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黒狼族の青年
1ありふれた異世界転移
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会社からの帰り道。
ゲイであることを隠しつつ、仕事場と自宅との生き返りを繰りかえすルーティンワーク。
いつもと変わらない退屈な田舎の風景だが、そんな俺の日常は唐突に終わった。
ぼーっと空を眺めながら歩いていると、急に襲ってくる浮遊感。
「うわっ!!」
と咄嗟に姿勢を正そうとするも、上手く体が制御できずに地面にしりもちをついてしまった。
「痛ってぇー。なんなんだ急に……」
辺りを見回すと、そこはいつもの帰り道とは違う見知らぬ風景。
見渡たす限りの草原が広がっており、そこを1本の街道のようなものが突っ切っている。
「これは……」
もしかして最近ラノベで流行の異世界転移というやつではなかろうか。
普段、ゲイ物のエロサイト見て自慰行為に勤しむ以外はネット小説を読むくらいしかやっていない俺は、咄嗟にそんなことを考える。
「いやいや待て待て、焦りは禁物だ」
前からずっとラノベを読みながら思っていたことがあった。
もし自分が異世界転移したならば、是非ともあれをやってみたいと。
しかしそれをやると少々外聞が悪いため、まずは慎重を期さねばならない。
もし普通に地球のどこかにワープしたとかであれば、あまり羽目を外し過ぎると先に待つのは身の破滅だ。
「まずは……そうだ。ステータスの確認からだな」
これがもし出てくれれば、異世界決定である。
俺は少々緊張しつつ、お馴染みのあの言葉を唱えた。
「ステータス・オープン!!」
サク・イロハ 25歳
Lv1
筋力 10
体力 10
瞬発力 10
器用 10
魔力 10
スキルポイント 10000
固有スキル
ステータス操作
言語翻訳
アイテムボックス
目の前に現れる1枚のホログラムを見て、俺は思いっきり叫ぶ。
「よし! よしよしよ~っし!!」
勝ったぜ。
とうとう俺も異世界に来てやったぜ。
その事実に俺は思わずニヤニヤしてしまう。
「おっと。そうと分かればこんなところでニヤケている場合じゃないな。まずは早速スキルを確認しないと」
異世界転移のテンプレで言えば、もうすぐモンスターが襲ってくるはずだ。
その前に、対処できる|術(すべ)を用意しておかなくては。
「まずこの固有スキルは所謂初心者セットってやつだな。親切設定でよかった良かった」
ものによっては、何もスキル無しで異世界に放り出されるラノベもあるからなぁ。
読む分にはありだけど、実際に自分でやる分にはお断りだ。
「あとは他のスキルだけど……このスキルポイントって所を操作すればいいのかな? ポチっとな。お、出た出た」
画面をタップすると一斉に表示されるスキルの数々。
俺はそれを流し見ながらスクロールしていく。
「……って多いな」
どんどんとスクロールしていくが、一向に終わりが見えない。
一体どれだけのスキルがあるんだろう。
「剣術なんかの武術系や、火魔法何かの魔法系。あとは気配察知みたいな索敵系もあるな。しかし、これは……」
スキルの横に表示されている数字。
おそらくは必要スキルポイントなのだろうが、それがほとんど1なのだ。
「成長補正とか経験値増加とかは多少桁が違うけど、それでも余裕で取得できる。俺の1万ポイントってかなり破格なんじゃ……ラッキー♪」
ご都合主義万歳である。
皆なんだかんだ言いつつ、結局は俺ツエーしたいものなのだ。
男の子だからね。
「しかし、1万ポイントもあると逆に選ぶのが大変……お?」
俺が贅沢な悩みを呟いていると、スクロールしていく先に現れた”あなたにオススメ”の項目。
なんだろうと思いつつ、俺は迷わずそこをタップ。
すると、そこに現れた光輝く文字。
ハーレム王(攻略対象男) 10000
「お、おぉぉぉ」
思わず変な感嘆の声が出てしまった。
なんて俺にぴったりなスキルなんだ!
俺の望みが全て詰まったようなスキルじゃないか!!
「しかし、10000ポイントかー」
高い。
これでは他のスキルが取れないではないか。
無いのだが……
「ポチっとな」
早速取得する俺。
だってそうだろ!?
ハーレム王だぞハーレム王!
「ふふふ。これで俺の長年の夢だった男だらけの奴隷ハーレムが作れる!!」
舞い降りてきた幸運に浮かれつつ、俺は意気揚々とハーレム王の項目をタップする。
するとそこには驚くべき効果が。
「こ、これは……」
ゲイであることを隠しつつ、仕事場と自宅との生き返りを繰りかえすルーティンワーク。
いつもと変わらない退屈な田舎の風景だが、そんな俺の日常は唐突に終わった。
ぼーっと空を眺めながら歩いていると、急に襲ってくる浮遊感。
「うわっ!!」
と咄嗟に姿勢を正そうとするも、上手く体が制御できずに地面にしりもちをついてしまった。
「痛ってぇー。なんなんだ急に……」
辺りを見回すと、そこはいつもの帰り道とは違う見知らぬ風景。
見渡たす限りの草原が広がっており、そこを1本の街道のようなものが突っ切っている。
「これは……」
もしかして最近ラノベで流行の異世界転移というやつではなかろうか。
普段、ゲイ物のエロサイト見て自慰行為に勤しむ以外はネット小説を読むくらいしかやっていない俺は、咄嗟にそんなことを考える。
「いやいや待て待て、焦りは禁物だ」
前からずっとラノベを読みながら思っていたことがあった。
もし自分が異世界転移したならば、是非ともあれをやってみたいと。
しかしそれをやると少々外聞が悪いため、まずは慎重を期さねばならない。
もし普通に地球のどこかにワープしたとかであれば、あまり羽目を外し過ぎると先に待つのは身の破滅だ。
「まずは……そうだ。ステータスの確認からだな」
これがもし出てくれれば、異世界決定である。
俺は少々緊張しつつ、お馴染みのあの言葉を唱えた。
「ステータス・オープン!!」
サク・イロハ 25歳
Lv1
筋力 10
体力 10
瞬発力 10
器用 10
魔力 10
スキルポイント 10000
固有スキル
ステータス操作
言語翻訳
アイテムボックス
目の前に現れる1枚のホログラムを見て、俺は思いっきり叫ぶ。
「よし! よしよしよ~っし!!」
勝ったぜ。
とうとう俺も異世界に来てやったぜ。
その事実に俺は思わずニヤニヤしてしまう。
「おっと。そうと分かればこんなところでニヤケている場合じゃないな。まずは早速スキルを確認しないと」
異世界転移のテンプレで言えば、もうすぐモンスターが襲ってくるはずだ。
その前に、対処できる|術(すべ)を用意しておかなくては。
「まずこの固有スキルは所謂初心者セットってやつだな。親切設定でよかった良かった」
ものによっては、何もスキル無しで異世界に放り出されるラノベもあるからなぁ。
読む分にはありだけど、実際に自分でやる分にはお断りだ。
「あとは他のスキルだけど……このスキルポイントって所を操作すればいいのかな? ポチっとな。お、出た出た」
画面をタップすると一斉に表示されるスキルの数々。
俺はそれを流し見ながらスクロールしていく。
「……って多いな」
どんどんとスクロールしていくが、一向に終わりが見えない。
一体どれだけのスキルがあるんだろう。
「剣術なんかの武術系や、火魔法何かの魔法系。あとは気配察知みたいな索敵系もあるな。しかし、これは……」
スキルの横に表示されている数字。
おそらくは必要スキルポイントなのだろうが、それがほとんど1なのだ。
「成長補正とか経験値増加とかは多少桁が違うけど、それでも余裕で取得できる。俺の1万ポイントってかなり破格なんじゃ……ラッキー♪」
ご都合主義万歳である。
皆なんだかんだ言いつつ、結局は俺ツエーしたいものなのだ。
男の子だからね。
「しかし、1万ポイントもあると逆に選ぶのが大変……お?」
俺が贅沢な悩みを呟いていると、スクロールしていく先に現れた”あなたにオススメ”の項目。
なんだろうと思いつつ、俺は迷わずそこをタップ。
すると、そこに現れた光輝く文字。
ハーレム王(攻略対象男) 10000
「お、おぉぉぉ」
思わず変な感嘆の声が出てしまった。
なんて俺にぴったりなスキルなんだ!
俺の望みが全て詰まったようなスキルじゃないか!!
「しかし、10000ポイントかー」
高い。
これでは他のスキルが取れないではないか。
無いのだが……
「ポチっとな」
早速取得する俺。
だってそうだろ!?
ハーレム王だぞハーレム王!
「ふふふ。これで俺の長年の夢だった男だらけの奴隷ハーレムが作れる!!」
舞い降りてきた幸運に浮かれつつ、俺は意気揚々とハーレム王の項目をタップする。
するとそこには驚くべき効果が。
「こ、これは……」
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