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動き出す新たなる運命編。
117話『ラナー様のお茶会 1』
しおりを挟むラナー様のお茶会当日。
夜まではまったりと過ごし、出発はマリエラとベリアル様と一緒に
向かう事にした。
パステルカラーのエンパイアラインのドレスは淡い紫色。
髪飾りとネックレスも紫色で統一した。
髪型はハーフアップ状に編み込みをして、
金の留め金に紫色の宝石のついた髪留めで纏める。
後ろの髪はそのまま背中に流して完了だ。
パーティ用のドレスは全体的に袖がないタイプばかりだ。
今回のエンパイアドレスも袖が無いワンピースタイプなので冬は寒い。
ドレスと同じ色の二の腕まであるアームカバーをして寒さを誤魔化す。
あとは、ファーのついた首巻とコートを着込んで行くのだ。
ベリアル様が迎えにきてくれた。
ベリアル様の格好も素晴らしかった。
白のシャツと灰色のベスト、淡い紫色のスーツには金の装飾品が。
白銀の髪は全て後ろになで付け、低い位置でしっかりと三つ編みにされている。
金色の髪留めもよく似合っている。
コートは黒のファーのついたクロックコートであったかそうだ。
色が被ってしまっているけれど、狙ってはいなかったよ? 本当よ?
※ベリアル様が合わせた可能性はあります。
マリエラの部屋を一緒に訪ねる。
マリエラは薄い黄色のフリルが着いたエンパイアラインのドレスだった。
ドレスと同じ色の大きめの黄色いヒマワリの花飾りが可愛らしい。
私達はあいさつを交わして、一緒の馬車でラナー様のお茶会に向かった。
馬車の中ではもちろん、お互いのドレスの話だ。
マリエラが私とベリアル様がペアルックなのをイジってくるのが
なんとも恥ずかしかった。
王宮の前で馬車が止った。
私達は、4人の侍女達と6人の騎士に囲まれて、
ラナー様のお部屋へ向かう。
部屋の前には受付用のテーブルがあり、カードを渡して入室するようだ。
カードと交換で差し出された花の飾りピンを受け取り、ドレスにつける。
男性はスーツの襟もとに。
女性は好きなところに。
ピンになっているので、髪にもつけられるようだ。
私達はピンをつけ、入室する。
部屋の中は全体的に緑で統一されている。
緑の絨毯の真ん中には長く大きいテーブルがあり、
人数分のイスが置かれている。
すでに座っているパステルカラーのメンバーたちが花の妖精のようだった。
どうやら私達で最後だったようだ。
陛下はまだ来ていらっしゃらないけれど、
後から参加するとマリエラに聞いていたので、
そういう意味では、私達が最後だった。
ラナー様に手招きされる。
優雅に一礼し、近づきもう一度丁寧に淑女の礼を取ってあいさつをし、
進められたイスに座る。
横に長いテーブルの端にラナー様、隣にお母様、ジョシュア、シンシア、
反対側には空席でアスト殿下の席だ。その隣がベリアル様、私、マリエラだ。
「エミリアちゃん。
もう、大丈夫そうね」
「ご心配をおかけしました」
「本当よ! 来ないって手紙で見てどうしようかと思ったわ」
ラナー様は少しプンプンしている。
冗談で怒っているのは分かるけれど、本当に申し訳ない。
「ラナー。 エミリアを責め過ぎよ。
私は今回の件は本当に許せないの。
だから、さっき話した件、了承してもらうわよ」
お母様とラナー様の話しぶりからして、もう昨日の件は伝えてあるようだ。
「もちろんよエレノア。
私とアスト様の『目と耳』を使う事も許可してあげるわ」
「ふふふふふ」 「ほほほほほ」 と笑う2人が少し怖かった。
視線を感じてそちらを見るとジョシュアとシンシアが
こちらを見ていた。
「姉様、お久しぶりです。
それと、ベリアル王子も。話は母から聞いています」
「ジョシュアとシンシアもお久しぶりね。元気だった?」
ベリアル様とジョシュアとシンシアはそれぞれお互いにあいさつした。
ジョシュアはライトブラウンのクリ毛をカチューシャで後ろに纏めている。
目元が私にソックリのちょーかわいい私の弟だ。
シンシアは、紺色の髪は肩口で切りそろえられ、
ブルーの大きなつり目が特徴だ。
ジョシュアとおそろいのカチューシャもよく似合っている。
「やっぱりここはゲームの世界なんですね。
ベリアル王子が留学してくるなんて運が良すぎる気がしますが。
あの鬼畜仕様の出現率は僕もコントローラを投げ出したくらいなのに」
ん?
あれ? なんでジョシュアがゲームの話してるの?
「ジョシュア君。 エミリアが困っているわよ」
ニヤニヤ顔のマリエラとシンシアもクスクスと笑っている。
ベリアル様と私は目を丸くする。
まさか……?
私の表情を読んだジョシュアがネタばらししてくれる。
「貴女の想像通りですよ。 姉様。
僕もシンシアも転生者です」
わぁああああっつ!!!? ※What!!!?
あきまへーん!!
神様、いったい何人の日本人を巻き込んでんねん!
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ここに来て、いっきに転生者が増えましたよ……。
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