苦しませてしまって済まない……!非力な隊長で済まない……!俺は────」
伝えれるだけの言葉を連ねる俺の右手に、弱弱しくも暖かい細腕が触れる。
それだけで、ずっと収まらなかった身体の震えが止まった。
ぼやけた視界のまま顔を上げると、そこには幾ばくかの笑顔を浮かべたヨハネがそこにいた。
「ありが……とう……」
ピィィィィィィィィィィィィッ!!!!
幻想から現実に引き戻されるような、残酷な電子音が鳴り響いた。
同時にヨハネの手がバタリ……と力なくベッドに倒れる。
「おいッ……!おいヨハネッ……!?」
たったの一言だった。
そのたった一言を伝えるためだけに残り僅かな力全てを使い切った彼は……
「ヨハネェェェェェェェッ!!!!」
二度と返事をすることは無かった。
バタバタとしていた病院から一時解放された俺は、購買のビニールを引っ提げて外の空気を吸いに出た。
秋晴れだったはずの空には雲が翳り(かげ)、沈鬱な空気が漂っていた。
これは一雨来そうだな……
口から漏れた溜息が、俺の心情を映し出したような空へと舞い上がる。
ヨハネの心臓が止まってすぐ主治医や看護婦の集団が押し寄せてきた。
何度か蘇生を試みるも、もう衰弱しきっていた身体が回復することは無く、親族であるベアードが医師達に首を振った。
あとで知ったことだが、蘇生に伴って肋骨も数本折れていたらしい。
経験したことのないような疾風怒濤の連続。
歳を取らないはずの俺ですら、数年分は老け込んだ気さえした。
病院を囲んでいた塀の外まで出て、ビニールから煙草を取り出した。
ラッキーストライク。
かつて旧友達と吸っていた銘柄の煙草に火をつけて大きく吸った。
「……っ!げほっ……!げほっ……!」
甘ったるい煙が気管の変なところに入って噎せる。
数十年以来に吸った煙草の味は、最高に不味かった。
これならリズの料理の方がまだマシだな……
それでも吸わずにはいられなかった。
今日だけは……
「────こんなところで何をかっこつけている?」
いつの間に来ていたのか、振り返った先にベアードが立っていた。
「別に、ただ旧友を弔うにはコイツが一番だと思っただけだ……」
吸うか?と煙草を差し出すと、ベアードは一本取って煙を燻らせた。
「もういいのか?祖父に付き添ってなくて?今日の予定は全部キャンセルしたんだろ?」
「あぁ……だからといっていつまでも悲しんではいられない……これから先、やらなければならないこともたくさんある。我々に立ち止まっている時間は無いのだ」
やらなければならないこと。
確固たる意志でそう告げたベアードの言葉は、葬儀の日程や手続きについて以外の意味も含んでいるような気がした。
「やっぱアンタは大統領なだけあって心が強いんだな」
横目に見たベアードは俺と正反対で、どこか晴れやかな顔をしていた。
そんな簡単に気持ちの切り替えなんてできねーよ。と、俺は煙草を咥える。
三度目でようやく噎せずに吸うことができた。
「そうではない……こう言ってはなんだが、私は祖父が亡くなって少し安心したんだ……ようやく病魔から解放された気がしてな。それに、もう死ぬ以外にすることのなかった男が、最期にあんな生き様を見せてくれたのだ……やはり、今の君に合わせて正解だった……」
「……」
本当にこれで良かったのだろうか?
俺は哀愁に似た蟠りのような物をずっと感じていた。
『ありが……とう……』
最期に告げたその言葉だけが頭の中で何度もフラッシュバックされる。
彼に対する俺の罪は、果たして本当に赦されたのだろうか?
もうそれを調べる術も、本人に訊ねることもできない。
後の答えは己にあり……か……
なら、俺も前に進まなければならないと言うことなのか?ヨハネ。
大切な人の命を糧としても……
「泣いているのか……?」
「ちがーよ、煙草の煙が眼に染みただけだ」
覗き込んできたベアードに、煙草を咥えたまま右手で顔を覆う。
「君にこの仕事を押し付けてしまったことは、正直申し訳なく感じている」
煙の行く末を眼で追うように、ベアードも空を見上げる。
「……これから私も、そして君達もさらに繁忙を極めることになる……そうなれば、今日なんかよりもっと辛い出来事も訪れるかもしれない……」
曇り空から俺へと視線を向ける。
それはまるで、何かの決意を改めたかのような。
はたまた緊張を紛らわすような。
仰々しいほど至極丁寧な振る舞いだった。
「それでも、私に付き従ってくれないか……?」
言葉こそ違えどその顔つきは初めて出会った時と同じ、物堅くも篤徳に満ちた表情をしていた。
「断る……」
短くそう告げたのに合わせてベアードが眼を見開く。
今日の出来事やここ半年間を振り返れば、それが大きな分岐点になったかは言うまでもない。
仲間達と通じていく内に変化した自分の考えを伝えるべく、ベアードへと向き直りその眼を真っ向から見返した。
他人のものではない。自分自身の思いを伝えるために。
「首輪だろうがてめえの命令だろうが関係ない、俺は俺自身の意志でこの部隊の隊長を務める」
もう自分を偽ることも、逃げることもしない。
今まで交わってきた人たちの意志を引き継ぎ。
俺は俺自身の意志で、これから先を生きていく。
「だから……これからもよろしく頼む」
「……こちらこそ……な」
差し出した俺の手を、安堵の嘆息交じりにベアードが握る。
どんなに悲しいことがあっても、人は死なない限り前に進まなければならない。
全く……神様って奴はホント残酷だな……
まるで旧約聖書のヨブにでもされた気分だ。
まぁ、俺はもう二度と神を肯定はしないが、ヨハネの今際に相まみえたことにだけは感謝しとくぜ。
俺とベアードは眦を大きく見開いた。
ベッドの方から思わず聞き逃してしまいそうな程に、小さな呻き声が聞こえたのだ。
「……たい……ちょう……」
しがれた響きの中にも聡明さがある老爺の声。
聞き間違いなんかじゃない、ヨハネが声を発したんだ!
「ヨハネッ!!」
痛みのことなど忘れてICUベッドの手すりにしがみ付く。
数分前よりもほんの僅かに精気を取り戻していたヨハネは、皺の中に埋まっていた瞳を恐る恐る開いた。
「御爺様……ッ!そんなバカな……!?」
長らく寝たきりだったはずの祖父の姿に、ベアードは言葉を失っている。
その姿は普段の彼からは想像できないほどの取り乱しようだ。
それくらいヨハネの容態は最悪だったのだろう。
俺自身、初めて「奇跡」という言葉を本気で信じた。
「ヨハネ聞こえるか!俺だ!フォルテだ!!……永らく……待たせて済まなかった……!あれから色んな事があって、お前達に見せる顔が無くて……俺はずっと逃げていたんだ!ずっと苦しませてしまって済まない……!非力な隊長で済まない……!俺は────」
伝えれるだけの言葉を連ねる俺の右手に、弱弱しくも暖かい細腕が触れる。
それだけで、ずっと収まらなかった身体の震えが止まった。
ぼやけた視界のまま顔を上げると、そこには幾ばくかの笑顔を浮かべたヨハネがそこにいた。
「ありが……とう……」
ピィィィィィィィィィィィィッ!!!!
幻想から現実に引き戻されるような、残酷な電子音が鳴り響いた。
同時にヨハネの手がバタリ……と力なくベッドに倒れる。
「おいッ……!おいヨハネッ……!?」
たったの一言だった。
そのたった一言を伝えるためだけに残り僅かな力全てを使い切った彼は……
「ヨハネェェェェェェェッ!!!!」
二度と返事をすることは無かった。
バタバタとしていた病院から一時解放された俺は、購買のビニールを引っ提げて外の空気を吸いに出た。
秋晴れだったはずの空には雲が翳り(かげ)、沈鬱な空気が漂っていた。
これは一雨来そうだな……
口から漏れた溜息が、俺の心情を映し出したような空へと舞い上がる。
ヨハネの心臓が止まってすぐ主治医や看護婦の集団が押し寄せてきた。
何度か蘇生を試みるも、もう衰弱しきっていた身体が回復することは無く、親族であるベアードが医師達に首を振った。
あとで知ったことだが、蘇生に伴って肋骨も数本折れていたらしい。
経験したことのないような疾風怒濤の連続。
歳を取らないはずの俺ですら、数年分は老け込んだ気さえした。
病院を囲んでいた塀の外まで出て、ビニールから煙草を取り出した。
ラッキーストライク。
かつて旧友達と吸っていた銘柄の煙草に火をつけて大きく吸った。
「……っ!げほっ……!げほっ……!」
甘ったるい煙が気管の変なところに入って噎せる。
数十年以来に吸った煙草の味は、最高に不味かった。
これならリズの料理の方がまだマシだな……
それでも吸わずにはいられなかった。
今日だけは……
「────こんなところで何をかっこつけている?」
いつの間に来ていたのか、振り返った先にベアードが立っていた。
「別に、ただ旧友を弔うにはコイツが一番だと思っただけだ……」
吸うか?と煙草を差し出すと、ベアードは一本取って煙を燻らせた。
「もういいのか?祖父に付き添ってなくて?今日の予定は全部キャンセルしたんだろ?」
「あぁ……だからといっていつまでも悲しんではいられない……これから先、やらなければならないこともたくさんある。我々に立ち止まっている時間は無いのだ」
やらなければならないこと。
確固たる意志でそう告げたベアードの言葉は、葬儀の日程や手続きについて以外の意味も含んでいるような気がした。
「やっぱアンタは大統領なだけあって心が強いんだな」
横目に見たベアードは俺と正反対で、どこか晴れやかな顔をしていた。
そんな簡単に気持ちの切り替えなんてできねーよ。と、俺は煙草を咥える。
三度目でようやく噎せずに吸うことができた。
「そうではない……こう言ってはなんだが、私は祖父が亡くなって少し安心したんだ……ようやく病魔から解放された気がしてな。それに、もう死ぬ以外にすることのなかった男が、最期にあんな生き様を見せてくれたのだ……やはり、今の君に合わせて正解だった……」
「……」
本当にこれで良かったのだろうか?
俺は哀愁に似た蟠りのような物をずっと感じていた。
『ありが……とう……』
最期に告げたその言葉だけが頭の中で何度もフラッシュバックされる。
彼に対する俺の罪は、果たして本当に赦されたのだろうか?
もうそれを調べる術も、本人に訊ねることもできない。
後の答えは己にあり……か……
なら、俺も前に進まなければならないと言うことなのか?ヨハネ。
大切な人の命を糧としても……
「泣いているのか……?」
「ちがーよ、煙草の煙が眼に染みただけだ」
覗き込んできたベアードに、煙草を咥えたまま右手で顔を覆う。
「君にこの仕事を押し付けてしまったことは、正直申し訳なく感じている」
煙の行く末を眼で追うように、ベアードも空を見上げる。
「……これから私も、そして君達もさらに繁忙を極めることになる……そうなれば、今日なんかよりもっと辛い出来事も訪れるかもしれない……」
曇り空から俺へと視線を向ける。
それはまるで、何かの決意を改めたかのような。
はたまた緊張を紛らわすような。
仰々しいほど至極丁寧な振る舞いだった。
「それでも、私に付き従ってくれないか……?」
言葉こそ違えどその顔つきは初めて出会った時と同じ、物堅くも篤徳に満ちた表情をしていた。
「断る……」
短くそう告げたのに合わせてベアードが眼を見開く。
今日の出来事やここ半年間を振り返れば、それが大きな分岐点になったかは言うまでもない。
仲間達と通じていく内に変化した自分の考えを伝えるべく、ベアードへと向き直りその眼を真っ向から見返した。
他人のものではない。自分自身の思いを伝えるために。
「首輪だろうがてめえの命令だろうが関係ない、俺は俺自身の意志でこの部隊の隊長を務める」
もう自分を偽ることも、逃げることもしない。
今まで交わってきた人たちの意志を引き継ぎ。
俺は俺自身の意志で、これから先を生きていく。
「だから……これからもよろしく頼む」
「……こちらこそ……な」
差し出した俺の手を、安堵の嘆息交じりにベアードが握る。
どんなに悲しいことがあっても、人は死なない限り前に進まなければならない。
全く……神様って奴はホント残酷だな……
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