こびとの里のものがたり 

keima

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ここはこびとたちがくらす里。 
ここでくらす怒りんぼうなこびとのカインは今、きげんが悪い。
というのも、ほんの数時間前に妹のライリーとケンカしたからだ。
カインは泣き虫なライリーとしょっちゅうケンカばかりしている。今日もささいなことでケンカになってしまい、最初は軽い言い合いだったのだが、しだいにカインはヒートアップしてしまい、キツいことをライリーに言ってしまった。それに傷ついたライリーは目に涙をためながら、カインをにらむと。

「カインにぃちゃんのバカ!大きらい!!」

そう言って立ち去ってしまった。 

「なんだよ、ライリーのヤツ…あんな怒んなくたっていいだろう。」

イライラしているカインが森の中を歩いていると、後ろから足音が聞こえてきた。


……コツコツコツ。

そろり、そろり。 

コツコツコツ。 

そろり、そろり。 

「……」





くるっ。

サッ……

「………」




コツコツコツ 

そろり そろり


くるっ

サッ……

「……」


カインが歩くと、そろりと忍び足でその足音も着いてくるが、カインが振り返ると、ささっとその足音の持ち主は気に隠れてしまうので。さっきからこの繰り返しだ。

(もう、何なんだよコイツは・・・そういえば、ライリーはよく俺の後ろをついてきてたな。)

いつも泣きながらも、自分のあとをついてきていたライリーの姿を思い出しながら、ふっ……とあることに気づき、足を止めた。


そろり、そろり、そろり……ポフン。



軽い衝突音とともに、小さな手がカインの腰に回された。


「……カインにぃちゃん、ごめんなさい。」

グズグズと泣きじゃくりながらも、ライリーはギュッとカインに抱きしめる。 

「大嫌いって言ってごめんなさい。ごめんなさい。」

ボロボロと大粒の涙を流すライリーに、カインはおそるおそる手を伸ばすと、そっと頭を撫でた。

「……オレのほうこそ、ごめん。」

その言葉に涙目でカインを見上げていたライリーの表情は、フニャリと柔らかな笑顔になった。


「てか、何でこっそりついてきていたんだ?」

「だって・・・ちょっと話しかけづらかったんだもん。カインにぃちゃん機嫌悪かったし、『自分に近づくな』オーラ強かったから。」

「……それはごめん。」


そんな2人のやりとりを、木の陰から仲間たちが見守っていた。


おわり 
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