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神々に魅入られし淑女《タイムレス ラヴ》
日米英首脳会合(ビギン カンスペリシィ)5
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街全体の混乱はそれほど大きくはない。
多少の渋滞や行きかう人々の困惑した様子は見て取れるが、電子機器が使用できないことが功を奏し、起きた事態に対してパニックの規模はそれほど大きくない。
それがまた不気味に感じた。
不平を垂れる若人やスケジュールを気にする社会人達。その数キロ先では大統領暗殺、スカイツリーの半壊が起こっていることなど知らず、ただの日常を全うする姿。
現場は今頃どうなっているのか、想像したくもないし、あちらを気にしている余裕はない。
今は一刻も早く犯人を捕らえなくては……
焦る思いに揺れる車中、何とか聞こえてきたアイリスの状況報告でそれらを上塗りすること数分、信号のない街中を無理矢理走らせたBMW 8シリーズが犯人の根城へと到着する。
数か月前にも訪れた巨大な赤いタワー。
セイナが一部破損させたこの東京タワーの工事は、年内中に目途が立ったらしいが、それが完了するまでは立ち入り禁止と言うことで一般客の姿は無い。
それでもこの高層ビルが連なる大都会の電波を賄えていたのは、新設されたスカイツリーのおかげであり、予備機と成り下がったこの電波塔の修理がそれほど急がれなかったのは必然とも言える。
その隙を敵に利用された。
長遠距離狙撃
世界でもトップクラスに値する日本の警備がそれを想定していないはずもなく、外で行うセレモニー中は特にそのことが懸念されていた。だが、あくまで警戒されていたのは狙撃可能な周辺のビル群だけであり、三キロ以上も離れた場所など気に留めることも無かった。
それに銃弾とは基本的に直線に飛翔する。
仮に三キロという距離が無かったにしても、皇居周辺に連なるビル群の向こう側、護衛対象から狙撃地点が目視できない場所から弾丸が飛んでくるとは努々思わないだろう。
それら懸念を踏まえての俺達だったが、結果としてそれを掛けたベアードの体躯を以てして証明する結果となってしまった。
(ベアード……死ぬんじゃねぇぞ)
力の籠った手が乱暴にBMW 8シリーズの扉を跳ね開ける。
近づけば分かる至大至剛の鉄骨の塊。
エレベーターは電波妨害で勿論使えない。
だが、悠長に階段を駆け上がっている余裕もない。
その意見が合致したように俺達二人は互いに頷いた。
発動させた俺の魔眼とロナの隕石の糸。超人的力と原料が蜘蛛の糸とあって強靭な伸縮性を誇るそれを使い、まるでパチンコのような要領で東京タワーの側面を駆け上っていく。
あっと言う間に中間の展望台を超え、数分足らずで特別展望台特別展望台のすぐ直下にある非常階段まで取り付く。
『ロナは側面から、俺は非常口から入る』
敵に見つからないよう息を顰めた俺が、戦術指示でロナと二手に分かれる。
今はもう電波妨害で途絶えてしまったアイリスの情報を精査すると、あのベトナムで対峙した魔術弾使いは、この特別展望台の奥地に姿を眩ませたまま動きは無いらしい。
脱出した形跡もないことから、恐らく仲間を待っているのだろう。
逃がしてなるものか……っ
今回のベアードだけじゃない。アイリスの父も含めてその罪を贖わせてやる。
役に立たないインカムを外してポケットに突っ込み、中央合同庁舎第七館の屋上で見ているであろうアイリスに戦術指示で突入の合図を出す。左腕のアナログ時計でタイミングを計りつつ、俺は非常階段から特別展望台内へと勢いよく駆け込んだ。
円形上に設計された空間。
その中央で光り輝くのは、幾重にもガラスを折り重ねたジオメトリックミラーと呼ばれるインテリアの支柱。まるでダイヤのような彫刻に映る銃を構えた何人もの俺。その銃口の先に一人としてターゲットの姿は見当たらなかった。
それでも鼻に着く火薬の臭いを辿りつつ、アイリスの銃弾で割れた強化ガラスを踏みしめていくと────
「……これは」
人為的にぽっかりと開けられた強化ガラスの手前に、真新しい黒い外観が目立つL96A1がバイオポットの上で鎮座していた。それ以外にもまだ熱の残った数個の空薬莢、弾道予測や風速計算に電波妨害用の信号を流すソフトなどが内蔵されたノートPCや、ミリタリー柄の敷物、それらをしまうリュックまでが丁寧に置かれたままとなっている。
なるほど、こいつで東京タワーに妨害電波を流させていたのか。
電源が付いたままのPC画面を俺は慎重に調べる。
あとはここにスナイパーを足せば立派な暗殺現場の出来上がり。だが、その犯人は何処にも見当たらない。
まさか……もう逃げ────
「────スナイパーはもうここにはいないわよ」
「ッ!?」
最後に聞いたのは数か月前なのに、その少女の声を覚えていたのはそれだけ重ねてきた因縁故か。
誰もいないはずの背後から声を掛けられ驚きこそしたが、警戒していたおかげで銃口だけを真後ろへ向けた俺は即座に発砲した。
銃声と共に砕け散るジオメトリックミラーが煌びやかなガラスの霧雨を降らせるも、手ごたえは皆無だった。
「いきなり銃弾とは、とんだご挨拶ね。流石は天下の指名手配犯」
余裕を含んだ少女の声が展望台の中で反響する。
気配も背後だけではなく、前、横、頭上と拡散され、特別展望台(トップデッキ)の至る所でその存在を感じる。しかし、その気配に反して姿かたちは一向に捕らえることができない。
「そっちこそ、いきなり背後から声を掛けてくるなんて可愛いところあるじゃねーか。そんなに恥ずかしがらなくて大丈夫だから出ておいで彩芽ちゃん」
多少の渋滞や行きかう人々の困惑した様子は見て取れるが、電子機器が使用できないことが功を奏し、起きた事態に対してパニックの規模はそれほど大きくない。
それがまた不気味に感じた。
不平を垂れる若人やスケジュールを気にする社会人達。その数キロ先では大統領暗殺、スカイツリーの半壊が起こっていることなど知らず、ただの日常を全うする姿。
現場は今頃どうなっているのか、想像したくもないし、あちらを気にしている余裕はない。
今は一刻も早く犯人を捕らえなくては……
焦る思いに揺れる車中、何とか聞こえてきたアイリスの状況報告でそれらを上塗りすること数分、信号のない街中を無理矢理走らせたBMW 8シリーズが犯人の根城へと到着する。
数か月前にも訪れた巨大な赤いタワー。
セイナが一部破損させたこの東京タワーの工事は、年内中に目途が立ったらしいが、それが完了するまでは立ち入り禁止と言うことで一般客の姿は無い。
それでもこの高層ビルが連なる大都会の電波を賄えていたのは、新設されたスカイツリーのおかげであり、予備機と成り下がったこの電波塔の修理がそれほど急がれなかったのは必然とも言える。
その隙を敵に利用された。
長遠距離狙撃
世界でもトップクラスに値する日本の警備がそれを想定していないはずもなく、外で行うセレモニー中は特にそのことが懸念されていた。だが、あくまで警戒されていたのは狙撃可能な周辺のビル群だけであり、三キロ以上も離れた場所など気に留めることも無かった。
それに銃弾とは基本的に直線に飛翔する。
仮に三キロという距離が無かったにしても、皇居周辺に連なるビル群の向こう側、護衛対象から狙撃地点が目視できない場所から弾丸が飛んでくるとは努々思わないだろう。
それら懸念を踏まえての俺達だったが、結果としてそれを掛けたベアードの体躯を以てして証明する結果となってしまった。
(ベアード……死ぬんじゃねぇぞ)
力の籠った手が乱暴にBMW 8シリーズの扉を跳ね開ける。
近づけば分かる至大至剛の鉄骨の塊。
エレベーターは電波妨害で勿論使えない。
だが、悠長に階段を駆け上がっている余裕もない。
その意見が合致したように俺達二人は互いに頷いた。
発動させた俺の魔眼とロナの隕石の糸。超人的力と原料が蜘蛛の糸とあって強靭な伸縮性を誇るそれを使い、まるでパチンコのような要領で東京タワーの側面を駆け上っていく。
あっと言う間に中間の展望台を超え、数分足らずで特別展望台特別展望台のすぐ直下にある非常階段まで取り付く。
『ロナは側面から、俺は非常口から入る』
敵に見つからないよう息を顰めた俺が、戦術指示でロナと二手に分かれる。
今はもう電波妨害で途絶えてしまったアイリスの情報を精査すると、あのベトナムで対峙した魔術弾使いは、この特別展望台の奥地に姿を眩ませたまま動きは無いらしい。
脱出した形跡もないことから、恐らく仲間を待っているのだろう。
逃がしてなるものか……っ
今回のベアードだけじゃない。アイリスの父も含めてその罪を贖わせてやる。
役に立たないインカムを外してポケットに突っ込み、中央合同庁舎第七館の屋上で見ているであろうアイリスに戦術指示で突入の合図を出す。左腕のアナログ時計でタイミングを計りつつ、俺は非常階段から特別展望台内へと勢いよく駆け込んだ。
円形上に設計された空間。
その中央で光り輝くのは、幾重にもガラスを折り重ねたジオメトリックミラーと呼ばれるインテリアの支柱。まるでダイヤのような彫刻に映る銃を構えた何人もの俺。その銃口の先に一人としてターゲットの姿は見当たらなかった。
それでも鼻に着く火薬の臭いを辿りつつ、アイリスの銃弾で割れた強化ガラスを踏みしめていくと────
「……これは」
人為的にぽっかりと開けられた強化ガラスの手前に、真新しい黒い外観が目立つL96A1がバイオポットの上で鎮座していた。それ以外にもまだ熱の残った数個の空薬莢、弾道予測や風速計算に電波妨害用の信号を流すソフトなどが内蔵されたノートPCや、ミリタリー柄の敷物、それらをしまうリュックまでが丁寧に置かれたままとなっている。
なるほど、こいつで東京タワーに妨害電波を流させていたのか。
電源が付いたままのPC画面を俺は慎重に調べる。
あとはここにスナイパーを足せば立派な暗殺現場の出来上がり。だが、その犯人は何処にも見当たらない。
まさか……もう逃げ────
「────スナイパーはもうここにはいないわよ」
「ッ!?」
最後に聞いたのは数か月前なのに、その少女の声を覚えていたのはそれだけ重ねてきた因縁故か。
誰もいないはずの背後から声を掛けられ驚きこそしたが、警戒していたおかげで銃口だけを真後ろへ向けた俺は即座に発砲した。
銃声と共に砕け散るジオメトリックミラーが煌びやかなガラスの霧雨を降らせるも、手ごたえは皆無だった。
「いきなり銃弾とは、とんだご挨拶ね。流石は天下の指名手配犯」
余裕を含んだ少女の声が展望台の中で反響する。
気配も背後だけではなく、前、横、頭上と拡散され、特別展望台(トップデッキ)の至る所でその存在を感じる。しかし、その気配に反して姿かたちは一向に捕らえることができない。
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