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憂鬱な日々
しおりを挟む「はぁ……」
優馬に振られてから2年。俺は未練タラタラだ。せめて、別れる理由を言わないで欲しかった。そうすれば、しょうがないって思って、優馬のことを忘れられたかもしれない。
ずっと頭の中でリピートされてるあの言葉。
『幸せにしたいって俺を思わせたやつなんだ。』
俺にはそう思わなかったの?が、ずっと自分の中にある。
あの幸せで、楽しかった日々はもう二度と帰って来ない。よく笑って、常に笑顔を絶やさない俺が、今では消えた。喫茶店の店員で、接客業だから、仕事柄笑うことはあるけど。それは偽りな訳で。心から笑ったことなんて、別れてから一度もない。
今日も、無感情のまま出勤。憂鬱な日々をただ過ごすだけ。年をとるだけ。季節とかもどうでもよくなった。ただ、死にたいとは一度も思ったことはない。大切な家族がいるし、どこかで新たな出逢いがないかと期待してる自分がいるからだ。……まぁ、ないだろうけどな。
「いらっしゃいませ。」
「いつものお願いします。」
「かしこまりました。」
憂鬱な日々だけど、最近ちょっと気になり始めてることがある。それは、1ヶ月前からこの店に来て下さる方がいて、高身長イケメンさんだ。優馬も高身長でイケメンだったけど、この方はオーラがある。笑った時にできるえくぼが魅了的で、カッコイイのについ可愛いと思ってしまう。
「お待たせしました。」
「どうも。」
ヤバい。このちょっと控えめに笑った感じが凄くカッコイイ。モデルさんみたい。
ついつい顔を見すぎちゃうのは俺の癖で、直さないとと思ってるんだけど、無理で。
これ以上この人の顔見てたら爆発するから、早く戻ろう。
「あっ、待ってください。」
「はい……?」
「あの、いつも辛い顔をされているので、俺で良ければ話聞きますよ。あと無理に笑わないでください。」
「は?」
すんごい分かってんじゃん。でも、嬉しい。優し過ぎる。本当は、気持ちだけ受け取って断りたいけどこの機会を逃す訳にもいかなくて、お言葉に甘えちゃおうかな。
「じゃ、じゃあお話聞いてくれますか?」
「はい。なんでも聞きますよ。」
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