「私に愛まで望むとは、強欲な女め」と罵られたレオノール妃の白い結婚

きぬがやあきら

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闇の力

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「いいか、これよりセレスがお前たちを連れてノーキエ城を脱出する。一度に運ぶ人数は5人だ。5人でひとまとまりになり整列しろ」

 この作戦自体は、レオノールが旅立つ前に話し合っていた通りだ。

 コールヴァンの動きが制限されるため、時間はかかるが段取りは変わらない。

 セレスたちの反論がないのを見てとって、クラウディオは指示を出した。

 中には「まだ戦える」と主張する者もいたが、却下する。

「お前たちも知っての通り、奴の目的はレオノールだ。どれほどの脅威かは未知数だが、お前たちが残っていたらレオノールは全力で戦えない」

 前面で抗議したエヴァは、悔しそうに拳を握り締める。

「それがレオノールの望みであり、俺の判断だ。悔しさは充分にわかるが、我慢してくれ」

 エヴァのみならず、この場にいる誰もが同じ気持ちだろう。

 それでも皆、大人しく指示に従った。

 クラウディオは騎士たちを小分けに5つのグループに分け、脱出させる。

 手を重ねた5人にセレスが触れ、ふっと姿が掻き消えた。

 次の瞬間、再び地下を大きな揺れが襲った。

「クラウディオ様、武器を……」

 崩落の危機を懸念していると、並んで警戒を強めていたブルネンが、クラウディオを促す。

「奴さん、気づいたようだな。頼むから粘ってくれよ」

 ブルネンと共に、コールヴァンへ向かいうなずく。

「お前たちは万全でない。何が起ころうとも今は脱出を優先するように!」

 待機する騎士たちに念を押すと、クラウディオはブルネンと共に一方へと急いだ。

 初めは理由がわからなかったが、すぐにゾロリゾロリとうごめく気配が近づいてきた。

 薄闇から姿を現したのは、魔物の一群だ。

「来たぞ、ブルネン」

「任せろ。こんな連中は久々で張り切ってしまうな」

 クラウディオの声掛けに、ブルネンは上機嫌で答え、持参した得物を抜き放つ。

 双刀のアックスソードだ。

「ひと暴れして、レオの負担を軽くしてやろう」

 蛇のような形の魔物や、角を持つ二足歩行の獣、異形の多種多様な魔物が、ゴボゴボと音を立てて湧き出ている。

 ブルネンは不気味な怪物を目の前にしながら、実に爽やかに微笑んだ。

 その笑みも消えないうちに、ブゥンと豪快な一振りで先頭の2匹を切り伏せる。

「一本道ですから、先頭は俺が切り崩します。クラウディオ様は援護を」

「承知した」

 クラウディオもスラリと剣を抜く。

 勇者パーティのメンバーの技量がどれほど優れていようと、遅れは取るまい。

 クラウディオとて有事に備え、日々鍛錬を重ねてきた騎士の一人だ。

 ブルネンが雑魚を薙ぎ払い、クラウディオがその後ろに控えては、飛びかかる相手を切り捨てる。
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