29 / 47
遺跡への道
しおりを挟む
意識が戻ったとき、僕は城の一室のベッドに横たわっていた。体の痛みは和らいでいたが、まだ微かに紫の霧が体内を巡っているのを感じる。
「目が覚めましたか、アリストン様」
エリザベスが心配そうな顔で僕を見下ろしていた。
「ああ...どれくらい眠っていたんだ?」
「丸一日です。レイモンド様も心配されていました」
僕はゆっくりと体を起こした。頭の中には、昏睡中に見た幻影がまだ鮮明に残っている。
「エリザベス、至急みんなを集めてくれないか。話さなければならないことがある」
しばらくして、大広間に人々が集まった。シャドウクリフ王国の外交官レイモンド・ブラックソーン、村の長老たち、そして研究者たち。みんなの表情に、不安と期待が入り混じっているのが見て取れた。
「アリストン、大丈夫なのか?」レイモンドが心配そうに尋ねた。彼の声には、かつての厳しさは影を潜め、代わりに本物の懸念が感じられた。僕とレイモンドの関係は、最初の緊張した交渉から、今では互いを理解し合う同志とも呼べるものに変化していた。
僕は頷いた。「ああ、大丈夫だ。それより...」
深呼吸をして、僕は話し始めた。昏睡中に見た幻影のこと、そしてそこで得た情報について。
「古代の遺跡があるんです。そこには、闇の霧を封印した守護者たちの秘密が眠っている」
「遺跡?」長老の一人が眉をひそめた。「そんなものが本当にあるのですか?」
「ああ」僕は確信を込めて答えた。「場所も分かる。ヴェイルミストの北東、霧に覆われた山脈の奥だ」
レイモンドが前に出た。その姿は、シャドウクリフ王国の威厳を纏いつつも、今や僕たちの味方としての存在感を放っていた。「しかし、そんな危険な場所に...」
「行かなければならない」僕は静かに、しかし力強く言った。「このままでは、闇の霧の次の攻撃に耐えられない。秘密の書に書かれた古の魔法こそが、我々の希望なんだ」
部屋が静まり返る。みんな、事の重大さを理解したようだった。
「分かった」レイモンドが深いため息をついた。彼の目には、複雑な思いが浮かんでいた。シャドウクリフ王国の利益を考えながらも、今や彼はヴェイルミストの未来も気にかけているのだ。「だが、一人で行かせるわけにはいかない。護衛を付ける。シャドウクリフからも、精鋭を同行させよう」
その申し出に、僕は感謝の念を抱いた。かつては対立していた私たちが、今や共通の脅威に立ち向かおうとしている。この変化こそ、希望の証だと思えた。
「ありがとう、レイモンド。君の協力は本当に心強い」
レイモンドは微笑んだ。その表情には、初めて会った時には見られなかった温かみがあった。「互いの国の未来がかかっている。全力で支援しよう」
準備に三日を要した。その間、僕は体内に残る闇の霧と向き合い、少しずつそれを制御する方法を学んでいった。それは苦しい過程だったが、同時に新たな力の可能性も感じられた。レイモンドは、シャドウクリフの古文書から得た情報を共有してくれた。彼の協力は、準備を進める上で大きな助けとなった。
出発の日、城の前には多くの人々が集まっていた。
「気をつけて行ってらっしゃい、アリストン様」
「必ず、無事に戻ってきてください」
村人たちの声に送られ、僕たちの一行は北東へと出発した。
道中、霧はますます濃くなっていった。時折、不気味な影が霧の中をよぎるのが見える。護衛の兵士たちは神経をとがらせているが、僕には霧の動きが手に取るように分かった。
「もうすぐだ」
僕の言葉と共に、霧の向こうに巨大な山の輪郭が見えてきた。その山肌には、古代の文字が刻まれているのが見える。
「あれは...」
護衛の一人が驚いた声を上げた。
「守護者たちの警告だ」僕は静かに説明した。「"ここより先に進む者よ、覚悟せよ"...そう書かれている」
一行の表情が引き締まる。
山の麓に到着すると、そこには巨大な石門があった。その表面には複雑な魔法陣が刻まれている。
「どうやって開ければ...」
護衛の一人が呟いたその時、僕の体内に残っていた闇の霧が反応した。
「くっ...!」
突然の痛みに僕は膝をつく。しかし、その痛みと共に、扉を開く方法が脳裏に浮かんだ。
「下がってください」
僕は両手を石門に押し付け、体内の力を解放した。すると、魔法陣が輝き始め、ゆっくりと扉が開いていく。
「すごい...」
感嘆の声が上がる中、僕たちは遺跡の中へと足を踏み入れた。
内部は、予想以上に保存状態が良かった。壁には古代の壁画が描かれ、至る所に不思議な装置が置かれている。
「これらは一体...」
僕が壁画に近づいたその時、突然床が揺れ始めた。
「注意して!」
僕の警告の直後、床が割れ、僕たちは深い穴へと落下していった。
「うわあああっ!」
闇の中を落ちていく感覚。そして...。
「おっと」
柔らかい何かが僕たちの落下を受け止めた。目を開けると、そこは幻想的な光に満ちた広間だった。
「みんな、無事か?」
幸い、全員が無事だったようだ。
広間の中央には、巨大な石碑が立っていた。その表面には、複雑な文字が刻まれている。
「これは...」
僕が石碑に近づくと、突然文字が輝き始めた。そして、石碑の前に幽霊のような姿が現れた。
「よくぞここまで来た、若き守護者よ」
その声は、どこか懐かしく、そして威厳に満ちていた。
「あなたは...」
「私は、かつてこの地を守護していた者の一人だ。お前が来るのを、長い間待っていた」
僕は息を呑んだ。ついに、守護者たちの秘密に辿り着いたのだ。
「教えてください」僕は真剣な表情で言った。「闇の霧を倒す方法を」
守護者の幽霊は静かに頷いた。
「よかろう。だが、それを知るには試練を乗り越えねばならぬ。お前に、その覚悟はあるか?」
僕は迷わず答えた。
「はい、どんな試練でも受けて立ちます」
守護者の目が、僕を見抜くように輝いた。
「よかろう。では、始めよう。お前の真の力を目覚めさせる儀式を」
その言葉と共に、広間全体が光に包まれた。
僕の体が宙に浮かび、周りを光の渦が巡り始める。これから始まる試練が、どれほど過酷なものになるのか想像もつかない。
しかし、僕には後には引けない。ヴェイルミストのため、そして世界のため...。
守護者の声が、僕の心に直接響いた。
「準備はいいか、若き守護者よ。お前の真の旅は、ここからだ」
僕は目を閉じ、深く息を吸った。
「はい、始めましょう」
こうして、僕の新たな試練が幕を開けた。その先に待っているものが、僕の想像を遥かに超えるものだとは、まだ知る由もなかった。
「目が覚めましたか、アリストン様」
エリザベスが心配そうな顔で僕を見下ろしていた。
「ああ...どれくらい眠っていたんだ?」
「丸一日です。レイモンド様も心配されていました」
僕はゆっくりと体を起こした。頭の中には、昏睡中に見た幻影がまだ鮮明に残っている。
「エリザベス、至急みんなを集めてくれないか。話さなければならないことがある」
しばらくして、大広間に人々が集まった。シャドウクリフ王国の外交官レイモンド・ブラックソーン、村の長老たち、そして研究者たち。みんなの表情に、不安と期待が入り混じっているのが見て取れた。
「アリストン、大丈夫なのか?」レイモンドが心配そうに尋ねた。彼の声には、かつての厳しさは影を潜め、代わりに本物の懸念が感じられた。僕とレイモンドの関係は、最初の緊張した交渉から、今では互いを理解し合う同志とも呼べるものに変化していた。
僕は頷いた。「ああ、大丈夫だ。それより...」
深呼吸をして、僕は話し始めた。昏睡中に見た幻影のこと、そしてそこで得た情報について。
「古代の遺跡があるんです。そこには、闇の霧を封印した守護者たちの秘密が眠っている」
「遺跡?」長老の一人が眉をひそめた。「そんなものが本当にあるのですか?」
「ああ」僕は確信を込めて答えた。「場所も分かる。ヴェイルミストの北東、霧に覆われた山脈の奥だ」
レイモンドが前に出た。その姿は、シャドウクリフ王国の威厳を纏いつつも、今や僕たちの味方としての存在感を放っていた。「しかし、そんな危険な場所に...」
「行かなければならない」僕は静かに、しかし力強く言った。「このままでは、闇の霧の次の攻撃に耐えられない。秘密の書に書かれた古の魔法こそが、我々の希望なんだ」
部屋が静まり返る。みんな、事の重大さを理解したようだった。
「分かった」レイモンドが深いため息をついた。彼の目には、複雑な思いが浮かんでいた。シャドウクリフ王国の利益を考えながらも、今や彼はヴェイルミストの未来も気にかけているのだ。「だが、一人で行かせるわけにはいかない。護衛を付ける。シャドウクリフからも、精鋭を同行させよう」
その申し出に、僕は感謝の念を抱いた。かつては対立していた私たちが、今や共通の脅威に立ち向かおうとしている。この変化こそ、希望の証だと思えた。
「ありがとう、レイモンド。君の協力は本当に心強い」
レイモンドは微笑んだ。その表情には、初めて会った時には見られなかった温かみがあった。「互いの国の未来がかかっている。全力で支援しよう」
準備に三日を要した。その間、僕は体内に残る闇の霧と向き合い、少しずつそれを制御する方法を学んでいった。それは苦しい過程だったが、同時に新たな力の可能性も感じられた。レイモンドは、シャドウクリフの古文書から得た情報を共有してくれた。彼の協力は、準備を進める上で大きな助けとなった。
出発の日、城の前には多くの人々が集まっていた。
「気をつけて行ってらっしゃい、アリストン様」
「必ず、無事に戻ってきてください」
村人たちの声に送られ、僕たちの一行は北東へと出発した。
道中、霧はますます濃くなっていった。時折、不気味な影が霧の中をよぎるのが見える。護衛の兵士たちは神経をとがらせているが、僕には霧の動きが手に取るように分かった。
「もうすぐだ」
僕の言葉と共に、霧の向こうに巨大な山の輪郭が見えてきた。その山肌には、古代の文字が刻まれているのが見える。
「あれは...」
護衛の一人が驚いた声を上げた。
「守護者たちの警告だ」僕は静かに説明した。「"ここより先に進む者よ、覚悟せよ"...そう書かれている」
一行の表情が引き締まる。
山の麓に到着すると、そこには巨大な石門があった。その表面には複雑な魔法陣が刻まれている。
「どうやって開ければ...」
護衛の一人が呟いたその時、僕の体内に残っていた闇の霧が反応した。
「くっ...!」
突然の痛みに僕は膝をつく。しかし、その痛みと共に、扉を開く方法が脳裏に浮かんだ。
「下がってください」
僕は両手を石門に押し付け、体内の力を解放した。すると、魔法陣が輝き始め、ゆっくりと扉が開いていく。
「すごい...」
感嘆の声が上がる中、僕たちは遺跡の中へと足を踏み入れた。
内部は、予想以上に保存状態が良かった。壁には古代の壁画が描かれ、至る所に不思議な装置が置かれている。
「これらは一体...」
僕が壁画に近づいたその時、突然床が揺れ始めた。
「注意して!」
僕の警告の直後、床が割れ、僕たちは深い穴へと落下していった。
「うわあああっ!」
闇の中を落ちていく感覚。そして...。
「おっと」
柔らかい何かが僕たちの落下を受け止めた。目を開けると、そこは幻想的な光に満ちた広間だった。
「みんな、無事か?」
幸い、全員が無事だったようだ。
広間の中央には、巨大な石碑が立っていた。その表面には、複雑な文字が刻まれている。
「これは...」
僕が石碑に近づくと、突然文字が輝き始めた。そして、石碑の前に幽霊のような姿が現れた。
「よくぞここまで来た、若き守護者よ」
その声は、どこか懐かしく、そして威厳に満ちていた。
「あなたは...」
「私は、かつてこの地を守護していた者の一人だ。お前が来るのを、長い間待っていた」
僕は息を呑んだ。ついに、守護者たちの秘密に辿り着いたのだ。
「教えてください」僕は真剣な表情で言った。「闇の霧を倒す方法を」
守護者の幽霊は静かに頷いた。
「よかろう。だが、それを知るには試練を乗り越えねばならぬ。お前に、その覚悟はあるか?」
僕は迷わず答えた。
「はい、どんな試練でも受けて立ちます」
守護者の目が、僕を見抜くように輝いた。
「よかろう。では、始めよう。お前の真の力を目覚めさせる儀式を」
その言葉と共に、広間全体が光に包まれた。
僕の体が宙に浮かび、周りを光の渦が巡り始める。これから始まる試練が、どれほど過酷なものになるのか想像もつかない。
しかし、僕には後には引けない。ヴェイルミストのため、そして世界のため...。
守護者の声が、僕の心に直接響いた。
「準備はいいか、若き守護者よ。お前の真の旅は、ここからだ」
僕は目を閉じ、深く息を吸った。
「はい、始めましょう」
こうして、僕の新たな試練が幕を開けた。その先に待っているものが、僕の想像を遥かに超えるものだとは、まだ知る由もなかった。
59
あなたにおすすめの小説
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる