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神成
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「というわけで、皆さん学内コンペお疲れ様でした。では、乾杯!」
教授の声に続いて皆が「乾杯!」とグラスを掲げる。私も同様に何人かとグラスを合わせ、生ビールを一気に呷った。
学内コンペを無事終え、今日は教授を始め、私、オサム、ナミ、そして安田を含めた研究室に所属している二十五人全員が参加する大規模な飲み会が開かれることとなった。大学近くの馴染みである居酒屋の一室を貸し切りにして、お疲れ様会と称したその宴会は始まった。
「それにしても、安田のはすごかったな」
「あいつまともに研究室に顔出さないくせに、ずりいよな」
「ああいうのを天才っていうんだよ。俺達とは次元が違えの」
「安田くんって、いかにも新鋭気質のクリエイターって感じだもんね!憧れちゃうなあ」
飲み会の話題の中心は、またしても安田だった。
当事者である安田本人は否定も肯定もしていなかったが、その顔は満更でもなさそうな笑みを張り付け、上機嫌さが伺えた。さも当然とばかりに自信に満ち溢れたその態度が、やたらと私の癇に障る。安田の顔を見ていい気分になったことなど一度もないが、今日はいつも以上に私をイライラとさせた。
今回はたまたま、運が良かっただけ。宝くじに当たった様なもので、決して安田の実力の結果ではない。
そう言ってやりたいのにそれを口に出せないのは、どこかで私も同感だと思っているからなのか。
安田も、安田を取り囲む皆も、私も。全てに嫌悪感が募り、私はそれら全てに目を背け逃げるように、テーブルの一番端に座る教授の隣に移動した。
「教授、ここいいですか?」
「おお、神成くん!どうぞどうぞ。神成くんみたいな美人さんがお酌してくれるなんて、光栄だなあ。お酒も美味しくなるよ」
熱燗を片手に、苦笑いしながら「どうぞ」と教授に酌をする。にこにこと穏やかな笑みを浮かべ鼻を真っ赤にした教授は、とても日本を代表する大物建築家には見えない。そこら辺にいるごく普通のおじさんを連想させるその出で立ちに、ささくれ立った心が少し和らいだ。
「そうそう。僕の渡した資料は見てくれたかな?」
たわいもない世間話をいくつかしたところで、教授が思い出したかのようにそう言った。
「はい。一通り拝見しました。でも、まだ悩み中です」
「まあ、まだ時間はあるから。よく考えて決めなさい。僕としては物足りないくらいなんだけど。決めるのは神成くんだからね。今回の作品は正直イマイチだったけど、君が今までどれだけ頑張ってきたのかはちゃんとわかってるから。自信を持って進みなさい。いいね?」
教授のストレートな物言いに、苦虫を嚙み潰したように「はい」とだけ答えた。自覚していることを敢えて指摘されるのは結構堪える。師事している教授に言われれば尚更だ。
そんな私の胸の内を全て察しているかのように教授は小さく笑い、パンっと一回大きく手を叩いた。
「はい、注目!じゃあ、僕はそろそろ帰るから。後は若い者だけで楽しんでください」
そう言って席を立つ教授に各々挨拶をして、教授は上機嫌に去っていった。
優しく穏やかな人柄で親しまれているとあっても、教授は教授。やはり、いるといないとでは心の持ちようは全然異なるらしい。教授が帰ると、縛りが解けたかのように、その場はさらに盛り上がり始めた。
それを横目に、私は一人残された場所で、教授の残した冷めきった熱燗をちびりちびりと舐めていた。飲み慣れていない類のアルコールに、喉の奥がかあっと熱くなる。そしてその熱は胸の奥まで移動し、何故か目頭までも熱くなった。
私とちょうど正反対、一番離れた席の人だかり。
その中心に、胡散臭いいつもの笑みを浮かべた安田がいた。
耳にかかる明るい茶髪、柔和に垂れた目、すっと通った鼻筋にシャープな顎。
今時の女子がいかにも好みそうなその顔立ちは、私にとっては嫌悪の対象でしかない。
特に、私を見るその目。
見下す様な、全てを見透かす様な、笑いながらも一切の熱を感じさせないその瞳が、いつも私の心を不穏にかき乱すのだ。
だから、嫌い。
あいつの性格云々の前に、生理的に受け入れることができなかった。
だというのに、酔いが回り全体的にぼやけ始めた視界の中、どうしてあいつの顔ばかりやたら鮮明にチラつくのか。
知らずいら立ちが募り、目の前のテーブルにあった酒を適当に呷る。
視界の先にいる安田は、甘えるようにしな垂れかかる女子の肩を抱き、内緒話をするかのごとく二人顔を近付けて、楽しそうに何かを話している。安田と女子がああやっていちゃつくのは日常茶飯事で、うんざりするくらい何度も何度も見たことのある光景だった。そして、私はそれをいつも冷え冷えとした目で見ていた。
なのに今、私の心は煩い位ざわついていた。胸の中がぐちゃぐちゃのぐるぐるに、煮えくり返って気持ち悪い。吐き気さえ覚える。
安田はもちろんムカつくが、隣の女子に対しても理由のない怒りが止まらないのは、どうしてだろう。私の性格はそこまで悪かっただろうか。
ジョッキを持つのと逆の手で口元を抑えて、その元凶から顔を背けた。
「神成さん、大丈夫?」
声をかけられ顔を上げれば、私の前の席に自分のジョッキを手に持ったオサムが腰をおろし、続いてナミがその隣に座った。
「具合悪そうですよ。お水貰ってきましょうか?」
心配そうに眉を下げた二人に顔を覗き込まれ、私はその視線から逃れるように壁に目を向けた。
「ちょっと休めば大丈夫」
そう言いながらも、頭の中はグラグラと揺れ始めていた。たいして杯は重ねてないはずだけど、いつもは飲まない日本酒が効いている。いつもよりも酔いが回ってる自覚はあった。でもそれを悟られたくなくて、何でもない風を装った。
二人は私のその言葉を疑うことなくそのまま受け取ったようで、ホッとしたように肩を下ろし、話を再開させた。
話題はやっぱり、学内コンペ。
ーーそして当然、安田の作品についてだった。
吐き気が一層酷くなる。
「今回、自分ではすごくいい出来だったと思ってたんだけどな。ああやって安田くんのやつと比べられると、自信なくしちゃうよ。もっと頑張らないと」
「でも、私はオサムくんの作品好きだな。見てて、こう癒されるっていうか、安心するっていうか」
「そうかな?そう言ってくれると嬉しいけど。ナミちゃんは残念だったね」
「次こそ二次に通過できるように頑張るよ!オサムくんっていう心強い味方もいるしね!アドバイス、よろしくね?」
「う、うん。それは、もちろん」
私のことなどお構いなしに見つめ合う二人の頬が、酒のせいではない赤みを帯びていく。私はそれを、何とも言えない気持ちで見つめていた。
正直、安田の話はもう、うんざりだった。
だからと言って、二人の仲睦まじい姿を見せつけられるのもいい気はしない。本音を言えば放っておいて欲しかった。いや、私がこの場から今すぐ立ち去りたかった。
行き場のない苦々しい気持ちが、胸に渦巻いていく。
オサムのお皿が空けば、すかさずナミがそこにサラダを盛り付ける。オサムの嫌いなブロッコリーは除いて、オサムの好きなトマトを多めに。そして、その皿を当然のようにオサムが受け取る。
目の前に座る二人の距離はとても近く、隣合う肩は触れ合うほどだった。もしかしたらテーブルの下の膝はくっついているのかもしれない。いや、多分くっついているだろう。だというのに、そこに恥じらうような素振りはなく、ごくごく自然で当たり前のものであるかのように二人とも振舞っている。
自然体。その事実に、じわじわと打ちのめされる。
前までは違った。
付き合い始めたと言ってもどこかぎこちなく、一定の距離があった。好き合ったもの同士といえど、お互いに気を使い合って距離を測っていたのが見て取れた。
まだ私の方が上だ。オサムに近いのは私の方だ。
多分ずっと私は心のどこかでそう思っていて、ナミのことを見下して、そのことが私の自尊心を支えていたんだ。
オサムの隣に私の場所は確かに存在していた。はずだったーー
「……なあんだ、もうとっくに。……は、はは」
乾いた笑いがこぼれ、グラスに視線を落とす。
恥ずかしくて惨めったらしくて、顔が上げられない。とてもじゃないが、二人を見ることができない。
この場から、この状況から、いや、滑稽で憐れな自分自身から逃れたくて、泡が消え温くなったビールを一気に呷る。
コンペの結果も、進路も、私も、オサムも、ナミも。ーーあいつも。
全てがどうでも良いと思えるほど、私の心は打ちのめされていた。
教授の声に続いて皆が「乾杯!」とグラスを掲げる。私も同様に何人かとグラスを合わせ、生ビールを一気に呷った。
学内コンペを無事終え、今日は教授を始め、私、オサム、ナミ、そして安田を含めた研究室に所属している二十五人全員が参加する大規模な飲み会が開かれることとなった。大学近くの馴染みである居酒屋の一室を貸し切りにして、お疲れ様会と称したその宴会は始まった。
「それにしても、安田のはすごかったな」
「あいつまともに研究室に顔出さないくせに、ずりいよな」
「ああいうのを天才っていうんだよ。俺達とは次元が違えの」
「安田くんって、いかにも新鋭気質のクリエイターって感じだもんね!憧れちゃうなあ」
飲み会の話題の中心は、またしても安田だった。
当事者である安田本人は否定も肯定もしていなかったが、その顔は満更でもなさそうな笑みを張り付け、上機嫌さが伺えた。さも当然とばかりに自信に満ち溢れたその態度が、やたらと私の癇に障る。安田の顔を見ていい気分になったことなど一度もないが、今日はいつも以上に私をイライラとさせた。
今回はたまたま、運が良かっただけ。宝くじに当たった様なもので、決して安田の実力の結果ではない。
そう言ってやりたいのにそれを口に出せないのは、どこかで私も同感だと思っているからなのか。
安田も、安田を取り囲む皆も、私も。全てに嫌悪感が募り、私はそれら全てに目を背け逃げるように、テーブルの一番端に座る教授の隣に移動した。
「教授、ここいいですか?」
「おお、神成くん!どうぞどうぞ。神成くんみたいな美人さんがお酌してくれるなんて、光栄だなあ。お酒も美味しくなるよ」
熱燗を片手に、苦笑いしながら「どうぞ」と教授に酌をする。にこにこと穏やかな笑みを浮かべ鼻を真っ赤にした教授は、とても日本を代表する大物建築家には見えない。そこら辺にいるごく普通のおじさんを連想させるその出で立ちに、ささくれ立った心が少し和らいだ。
「そうそう。僕の渡した資料は見てくれたかな?」
たわいもない世間話をいくつかしたところで、教授が思い出したかのようにそう言った。
「はい。一通り拝見しました。でも、まだ悩み中です」
「まあ、まだ時間はあるから。よく考えて決めなさい。僕としては物足りないくらいなんだけど。決めるのは神成くんだからね。今回の作品は正直イマイチだったけど、君が今までどれだけ頑張ってきたのかはちゃんとわかってるから。自信を持って進みなさい。いいね?」
教授のストレートな物言いに、苦虫を嚙み潰したように「はい」とだけ答えた。自覚していることを敢えて指摘されるのは結構堪える。師事している教授に言われれば尚更だ。
そんな私の胸の内を全て察しているかのように教授は小さく笑い、パンっと一回大きく手を叩いた。
「はい、注目!じゃあ、僕はそろそろ帰るから。後は若い者だけで楽しんでください」
そう言って席を立つ教授に各々挨拶をして、教授は上機嫌に去っていった。
優しく穏やかな人柄で親しまれているとあっても、教授は教授。やはり、いるといないとでは心の持ちようは全然異なるらしい。教授が帰ると、縛りが解けたかのように、その場はさらに盛り上がり始めた。
それを横目に、私は一人残された場所で、教授の残した冷めきった熱燗をちびりちびりと舐めていた。飲み慣れていない類のアルコールに、喉の奥がかあっと熱くなる。そしてその熱は胸の奥まで移動し、何故か目頭までも熱くなった。
私とちょうど正反対、一番離れた席の人だかり。
その中心に、胡散臭いいつもの笑みを浮かべた安田がいた。
耳にかかる明るい茶髪、柔和に垂れた目、すっと通った鼻筋にシャープな顎。
今時の女子がいかにも好みそうなその顔立ちは、私にとっては嫌悪の対象でしかない。
特に、私を見るその目。
見下す様な、全てを見透かす様な、笑いながらも一切の熱を感じさせないその瞳が、いつも私の心を不穏にかき乱すのだ。
だから、嫌い。
あいつの性格云々の前に、生理的に受け入れることができなかった。
だというのに、酔いが回り全体的にぼやけ始めた視界の中、どうしてあいつの顔ばかりやたら鮮明にチラつくのか。
知らずいら立ちが募り、目の前のテーブルにあった酒を適当に呷る。
視界の先にいる安田は、甘えるようにしな垂れかかる女子の肩を抱き、内緒話をするかのごとく二人顔を近付けて、楽しそうに何かを話している。安田と女子がああやっていちゃつくのは日常茶飯事で、うんざりするくらい何度も何度も見たことのある光景だった。そして、私はそれをいつも冷え冷えとした目で見ていた。
なのに今、私の心は煩い位ざわついていた。胸の中がぐちゃぐちゃのぐるぐるに、煮えくり返って気持ち悪い。吐き気さえ覚える。
安田はもちろんムカつくが、隣の女子に対しても理由のない怒りが止まらないのは、どうしてだろう。私の性格はそこまで悪かっただろうか。
ジョッキを持つのと逆の手で口元を抑えて、その元凶から顔を背けた。
「神成さん、大丈夫?」
声をかけられ顔を上げれば、私の前の席に自分のジョッキを手に持ったオサムが腰をおろし、続いてナミがその隣に座った。
「具合悪そうですよ。お水貰ってきましょうか?」
心配そうに眉を下げた二人に顔を覗き込まれ、私はその視線から逃れるように壁に目を向けた。
「ちょっと休めば大丈夫」
そう言いながらも、頭の中はグラグラと揺れ始めていた。たいして杯は重ねてないはずだけど、いつもは飲まない日本酒が効いている。いつもよりも酔いが回ってる自覚はあった。でもそれを悟られたくなくて、何でもない風を装った。
二人は私のその言葉を疑うことなくそのまま受け取ったようで、ホッとしたように肩を下ろし、話を再開させた。
話題はやっぱり、学内コンペ。
ーーそして当然、安田の作品についてだった。
吐き気が一層酷くなる。
「今回、自分ではすごくいい出来だったと思ってたんだけどな。ああやって安田くんのやつと比べられると、自信なくしちゃうよ。もっと頑張らないと」
「でも、私はオサムくんの作品好きだな。見てて、こう癒されるっていうか、安心するっていうか」
「そうかな?そう言ってくれると嬉しいけど。ナミちゃんは残念だったね」
「次こそ二次に通過できるように頑張るよ!オサムくんっていう心強い味方もいるしね!アドバイス、よろしくね?」
「う、うん。それは、もちろん」
私のことなどお構いなしに見つめ合う二人の頬が、酒のせいではない赤みを帯びていく。私はそれを、何とも言えない気持ちで見つめていた。
正直、安田の話はもう、うんざりだった。
だからと言って、二人の仲睦まじい姿を見せつけられるのもいい気はしない。本音を言えば放っておいて欲しかった。いや、私がこの場から今すぐ立ち去りたかった。
行き場のない苦々しい気持ちが、胸に渦巻いていく。
オサムのお皿が空けば、すかさずナミがそこにサラダを盛り付ける。オサムの嫌いなブロッコリーは除いて、オサムの好きなトマトを多めに。そして、その皿を当然のようにオサムが受け取る。
目の前に座る二人の距離はとても近く、隣合う肩は触れ合うほどだった。もしかしたらテーブルの下の膝はくっついているのかもしれない。いや、多分くっついているだろう。だというのに、そこに恥じらうような素振りはなく、ごくごく自然で当たり前のものであるかのように二人とも振舞っている。
自然体。その事実に、じわじわと打ちのめされる。
前までは違った。
付き合い始めたと言ってもどこかぎこちなく、一定の距離があった。好き合ったもの同士といえど、お互いに気を使い合って距離を測っていたのが見て取れた。
まだ私の方が上だ。オサムに近いのは私の方だ。
多分ずっと私は心のどこかでそう思っていて、ナミのことを見下して、そのことが私の自尊心を支えていたんだ。
オサムの隣に私の場所は確かに存在していた。はずだったーー
「……なあんだ、もうとっくに。……は、はは」
乾いた笑いがこぼれ、グラスに視線を落とす。
恥ずかしくて惨めったらしくて、顔が上げられない。とてもじゃないが、二人を見ることができない。
この場から、この状況から、いや、滑稽で憐れな自分自身から逃れたくて、泡が消え温くなったビールを一気に呷る。
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