Flower Chain

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栄光の戦士

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 俺は故郷から逃げた。その途中で追っ手に倒されていく見知った顔たち。俺は後ろを振り返ることはできなかった。そして最後には俺の前にも横にも後ろにも見知った顔は居なくなっていた。
俺は、俺には何も出来なかった。命をかけて救ってくれたメルとストック。なんで、なんで俺だったんだ。なんで俺を、何も出来ない俺を助けたんだ。

 気がつくとそこは小さな村であった。その村には検問はなくのどかに人々が草木を集め細々と暮らしていた。
「おにいちゃん、だぁれ?」
1人の男の子が話しかけてきた。
「おれかい?おれは、おれは一体なんなんだろうね」
その村の人々はとても優しかった。どこの誰かも教えない俺に対して他の村人と同じように接してくれた。だが俺が笑うことは無かった。泣くこともなかった。ただ、ただそこにいた。
 数日がたったある日のことその村にある一行が姿を現した。
「ごきげんよう。村の方々。私たちはガイアより参りました。名をアイリスと言います」
「俺はグロリオサだよろしくな」
「これはこれは、こんな辺境の地にガイア様がいったいなにようで?」
ガイアだったのか。こんなハズレもいいところの町でもないただの村に一行で現れるとは本当になにがあったんだろう。
「ここからは私がお話致します。数日前のことです。とある国が滅びました。それはここから少し離れたところにあるのですが、なんでも隣国から攻められ跳ね除けた時に空人による天罰。それも我々ガイアにより跳ね除けたのですが。我々が帰った矢先にまた隣国から攻められた。みたいなのです」
ざわつく村人たち、そして間違いない。その国とは旧ブレイン国だ。なんでそんな話をわざわざしにきたのだろうか。
アイリスはひと呼吸おくと次に話し始めた。
「我々は空人とその隣国はグルだったのではないかと考えています」
なんだって、、あいつらとアムル帝国がグルだっただと。
「そして先日またも空人による天罰が行われました。そこでもまた国が一つ失われました。ただ国を落としたのは紛れもなくアムル帝国です」
あ、アムル帝国、、そこでも空人とアムル帝国が出てくるのか。
「アムル帝国はなにを考えているんですか?」
「あなたは?ここでは見かけない顔ですね」
「失礼しました。俺は、いや私は椿、旧ブレイン国の元国民です」
「お前、ブレインの子だったのか」
そこで最初に口を開いたのはグロリオサだった。俺の顔をじっと見ると硬い顔から少し解けて優しい笑顔で続けた
「お前の適性はなんだ?」
「適性は、わかりません。まだ見極めてもらっていないからです」
それを聞くとグロリオサは少し考え、「そうか、、なら俺について来い」
と言い放った。
そのまま俺はグロリオサに連れられるままに道を歩んだ。他のガイア一行と共に。
 
 
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