7 / 47
運命の家族会議
しおりを挟む
成人の儀の失敗から数日が経った。僕は自室に籠もったまま、ほとんど外に出ることはなかった。食事も最小限で、リリーが持ってくる軽食を少しつまむ程度だった。
窓の外では、他の成人を迎えた若者たちの祝宴の余韻が続いていたが、僕の耳には遠い世界の出来事のように聞こえた。
ノックの音がして、リリーが部屋に入ってきた。
「アリストン様、家族会議が開かれます。大広間にお越しくださいとのことです」
僕は重い腰を上げた。この日が来ることは分かっていた。自分の運命が決まる瞬間だ。
大広間に向かう途中、廊下でエドガー兄さんとすれ違った。
「アリストン」エドガー兄さんは立ち止まり、僕の顔をじっと見た。「大丈夫か?」
僕は小さく頷いた。「はい、なんとか...」
エドガー兄さんは何か言いかけたが、結局黙ったまま歩き出した。その背中を見送りながら、僕は兄の気持ちを測りかねていた。
大広間に到着すると、既に家族全員が揃っていた。父上、エドガー兄さん、ヴィクター兄さん、そしてお祖母様。全員の表情が硬く、重苦しい空気が漂っていた。
「座りなさい、アリストン」父上の声は冷たかった。
僕は用意された椅子に座った。手が少し震えているのを感じる。
「今日の会議の目的は明白だ」父上は厳しい表情で切り出した。「アリストンの今後についてだ」
一瞬、部屋中が静まり返った。
「成人の儀での...お前の演技は、期待以下だった」父上の言葉に、僕は顔を伏せた。「ヴァンガード家の名に恥じない才能を示すことができなかった」
エドガー兄さんが口を開いた。「父上、アリストンにはまだ若さがあります。もう少し時間を...」
「いいえ、エドガー」ヴィクター兄さんが遮った。「現実を直視すべきだ。アリストンには、この家を担う能力がない」
僕は息を呑んだ。ヴィクター兄さんの言葉は痛かったが、反論する言葉が見つからなかった。
「私たちは長い間、アリストンの...特殊な才能を見守ってきた」父上は続けた。「しかし、幻影を見せるだけでは、この家の未来は担えない」
お祖母様が静かに口を開いた。「ロレンス、アリストンの能力は特別なものよ。時間をかければ...」
「母上」父上は厳しく言った。「今はその議論をする時ではありません」
僕はお祖母様に感謝の眼差しを向けたが、同時に胸が締め付けられる思いだった。
父上は深いため息をついた。「我々は決断を下さねばならない。アリストン、お前をヴェイルミストへ送ることにした」
「ヴェイルミスト...?」僕は驚いて顔を上げた。その名前は聞いたことがあった。家族の間で、追放同然の場所として時々話題に上がっていた辺境の領地だ。
「そこで、お前は領主として領地を治めることになる」父上の声に、わずかな同情が混じっているように聞こえた。「これが、お前に与えられた最後のチャンスだ」
エドガー兄さんが立ち上がった。「父上、それは酷すぎます。アリストンはまだ...」
「黙れ、エドガー」父上の声が鋭く響いた。「これは家の決定だ」
ヴィクター兄さんは冷ややかな目で僕を見た。「辺境の地で、お前の...特殊な才能が役立つことを願おう」
その言葉に、皮肉が込められているのは明らかだった。僕は言葉を失った。追放。その現実が、重い鉛のように胸に沈んでいく。
「はい...分かりました」かすれた声で答えるのが精一杯だった。
「決定事項だ」父上は厳しく言い切った。「アリストン、1週間後に出発の準備をしろ。必要な指示は後ほど伝える」
会議は終わり、家族たちが立ち去っていく。エドガー兄さんが一瞬立ち止まり、僕の肩に手を置いた。
「アリストン...」その声には、申し訳なさと無力感が混ざっていた。
「大丈夫です、兄さん」僕は弱々しく微笑んだ。「僕なりに...頑張ります」
エドガー兄さんは何か言いたげな表情を浮かべたが、結局黙ったまま部屋を出て行った。
最後に残った祖母が、僕を抱きしめてくれた。
「アリストン...強く生きるのよ」
「ありがとう、お祖母様」
お祖母様も去り、僕は一人、大広間に残された。窓から差し込む夕日が、僕の影を長く伸ばしていた。
追放。その言葉が、頭の中でエコーのように響く。
ヴェイルミスト。未知の地での生活。領主としての責務。
そのどれもが、僕にとっては遠い世界の出来事のように感じられた。
部屋に戻る途中、廊下の窓から外を見ると、ヴィクター兄さんが剣の訓練を始めていた。その姿は力強く、僕には今や別世界の人のように思えた。
自室に戻った僕は、ベッドに身を投げ出した。
天井を見つめながら、呟いた。
「オリヴィア...聞こえる?僕は...追放されることになったんだ」
返事はない……静寂だけが、僕を包み込む。
窓の外では、夜の帳が降り始めていた。
窓の外では、他の成人を迎えた若者たちの祝宴の余韻が続いていたが、僕の耳には遠い世界の出来事のように聞こえた。
ノックの音がして、リリーが部屋に入ってきた。
「アリストン様、家族会議が開かれます。大広間にお越しくださいとのことです」
僕は重い腰を上げた。この日が来ることは分かっていた。自分の運命が決まる瞬間だ。
大広間に向かう途中、廊下でエドガー兄さんとすれ違った。
「アリストン」エドガー兄さんは立ち止まり、僕の顔をじっと見た。「大丈夫か?」
僕は小さく頷いた。「はい、なんとか...」
エドガー兄さんは何か言いかけたが、結局黙ったまま歩き出した。その背中を見送りながら、僕は兄の気持ちを測りかねていた。
大広間に到着すると、既に家族全員が揃っていた。父上、エドガー兄さん、ヴィクター兄さん、そしてお祖母様。全員の表情が硬く、重苦しい空気が漂っていた。
「座りなさい、アリストン」父上の声は冷たかった。
僕は用意された椅子に座った。手が少し震えているのを感じる。
「今日の会議の目的は明白だ」父上は厳しい表情で切り出した。「アリストンの今後についてだ」
一瞬、部屋中が静まり返った。
「成人の儀での...お前の演技は、期待以下だった」父上の言葉に、僕は顔を伏せた。「ヴァンガード家の名に恥じない才能を示すことができなかった」
エドガー兄さんが口を開いた。「父上、アリストンにはまだ若さがあります。もう少し時間を...」
「いいえ、エドガー」ヴィクター兄さんが遮った。「現実を直視すべきだ。アリストンには、この家を担う能力がない」
僕は息を呑んだ。ヴィクター兄さんの言葉は痛かったが、反論する言葉が見つからなかった。
「私たちは長い間、アリストンの...特殊な才能を見守ってきた」父上は続けた。「しかし、幻影を見せるだけでは、この家の未来は担えない」
お祖母様が静かに口を開いた。「ロレンス、アリストンの能力は特別なものよ。時間をかければ...」
「母上」父上は厳しく言った。「今はその議論をする時ではありません」
僕はお祖母様に感謝の眼差しを向けたが、同時に胸が締め付けられる思いだった。
父上は深いため息をついた。「我々は決断を下さねばならない。アリストン、お前をヴェイルミストへ送ることにした」
「ヴェイルミスト...?」僕は驚いて顔を上げた。その名前は聞いたことがあった。家族の間で、追放同然の場所として時々話題に上がっていた辺境の領地だ。
「そこで、お前は領主として領地を治めることになる」父上の声に、わずかな同情が混じっているように聞こえた。「これが、お前に与えられた最後のチャンスだ」
エドガー兄さんが立ち上がった。「父上、それは酷すぎます。アリストンはまだ...」
「黙れ、エドガー」父上の声が鋭く響いた。「これは家の決定だ」
ヴィクター兄さんは冷ややかな目で僕を見た。「辺境の地で、お前の...特殊な才能が役立つことを願おう」
その言葉に、皮肉が込められているのは明らかだった。僕は言葉を失った。追放。その現実が、重い鉛のように胸に沈んでいく。
「はい...分かりました」かすれた声で答えるのが精一杯だった。
「決定事項だ」父上は厳しく言い切った。「アリストン、1週間後に出発の準備をしろ。必要な指示は後ほど伝える」
会議は終わり、家族たちが立ち去っていく。エドガー兄さんが一瞬立ち止まり、僕の肩に手を置いた。
「アリストン...」その声には、申し訳なさと無力感が混ざっていた。
「大丈夫です、兄さん」僕は弱々しく微笑んだ。「僕なりに...頑張ります」
エドガー兄さんは何か言いたげな表情を浮かべたが、結局黙ったまま部屋を出て行った。
最後に残った祖母が、僕を抱きしめてくれた。
「アリストン...強く生きるのよ」
「ありがとう、お祖母様」
お祖母様も去り、僕は一人、大広間に残された。窓から差し込む夕日が、僕の影を長く伸ばしていた。
追放。その言葉が、頭の中でエコーのように響く。
ヴェイルミスト。未知の地での生活。領主としての責務。
そのどれもが、僕にとっては遠い世界の出来事のように感じられた。
部屋に戻る途中、廊下の窓から外を見ると、ヴィクター兄さんが剣の訓練を始めていた。その姿は力強く、僕には今や別世界の人のように思えた。
自室に戻った僕は、ベッドに身を投げ出した。
天井を見つめながら、呟いた。
「オリヴィア...聞こえる?僕は...追放されることになったんだ」
返事はない……静寂だけが、僕を包み込む。
窓の外では、夜の帳が降り始めていた。
146
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。
克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる