Flower Chain

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空人襲来

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 先の戦いにより疲弊したブレイン国に前に現れたのは7人の女たちだった。
あいつらは一体誰だ。敵か?それとも。
「な、なんでお前らがこの国にきてるのさ!」
その一団に声を張り上げだのはメルだった。さて、この人たちはメルの知り合いなのだろうか。見る限りでは決して仲が良いとは思えないけど。
「くっ、、皆んな戦える者は剣を取るんだよ。そうでないものは後ろを振り向かずにそのまま走れ!!」
一段と声を張り上げるメル。そのメルを見て剣を取る国民たちと立ちすくむ国民たち。俺は後者だった。すると7人の中で一人が口を開いた。
「あなた私達と会ったことあるのですか?生憎だけど地人なんて会話した記憶すらないわ」
「お前達は覚えてなくても私は覚えてるさ空人さん」
「あら、そうですのね。じゃあ、死になさいよ。」
辺りは不穏が包み込む。体が、重い。
「椿、ストックを守るんだよ。お前が守らないで誰が守るんだ」
「メル、、」
「分かってないようなのですが。誰も逃がしませんよ?まずはその過去の汚点から。ふふっ」
50メートルは離れていたように思えた。その距離を瞬きをして目を開ける頃には。もう彼女の刃はメルの身体を切り裂いていた。
「あら、案外柔らかいですのね。老い、、かしら?」
「おい、なに先走ってんだ」
その後ろから新たな女性が現れた。赤色の短めの髪。その人も空人なのだろうか。
「つ、椿!め、メルさんの体が、、」
少し取り乱したストックがメルを指差す。メルを見た俺は言葉を失った。
今斬られたばかりだと言うのにその身体は見るに耐えないほどに朽ちていた。
「なにを、怖がっているのかしら?こんなにも素晴らしいではないですか?朽ちていく姿は何故こんなに美しいのでしょう。この地人は特に美しかった。褒めてあげますわ。ふふっふふふふ」
そう笑うと彼女は恍惚な表情を浮かべた。
「ふざけんな。」
「ん?そこの坊や。なにかいいましたか?」
「何が美しいだよ!なにも美しくなんて、無いじゃないか!」
「あなた、永久に咲き誇る花は美しいと思いますか?」
なにを言ってるんだこいつは。永久?花?なんの話か全くわからない。
「答えはNOですわ。最期には儚く散る。だから美しいのですわ。そんなこともわからないなんてやはりおこちゃまですわね。死になさいな」
次の瞬間目の前まで彼女は詰めてきていた。その時俺は押されて倒れ込んだ。なんだ。なにが起きたんだ。
生命防御ライフシールド!」
目の前にはストックの姿があった。彼女の攻撃をストックは受け止めていた。
「やりますわね。でも生命防御は命を削って使う最大の防御。これでおしまいよ。侵食しなさい。トリカブト!」
ストックの防御を伝って負のオーラがストックの足を包むとストックは倒れ込んでしまった。
「つ、つば、き。生きてて良かった。」
彼女の足は動かない様子であった。
「俺は生きてるから!おい!ストック!逃げるぞ!立てよ!」
「私、動かないの。もうダメみたい」
「ダメじゃない!俺がおぶってでも行くからな!」
「あーあ、せっかくこんなに良いもの貰ったのになぁ残念。」
そう言うとストックは自分の指輪を外すと俺の手に握らせてきた。
「大丈夫、これからも私はずっと椿の近くにいるよ。絶対に守ってあげるからね」
すると負のオーラはストック全体を包み込んだ。
俺はどうすることもできなかった。
「おい、お前たちまたこんなところでなにをしているんだ?皆のもの!フラワーチェーンを今度こそひっ捕らえよ!」
「ガイアが来ましたわ。坊や命拾いしたようですわね。それとその彼女の死に様とても素晴らしかったですわ。わたくし、まんぞく。」
そう残し彼女らは空間に歪みを作りそこに消えていった。
「くそっ!またやられたか!なんとかしてゲートを無効化できないだろうか。君、大丈夫かい?私はガイアのアカネ=ワコムだ。」
おれは何もできなかった。メルにはストックを守るように言われ手を引いて逃げ出すこともできず、そのストックは俺を庇って、、くそっ!くそっ!俺は、何も出来なかった。
俺は夢中で走りそこを後にした。

あれから2日後の事だった。ガイアもとっくにいなくなり疲弊に、疲弊が重なり国全体の空気が重くなっていた。そんな時にまたアムル帝国が進軍してきたのだ。抵抗する力を十分に持っていなかったブレイン国はこの日を持って地図上から姿を消した。
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