うしろのメリー

keima

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うしろのメリー 

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 私はメリー。ヒトの影にひそんで、うしろからおそうのが大好き。 
えっ、セーカクわるいって?ほっといて。
とくにこの家の人たちは私がちょっとさわっただけで「キャ~!!」って驚いてさわぐんだもの。 人間ておバカよね。 
この家は人間が5人すんでいるんだけど、みんなでかけてて、今ははむすめさんしかいない。
この人どんくさいから、私がちょっかいだすと良い反応するのよね。
よし、彼女についていっておどかしてやりましょう。 
フフフ……どんな反応するのかたのしみだわ。

さてと、どこにいくのかしら……あらトイレね。たまにトイレ行った後、しごととかでかけたりするからけいかいしなきゃね。 
あっ、水が流れる音がしたからもうすぐでてくるわね。
あっ、でてきた。 よし、コッソリついていくわよ。 
こんどはお風呂場ね、あっ、またこの人ったら電気をつけずに手を洗ってる。
でも好都合だわ。さて、どうやっておどかしてやろうかしら。
うしろからとつげきする? よこからぶつかってやる?それとも前からまわってとびついて…… 

バタン 

そんなこと考えていたら、いつのまにか彼女はいなくて、お風呂場の扉が完全に閉まっていた。
……えっ、ちょっと待って。 
私、閉じ込められた?
…ちょっとぉぉぉ~~~~!!!
ジョ~ダンじゃないわよ、開けなさいよ。
この私が閉められるなんてゆるさないわよ!!  
だれかタスケテ~~~!!!!
必死にさけんでいたら、ガラッと音がして暗いお風呂場から光がさしこんできた。
「やっぱりいた!!ゴメンねメリー。まさか、ついて来ていたなんて知らんかったのよ。」
ゴメンよ。そう言って彼女は、私をだきしめてくれた。
まったくよ。このメリーに気づかないなんて、本当にドンカンなんだから。 
……まぁ、たすけてくれたし、きょうのトコロはゆるしてやろうかしら。 


「メリー、お詫びのおやつだよ~。」
「な~ん。 」


おわり

 

メリー 
3歳のメスの黒猫 
よく家族の影に隠れてうしろからおどかすのが好き。実はツンデレな甘えん坊 
実は家族の中で娘さんが大好き。

彼女 
メリーの飼い主家族の娘さん 
地元の歯科医院で働くが、この日はお休みだった。 
メリー曰く 鈍くさいし鈍感な所がある。メリーが大好き 
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