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婚約破棄を告げたらどうなる?
しおりを挟む「伯爵令嬢!!身分を笠に平民の娘を虐めるお前にほとほと愛想が尽きた。俺はお前との婚約を破棄し……「「「「うおおお~~~~!!!!」」」」うおっ………なっ、何だ!?」
若き高位貴族の子息が婚約者に婚約破棄を告げようとした直後、屈強な男たちが現れ、若き貴族子息を取り囲んだ。
「「確保ぉぉぉお~~~!!!!」
「「「エッホ!!エッホ。エッホ!!」」」
「ぎぃやぁぁ~~!!」
男たちに担ぎ上げられ、貴族子息は叫び声を上げながらそのまま消えていった。
「………って感じですか?」
「・・・・・・うん。ちがうと 思うぞそれ。」
ニコニコとした表情でするロゼットに、レオンは呆れたように自分の額に手を置いた。
今朝、レオン達の働く第3者意見司法機関の局長が来年から婚約破棄に対する罰則をさらに強化することを発表した。
その日の昼休み、ロゼットはレオンに罰則が強化したらどうなるのかと尋ねたところ、レオンは少し逡巡しながら、まだ確定ではないが、今までの罰則に加えて新しい罰則が増えるのではないかと解答した。
「新しい罰則ってなんなんでしょうね?」
「う~ん。それは俺もわかんないなぁ………」
「あっ、たとえばこんな感じですか?」
と言って提案したのが、冒頭のアレだ。
「違うんですか?あっ、じゃあこれは・・・・?」
「公爵令嬢!!貴様との婚約を破棄し……」
ガコン
「………………へっ!?」
婚約破棄を宣言しようとした瞬間、青年の足元の床だけが抜けた。
「あああぁぁぁ~~!!!」
ピューッという音とともに、青年は床底へと落ちていった。
「って言うのはどうでしょうか?」
「それはただの罰ゲームだろう。」
「ええ~、じゃあ・・・・・」
「お前のような面白みのない女はオレに相応しくない。この場でお前にこんや……「女の敵~~~!!」ん?」
男が長年の婚約者に 婚約破棄を宣言する途中で、後ろからドドド……という音とともに、無数の釘が打たれた棍棒を持った女性達が突撃してきた。
「天誅~~!!!!」
「あ~~~~れ~~!!」
釘棍棒を持った集団によって、男はボッコボコのギッチョンギッチョンにされてしまった。
「どうですか!?」
「……何か聞いたことある話だなぁ……」
「ん~・・・じゃあここれは・・・・・?」
「真実の愛に目覚めた。よって、貴様との婚約を破棄……「かまえろ~~!!」ん?」
婚約を破棄すると宣言した男が周りを見回すと、いつの間にか長筒型火炎弾発射器を持った女性陣に取り囲まれている事に気づいた。
「発射~~!!」
その叫びとともに引き金を引くと、無数の爆発音と男の「アッギャァァ~」という悲鳴が響き渡った。
「………ちょっと待て。何かバイオレンスになってないか?」
「あっ、それじゃあ……」
「メリケンサックでフルボッコもダメだからな!!」
「まだ私、何も言ってませんよぉ~~。」
「あのなぁ……罰則ってそんなんじゃないならな。ていうか、お前ただ面白がっているだけだろう。」
まったく・・・・と腰に手を当て呆れた表情で部下を見ると、図星だったのか、ロゼットはレオンから目をそらした。
「それにしても・・・婚約破棄に対する罰則が更に厳しくなりますね。」
「ああっ、国家中央聖教会機関も昨今の婚約破棄の状況を重く受け止めたらしく、今回の罰則も教会の最高神職者からのお墨付きだそうだよ。」
「ええっ!?・・・聖女聖下の?」
国家中央聖教会機関。この世界の宗教や教会をまとめあげる組織で、そのトップの最高神職者が教皇と呼ばれ、女性の教皇の場合は聖女と呼んでいる。
「聖下とウチの国王は、この婚約破棄をテロの一種ではないかと思っている。だから今回の罰則強化を許可したんだよ。」
「・・・・・まさか、婚約破棄が教会が絡むほど深刻化するなんて・・・」
1冊の本がきっかけで、流行しはじめた婚約破棄の波が国や教会までも巻き込むことになるとはだれが思ったのだろう。
「・・・・まあ、いずれにしろまだ1年あるし・・・・・・・・・ただひとつ言えるのは、この罰則強化で俺たちの仕事がさらに増えないかが不安なんだけど~。」
「あ~~、そうですねぇ………」
罰則強化はまだ1年先の話だが、また自分たちの仕事が増えるのではないかと思うと、少しだけ気が重くなり、深いため息を吐くレオンとロゼットであった。
「「は~~~~あ~~~~」」
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