Flower Chain

.つくシ

文字の大きさ
1 / 4

始まりの国

しおりを挟む
 人には持つべき適性がある。それは剣を奮い自ら死戦を切り開く者けん、その頑丈さや力の強さから皆を守る者たて、明晰な頭脳を持って戦いを優勢へと導く者さく、1つの音を立てる事なく戦場で翻弄する者かげ、1つの集まりをひと声でまとめ上げる者、に大きく分類される。しかしどれをとっても1つで成り立つ事は出来ない。その異なる適性の集まりのチームを、強固に繋がり合いながら大きな力を発揮することにちなみ、人々はチェーンと呼ぶ。
 どこまでも果てしない荒野そこに争いは起こっていた。
「勝利は我らのために!」
《我らのために!!》
「よぉくきけ!お前らあいつらは女だけだと侮るなよ。戦況は完全に劣勢だ。しかし!ここを突破されるという事は俺たちの国が突破されるという事だ。それは断じてならない!!」
「そうだ!あそこには置いてきた家族がいる。神の加護を受けし民族だかなんだか知らないが俺たち国が一丸となれば追い返す事くらいはできるはずだ!」
一方は背後に守るべきものを置いて受ける者たち。
「あら、やだ男たちってば、むさ苦しいこと」
「ふっ、やたら士気が高いだけのチェーンの集まりごときにアタイらを倒せるわけないだろう」
「あら、それもそうね早いところ盛ってしまおうかしら?」
もう一方はいち国のチェーンの集いを前に怯むどころか優勢に事を運ぶ1つのチェーン。
「さぁ、天罰の始まりだ」
「楽しみだナ」


「ねぇ!聞いてる?」
「え??なになに」
「またそうやって椿は人の話を聞かない!だから!天罰。あったんだって」
天罰。それは国ならざる者たち、空域に住う空人そらひとによる地域に住う人々地人ちひとへの攻撃である。空域と言っても本当に空に住んでいるわけではない。空人はまた別の世界からやってくるのである。それはゲートにより空間と空間を繋げる空人の空間を司る民族の秘技である。その地人と空人の力の差は歴然と言われているが空人は滅多に地人を虐げる事はしない。なぜなら互いに極度な干渉をしない事を取り決めているからである。
「へぇ~天罰かぁ。それはまたどこぞの犯罪チェーンだ?」
「それが、今回の天罰の対象はフロリア王国。国なの。」
「国だって!?それはどこから話を飛躍させたんだ?空人が国を相手にするなんて。そんなのガイアが黙ってるわけ無いじゃないか!」
「うん、そうなの。その天罰の最中ガイアの人たちが現れて空人は天罰をやめて帰ってったって話だよ」
ガイアとは地域の人々を裏から、表から守る地人の組織である。それに対して空域にはウラノスという組織が存在する。この2間で結ばれた物が先ほどのお互いに極度に干渉をしない。という件である。
「それはそうとストックの適性はなんだったの?」
「私?私はね、、妻。それも椿の!」
「な、な、なにを言ってるんだストックは、、」
椿は幼なじみだけど最近はやたらとこういうジョークを言ってくるんだよなぁ。ま、まぁ短く整えた綺麗な白髪、凛々しながらも幼さを残す顔は素晴らしいけど?ちょっと、恥ずかしい。
「本当はなんだったのさー。」
「ふへへ、ひみつー!」
「なんでだよ!!」
俺たちのいるブレイン国では15になると適性を見定められることになっている。適性はその15年間にどのように生きてきたかが大きく関わると言われているからだ。
「椿も15で大人になったら適性見てもらうんだからそん時に教えてあげるー!」
「そーかい、そーかい」
俺もあと25日経てば15になる。そうすれば大人の仲間入りだ!
そう思うと俺は胸の高鳴りを必死に抑え、ストックにプレゼントを渡すことを思い出した。
「あ、これ大人になったお祝い!」
「うわぁ!綺麗な指輪ー!」
それはバラをかたどった指輪であった。
ストックはすごい喜んでくれていたがその瞬間ストックの顔は曇った。
「でも、これ高かったんじゃないの?大丈夫?」
「大丈夫だよメルがストックの為だからって格安で作ってくれたんだ」
メルとは、この国1位を争う武器職人だ。
「あら、こんなすごい指輪どこで手に入れたんだー?」
ウワサをすればなんとやらである。芝居がかった登場をしたのがメル。
「本当に嬉しいです!ありがとうございます!メルさん!」
「礼には及ばんよ一生で1度きりのことなんだメルおねぇさんがひと肌でもふた肌でも脱ごうじゃないか!それに最低限の代金は頂いてるしね」
「ほんとだよメルのおかげさまですっからかん。まぁでも喜んでくれて良かった」
メルは争いによって奪われた親の代わりとしてとてもよくしてもらっている。なんでもメルは俺のお父さんの古くからの知り合いなんだそうだ。メル自身も今は武器屋だが昔は一流チェーンのメンバーでAランク剣士だったらしい。

《ランクとはその適性の中でガイアが戦果等を元に付ける1つの強さの指標となるものAからFまで存在し、特に秀でた者をSランクと認める場合もある。》

「ささ、今日はストックのお祝いだよ!」
「ありがとうございます!」
その時のストックの笑顔は空に輝く星々のように綺麗だった。

それから二十日ほど経ったある日事件は起きた。国家間の争いは滅多に無いもののないわけでは無い。俺たちブレイン国にアムル帝国が進軍してきたのだ。全100チェーンに及ぶ軍隊であったがブレイン国の精鋭チェーンたちにより難なきを得たが数日続いた戦いにより国家は疲弊していた。そこに奴らは現れた。
「ご機嫌いかが?地人ども」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

『紅茶の香りが消えた午後に』

柴田はつみ
恋愛
穏やかで控えめな公爵令嬢リディアの唯一の楽しみは、幼なじみの公爵アーヴィンと過ごす午後の茶会だった。 けれど、近隣に越してきた伯爵令嬢ミレーユが明るく距離を詰めてくるたび、二人の時間は少しずつ失われていく。 誤解と沈黙、そして抑えた想いの裏で、すれ違う恋の行方は——。

乙女ゲームは始まらない

まる
ファンタジー
きっとターゲットが王族、高位貴族なら物語ははじまらないのではないのかなと。 基本的にヒロインの子が心の中の独り言を垂れ流してるかんじで言葉使いは乱れていますのでご注意ください。 世界観もなにもふんわりふわふわですのである程度はそういうものとして軽く流しながら読んでいただければ良いなと。 ちょっとだめだなと感じたらそっと閉じてくださいませm(_ _)m

君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】 ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る―― ※他サイトでも投稿中

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。 ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

処理中です...