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第一章
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私が街中をゆっくりと歩いていると、知らない女性が話しかけてくれた。
「何か困っているのかい?」
「いえ、…あの……何でもないです…。」
「何か訳ありのようだねぇ。……よしっ!あたしの家に来な!」
「えっ!…ご迷惑では……?」
「そんなことないよ!あんたみたいな可愛い子が来てくれたらあたしの店も賑わうだろうよ!」
「店?」
「宿屋兼飲食店だよ。今、最近できた近くの他の店に客を少し取られてねぇ。困っているんだ。手伝ってくれるかい?」
「!!はいっ!ありがとうございます!」
「いいってことよ!困った時はお互い様だよ!」
どこの誰かも知らない私を助けてくれて、仕事もくれて………
まだ私は必要とされているんだ……!
決めた!私は、私を必要としてくれたこの女性のために精一杯恩返しをしよう!
***
ーある宿屋の入り口前ー
「ここがあたしの店だよ。あたしの名前はリズだよ。この店は旦那のマイクと一緒にやっているんだ。顔はイカついけど、いい奴だから怖がらないであげてね。」
「はい!分かりました。私はメアリーと言います。よろしくお願いします!」
「うん。いい返事だね!じゃあ早速中に入って説明するよ。」
***
ーその頃、王宮ではー
「待ってください、父上!」
「なんだ。ワシはもうお主に用はない!」
「何故私が王太子の座を降ろされねばならないのですか!」
「『何故』だと!?お主が勝手にメアリー嬢との婚約を破棄したからだ!……彼女の努力が無駄になってしまった…。彼女に悪いことをした……」
「父上が謝ることではありません!全てあいつが悪いのです!」
「黙れ!彼女に非は何一つもない。きちんと証言の裏を取ったのか!?」
「ですが、アンナが……」
「そのアンナが嘘をついているのかもしれないだろう!?きちんとお主自身で確認を取って欲しかった……。」
「そんな……それでは、私は……罪なき者を…追放したのか……?」
「お主には心底失望した…。しばらく謹慎していろ!」
「はい……」
***
「メアリー……すまなかった…。お前の話を聞こうとしなくて……。もう一度あなたに会いたい…。そして謝りたい……。どうか……無事でいてくれ………。」
「何か困っているのかい?」
「いえ、…あの……何でもないです…。」
「何か訳ありのようだねぇ。……よしっ!あたしの家に来な!」
「えっ!…ご迷惑では……?」
「そんなことないよ!あんたみたいな可愛い子が来てくれたらあたしの店も賑わうだろうよ!」
「店?」
「宿屋兼飲食店だよ。今、最近できた近くの他の店に客を少し取られてねぇ。困っているんだ。手伝ってくれるかい?」
「!!はいっ!ありがとうございます!」
「いいってことよ!困った時はお互い様だよ!」
どこの誰かも知らない私を助けてくれて、仕事もくれて………
まだ私は必要とされているんだ……!
決めた!私は、私を必要としてくれたこの女性のために精一杯恩返しをしよう!
***
ーある宿屋の入り口前ー
「ここがあたしの店だよ。あたしの名前はリズだよ。この店は旦那のマイクと一緒にやっているんだ。顔はイカついけど、いい奴だから怖がらないであげてね。」
「はい!分かりました。私はメアリーと言います。よろしくお願いします!」
「うん。いい返事だね!じゃあ早速中に入って説明するよ。」
***
ーその頃、王宮ではー
「待ってください、父上!」
「なんだ。ワシはもうお主に用はない!」
「何故私が王太子の座を降ろされねばならないのですか!」
「『何故』だと!?お主が勝手にメアリー嬢との婚約を破棄したからだ!……彼女の努力が無駄になってしまった…。彼女に悪いことをした……」
「父上が謝ることではありません!全てあいつが悪いのです!」
「黙れ!彼女に非は何一つもない。きちんと証言の裏を取ったのか!?」
「ですが、アンナが……」
「そのアンナが嘘をついているのかもしれないだろう!?きちんとお主自身で確認を取って欲しかった……。」
「そんな……それでは、私は……罪なき者を…追放したのか……?」
「お主には心底失望した…。しばらく謹慎していろ!」
「はい……」
***
「メアリー……すまなかった…。お前の話を聞こうとしなくて……。もう一度あなたに会いたい…。そして謝りたい……。どうか……無事でいてくれ………。」
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