瓜目トンネル

たくみん

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2章 瓜目村

故郷

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 午前5時

 季節は秋から冬に変わる頃、太陽はまだ出ておらず外はまだ暗い。
 山の中小さな村なので、気温は他よりも低く、朝は凍るように寒い。
 「ゆうじ!!起きなさい!!」
 いつも聞きなれた声が耳に通って脳に伝わる。
 目が覚め、体を起こそうとするが、毛布をかぶってるのにも関わらず、体が冷え切っていて思うように動けない。
 「あと5分だけ~」
 よくある定型文で返事を返し、起きる準備をするのだが、いつも1回だけでは足りない。
 5分後
 寒い中、体を起こし、階段を降りて家のリビングへと向かう。 
 目の前には父がコーヒーを飲みながら朝食を食べていて、台所に母がお弁当を作っている。
 「おはよ~はぁ~」
 後ろから妹が大きなあくびをしながら出てきた。
 用意されている朝食を済ませ、歯を磨いて、服を着替えて、学校に行く準備をする。

午前7時30分

 家を出て学校へ向かう。
 外は寒く、息を吐く度にでる白い息が目に映る。
 登校中に友人のシンとカイキに会った。
 「おはよーゆうじ!今日も眠そうだねぇ」
 「おはよーカイキ。朝からお前は元気だなぁ。」
 カイキは朝から晩まで元気でうっとうしい時もあるが、クラスでは人気者で人望が厚い。
 「はぁ~」
 それに比べてシンは大人しく何を考えているのかわからないが、頭が良く頼りになる友人だ。
 そんなこんなでいつもと変わらない日常をすごす………………………………はずだった…。

午前9時

 学校のチャイムが鳴り響き、生徒は皆、椅子に着席し、ドアから先生がはいってくる。
 「みんなおはよう。実は大切なお知らせがあります。」
 「え、なに?」
 「なんだろ」
 「転校生とか?」
 みんな小声で疑問を抱えてながら話している。
 先生の顔は険しく、良いものではない事はすぐにみんなわかった。
 「えー、実は昨夜、クラスの霧里さんが亡くなりました……」
 「え……」
 みんなは驚きが隠せなかった。
 突然の友達の死を告げられ、みんなは黙っているばかりだった。
 朝のホームルーが終わり、1時間目が始まる前の10分休みで、みんなはざわざわと会話をしているが、みんなの話す内容は全ておなじだった。
 「なぁ、ゆうじ、どうおもう?」
 「んー…」
 「どうして、霧里は死んだんだろ…病?殺害?」
 さすがのカイキもいつとのテンションではなかった。
 シンはいつもの様に冷静をたもっている。
 「後で先生に詳しく聞いてみようぜ。」
 1時間目、2時間目、3、4時間目が過ぎ、昼の弁当を済ませ、休み時間に先生の元へ向かった。
 話は、よそのクラスでも広まっているようで、廊下でもみんな騒がしい…。
 職員室につき、先生を呼ぶ。
 「どうした?」
 「あの…霧里について知りたくて…」
 先生が言うには、
 昨夜、霧里の家に誰かが忍び込んで、家にいた母親が刃
かなにかで刺され(何かで刺された傷があった)、学校から帰宅したとき、偶然鉢合わせにやり、殺されたという。
 犯人はまだ捕まっておらず、小さな村なので、警察は少数でいま状況を調査しているという。

午後4時
 
 学校が終わり、3人で霧里の家に行くことになった。
 僕らは向かっている途中に警察にあい、色々取調べをさせられたが、警察の人数は3人となんとも少ない数で調査をしていた。
 「犯人はまだ捕まってないんだろ?なんでもっと警察来ないんだよ。」
 カイキは僕の思っていたことを口にした。
  「ここは小さな村だ、犯人なんぞ我ら3人で充分だ、がははは」
 余裕こいてる警察は笑いながら問いを返し、直ぐに調査へと向かっていく。
 「なんだ、あいつら。」
 「さすがに今のはムカつくね」
 シンは怒っていた。

 「きゃーーーーーー!!!!!」

 僕らは警察の悪口を言っている刹那、すぐ近くから女性の断末魔が聞こえた。
 何か悪い予感がする。
 僕ら心は焦りと憎しみ、怒りが駆け巡る。
 その時ぼくらは、普段の日常が裏返ることを察する。
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