え、ヒロイン?そこに倒れてますけど 

keima

文字の大きさ
1 / 1

本編

しおりを挟む



「「みつけた~~~!!!」」」
「ゴフッ!?」
下校中、背後からそんな叫び声が聞こえたと思ったら、一緒にいた友人が突き飛ばされ、私は顔面数値の高そうなイケメン達に囲まれていた。 
「「「やっと見つけたぞ、彼女はどこだ!!!どこに隠したんだ!!!」」」 
「・・・・・はっ?」 
いきなり現れたイケメン3人組は私を見るなりそう言い放った。
 「しらばっくれるのか?」 
「アナタが彼女の幼馴染だってことは分かっているんですよ。」 
「そーだ、そーだ。」 
「はっ?てか、アンタら誰?」
 訳も分からないことばかりを喚き散らすイケメン達の制服は都内でも有名なお金持ち学校の制服モノだが、全く心当たりが無いが、彼らの言う「幼馴染の彼女」にちょっと引っかかった。
「それって・・・」
チラリと彼らの背後を のぞき込もうとしたとき、とんでもない爆弾を落としてきた
「「「彼女は俺/僕たちのヒロインなのに!!!」」」
 「・・・・・・・・はあ!?」 
イケメン達によると、彼らの前世は恋愛シュミレーションゲームの登場キャラクターで、そのゲームで彼らは新入生の女子生徒ヒロインと出会い、様々なイベントを通して交流するうちにやがて彼らの中の一人と結ばれるというストーリーで、その女子生徒ヒロインの生まれ変わりが私の幼馴染らしい。
今世では待てど暮らせどヒロインが現れないため調べた結果、彼女が別の高校に通っていると知り、同じ高校に通っているヒロインの幼なじみである私に突撃したらしい。 
「いや、それを私に言われても・・・・」 
「お前、俺たちも同じ転生者だろう!! だから彼女を俺たちに合わせないように志望校を変えたんだろう!!」 
「彼女がいないせいでイベントが全然起きないんですよ!!」
「彼女はどこ?僕たちのヒロインをどこに隠したの!!」
ギャーギャーと好き勝手に騒ぐ彼らがあまりにもうるさすぎるので、とりあえず彼らに教えてやることにした。

 「隠すも何も………………………………………………………そこにいるんだけど。」 
「「「はっ???」」」 
「だ~か~ら~、あんたらの言うヒロイン。さっきさからずぅ~~~~っと、あそこで倒れてますけど。」 
「「「えっ……???」」」  
 そう言って、彼らに突き飛ばされて倒れたまま動かない友人もとい、幼なじみであるひなみんこと依知川いちかわ陽波ひなみを指差した。 
「ひなみ~ん、大丈夫~?生きてる~~?」
 「うぅ~ん………」 
声をかけると、地面に顔を突っ伏したままだったひなみんは呻き声を出し、顔をあげると長い髪の毛がバサリと顔を覆い隠す。 
「うぅぅ……」
 じわりじわりと手を動かし這いずりながら三人組に近づいていくその姿は某ホラー映画のテレビから出てくるあの幽霊みたいだ。
 「うぅぅ……うぅぁぁ………」
 某幽霊さながらに這いずりながら近づいてくるひなみんに彼らの顔は体は震え、顔色も真っ青だ。
「ぅうううぁああ!!」
「「「ひっ……ひぎゃああ~~!!!」」」 
ひなみんへの恐怖からとうとう耐えきれなくなった彼らは悲鳴を上げて逃げだしていった。

「……………ひなみん、やり過ぎ。」
 「エー、そ~お~。」
とのほほんとした口調でひなみんはムクリと起き上がると顔を覆っていた髪を後ろに流し、ヘアゴムで一括りにまとめた。
「しっかし、ひなみんがヒロインって・・・………………………………ないわあ~~ぜぇ~~たいないない!!」  
見た目はサラサラストレートの髪と体つきが細い上に肌も白いため儚い美少女の印象があるが、実は超がつくほどの虚弱体質で、ちょっと歩いただけでもすぐ疲れてしまうほど絶望的に体力がなく、さっきイケメン達に突き飛ばされた時もそうだが、軽く触っただけで倒れ込んでしまうほどのひ弱っぷりだ。
「ひなみんさ~、さっきのイケメン達の中で付き合いたいなぁって思える人いる?」
私の問いにひなみんは間髪入れずに「いない。」と即答すると続けて
「だって私、あんなキラキラしたイケメンよりも顔の濃いボディービルダー系が好きだから。あの3人は私のタイプじゃないし、それに……自分の前世はゲームのキャラクターって言っている時点で厨二病の痛い人にしか見えないから余計に無理!!」

「…………うん、ひなみんらしいね。」
「あぁ、でも…あのイケメン3人組は面倒くさいから2度と来て欲しくないね。」
「そうだね。私もできれば関わりたくない。」




そのあとしばらくはあの3人組がまた突撃してくるのではと危惧していたが、私達の願いがかなったのかひなみんにビビったのか分からないが、イケメン3人組がその後現れることはなかった。


「「「○子コワイ○子コワイ、ヒロインでも貞○は怖いよぉぉ~~!!!」」」
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

阿里
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

ちゃんと忠告をしましたよ?

柚木ゆず
ファンタジー
 ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。 「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」  アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。  アゼット様。まだ間に合います。  今なら、引き返せますよ? ※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

双子の姉に聴覚を奪われました。

浅見
恋愛
『あなたが馬鹿なお人よしで本当によかった!』 双子の王女エリシアは、姉ディアナに騙されて聴覚を失い、塔に幽閉されてしまう。 さらに皇太子との婚約も破棄され、あらたな婚約者には姉が選ばれた――はずなのに。 三年後、エリシアを迎えに現れたのは、他ならぬ皇太子その人だった。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

処理中です...