奇妙な魔術師の放遊録 ~ゆかいな仲間たちは今日も我が道を進む?~

遊爆民。

文字の大きさ
5 / 78
第一章 魔術師と血の繋がらぬ子供

第三話 魔術師の友好関係

しおりを挟む
「スイール、この子供はどうしたんだ。お前の隠し子が出てきたのか?」

 この街の守備隊隊長をしているジムズは、屁理屈でいつも言い負かされているスイールに向かい冗談混じりで話を振る。

「おいおい、君は私を”変り者”ではなく”無節操者”とでも言いたいのかい?今日は真面目な話をしに来たんだがな。それとも何か?私がこんな昼間に相談を持ち込んではいけないのですかね?」

 ”ムッ”と不機嫌な表情を見せながら、”真面目な話なのだが”と、もう一度言葉を出そうとしたが、ジムズから出た言葉を聞いて喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。

「ははは、ごめんごめん。いつも、ああ言えばこう、とか、答えに困るような話をするからお返ししただけだよ。で、話ってのは、その子供の事だろうけどさ。いったい、どうしたんだ?」

 色々と街中のトラブルと解決している守備隊隊長である。経験からの起点もあるだろうが、頭の回転はかなり早く目についた子供に興味を持ったようだ。
 街の守備隊長とは言え、若くしてその地位に就いただけのことはある。その男が優秀で無い訳がない。
 とは言え、この”変り者”が真昼間に見慣れぬ子供を連れて街の守備隊隊長を訪ねて来たのだ。予測するなと言われても、出来ぬ相談なのだ。

「そうそう、この子の事なんだよ」

 近くの椅子を二つ拝借し、スイール自らとその子供、エゼルと共にジムズの事務机の前に腰掛ける。

 「実はな、今朝の事なんだが……」

 スイールは今朝の事を詳細に大げさに身振り手振り交えて説明して行く。その説明は長い時間かかり、ジムズがそろそろ飽きて来るかと思うまで続いた。
 そして、説明を聞き終わると、ジムズはわずか十数秒であるが、目を瞑って腕を組み、何かを考える。

 そうして、何かを思い出したかのように目を見開くと、乱雑に山と積まれた書類の中から、いくつも付箋がはみ出た書類を一束を掘り起こし、表紙の題名を確認してからスイールへと投げ付けてきた。

「最近、商人や旅の馬車が襲われて殺されたり、馬車を奪われたりする事件が続発しているそうだ。今朝、オレの所に書類が回ってきた。部下がすでに巡回しているが、オレも辺りを見回ろうと考えていたところだったんだ。既に被害にあった後かもしれんな。困った事になったなぁ」

 何やら大事おおごとになりそうだと、渋い表情を見せながらジムズは頭を掻きむしった。

「まず、その子を見つけた辺りを重点的に調査してみることにするか。大至急な。それで、その子はどうするんだ?まさか育てるなんて言わないよな」

 ジムズが机に乗り出して頬杖をついて、スイールに尋ねる。結婚すらしていない彼に子供を育てる甲斐性などある訳も無いと決めつけていた。
 スイール自信もそれがわかっているようで、背もたれに全身をゆだねて、困ったそぶりで答える。

「そう、そこが一番の問題点なんだよ。この子の両親が見つかれば、それに越したことはないが、見つからないとしたときにどうすれば良いかわからなくてね。この歳まで独り身なんだ。子供の育て方なんかわかるはずがないだろ」

 エゼルは目の前で自らの事を話す大人に困惑する。だが、心配してくれているのがわかっているのか、大人しく耳を傾けていた。

「う~ん、そうだなぁ。お前さんが薬を卸してる教会に孤児院があるのを知ってるだろ。そこの神父かシスターに相談してみたらどうだ?きっと力になってくれるはずだぞ」

 迷子の保護も守備隊の仕事の一つである。その時はどうするかと言えば、この詰所には子供の一時預かり所などある訳も無く、周りの孤児院に協力し預かってもらっているのだ。
 その一つが、先程話をしたスイールが薬を卸している教会であり、そこの神父とシスターが子供を預かってくれているのだ。
 その境界には孤児院があるとスイールは知っていたが、それにすがって良いのかと躊躇していたのである。

「そうする他はないか……」
「それは相談してみろ。で、その坊ちゃんがいた馬車の件はこちらで調べてみるよ」

 スイールとの話を一旦打ち切り、連れてきた子供へと向き直り声を掛けた。

「ところで、坊ちゃん。オレはここで一番エライ、ジムズって言うんだ、よろしくな。この街を守っているんだ。それで、君の名前は言えるかな?」

 大人から見れば怪しい笑顔だが、本人は思いっきりの笑顔、--をしたつもり--で、名前を尋ねてみた。ところが、帰ってきた言葉は名前とは違う事柄であった。

「おじちゃんって、ここでいちばんエライの?」
「あのね、まだ、お・じ・ちゃ・んって年齢じゃないんだけよ。おにいちゃんって呼んでくれるかな」

 既に三十代も後半の年齢であり、おじさんと呼ばれても不思議でない年齢になっているにも関わらず、子供の言葉に本気で反応するジムズ。こめかみに青筋を立てて怒りを表すが、スイールからは大人げない態度を取っていると呆れた表情を向けられた。

「ぼくはいつもエゼルって、かあちゃんからよばれてるよ」

 おじちゃんでもいいやと可愛い笑顔振りまく姿を見て半ば諦める。すると、子供の口からスイールに告げた言葉を同じようにジムズにも答えた。
 その言葉を聞いて、守備隊隊長ジムズは、迷子などを多数保護してきた経験から、他の質問をしてみようと思い立った。

「でも、それはお母さんに呼ばれていたんでしょ。本当はなんていうの?ほらお父さんとか、近所の人とか、他の人から呼ばれたりしてるでしょ」

 エゼルは可愛い顔で考えるそぶりを見せる。

「んん~……、とうちゃんは、【エゼルバルド】ってぼくをよんでたよ」
「エゼルバルドか。お父さんとかお母さんの名前はわかる?」

 エゼルはまたもや考え込み、を口にした。

「うん、わかんない」

 満面の笑顔でエゼルが答えた。

「しょうがないかぁ。じゃぁ、エゼル君のご両親はこのジムズが探すから、後はスイールと街に遊びを見てくると良いよ。また今度ね」

 おじさんスマイルをエゼルに向けながら頭を”ごしごし”と撫でてから、スイールに向き直りさらに続ける。

「それで、スイール。今日は街に泊って行ってくれ。現場には調査隊をすぐにでも行かせるから。夜には何かわかるはずだ」
「しょうがないな。分かった、また後で来る。それで、その泊まるときの料金はそっち持ちでいいんだろう」

 いつものスイール節が炸裂した。そちらがお願いするのだから当然費用は守備隊で持ってくれるよね、と。

「はぁ、わかったよ。後で経費で落ちるようにしておくから証拠を持ってこいよ。今日はちゃんと泊るんだぞ」
「じゃ、当てにしてるよ。行こうか、エゼル君」
「うん!!」
「いいか、高い宿に泊まるなよ。そんな事をしたら払わないからな!」

 ”わかってるよ”と手を振りつつ、業務に支障が無い様にと次の目的地を目指すのであった。
 だが、ジムズへエゼルの事を業務を圧迫して支障をきたしていたのだが、それを説明するのはやぶさかではない。

 エゼルの手を引くスイールの後ろ姿を見送ると、守備隊詰所にジムズの声がこだました

「緊急出動だ、調査に行くぞ。三十名ばかり来い!!」

 ジムズの檄が飛び、エゼルが見つかった場所の調査へと出かける準備が開始されたのである。



    ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 スイールがエゼルの手を引きながら街を歩き回り、守備隊の次に訪れたのは街の中央から西へ少し歩いた場所にある街の教会だった。

 スイールがいつも薬を卸しているお客でもあり、何かと会話をする馴染みの場所でもあった。協会では信者に対し、魔法による簡易治療や薬の販売が行われており、スイールは薬の売り上げの大部分を依存していたりするのだ。要するにスイールにとってはお得意さんでもあった。

「こんにちは~、神父かシスターいる~?」

 教会の正面の大きな扉を開けると大声を上げる。扉を開ければすぐに教会の大きな礼拝堂になっており、一段上がった檀上ではありがたい解説をしていた神父が声に反応し頭を抱え、スイールよりも大きな声を上げて叫んだ。

「あ~も~!!スイールさん!午前中は教義のありがたいお話の時間だといつも言ってるでしょう。何か用事があるなら裏手の母屋にいるシスターを呼んでくださいよ。まったくもう……ぶつぶつ……」

 神父はこの”変り者”が苦手であった。自分には我関せず、自分の都合でしか動かない、さらに説明をしていると屁理屈で返してくるのだ。
 ”変り者”と呼ばれている理由がそれであろう事は説明せずとも誰もがわかっているのだが、当の本人は知らん顔である。

「あぁ~、それは申し訳ない事をした。裏手に回る事にする。失礼!!」

 首をすくめてから片手を軽く上げて、一言告げてから礼拝堂を後にする。

(腕は確かなんだが、あの性格じゃ無ければなぁ……)

「し~ん~ぷ~~!今日の教義のお話は終わりですか~?」

 頭を抱え言葉を失った神父に向け、信者の一人が声を上げた。

「すみませ~ん。続けますね、どこからでしたっけ、あぁ、思い出しました。それでは……」

 まったく迷惑な客人であると、神父は思いながらもありがたい教義の話を再開するのであった。



 その教会の裏手。神父やシスターの生活の場がある母屋の玄関の前でスイールが声を上げる。

「こんにちは~。シスター!いますか~?」

 神父に迷惑がられても、全く悪びれもせずに同じような声を上げる。神父が言ったようにこれもまた近所迷惑であろう。

「も~~、またスイールかね!いつも言ってるだろうに、鐘を鳴らせって!!」

 ぶつぶつと文句を言いながら玄関のドアを開けてシスターが顔を出してきた。

「シスター、孤児院に用があるんだけど」
「珍しいね、お前さんが孤児院に用があるのは……って、それはお前の隠し子かい?」

 スイールの耳にはもう何回も聞いている既視感デジャヴュを感じるのだが、そう言えば彼にも言われたなと思い出す。

「あの~、シスターまで言いますか?先ほどジムズにも同じ言葉を言われたばかりですよ。隠し子でもありませんし、子連れの妻を娶ったのでもありません」
「あれれ、言われちまってたかい。それは残念だ。で、この子供は何なんだい?」
「残念って、何が残念なんですか。今度じっくり聞かせてもらいましょう。それよりも……。ほら、シスターだ。挨拶できるかな?」

 エゼルの背中を軽く叩くと、シスターに向かい頭を下げる。

「エ、エゼルです」

 初めて目にする人だが、何となく人が懐きそうな人だと感じ、どもりながらも元気よく挨拶する。

「それでこの子の事でお願いが……」
「立ち話もなんだ、中に入っとくれ。まぁ、薬やなんだでいろいろ世話になってるからね。話くらいは聞いたげるよ」

 少しだけぶっきら棒な話し方でスイール達を応接間に案内した。根はいい人なのだが、話し方でだいぶ損をしている。

 ………
 ……
 …

「保護したって?しかも馬車から。で、その馬車をジムズが調査しに行ったと、なるほどね」

 大げさな身振り手振りをしてかなり驚いていた。

「で、この子を育てるのをどうしたらいいかって事か」

 スイールの隣で、コップを手に取り極々と遠慮なくジュースを飲んでいるエゼルを眺めた。

「そうなんだ。保護した手前、無関係のままって事も無理だし、育てるにしても知識が無い。孤児院に、シスターに、協力して貰えないかなって思ってね。力になってくれないか?」

 突然訪ねてきたスイールの話を聞いて、どうするかと無言で考えを巡らせる。全てを一手に引き受けるのは簡単だが、ただ引き受けるのはどうかと考える。
 そして、わずか数秒であろうが沈黙が応接室を支配した。

 沈黙の後、シスターが一つの提案をした。

「しょうがないね。この子の親が見つからないときはウチで面倒見るよ。ただし、ちょっとは薬の代金を勉強してほしいけど、どうだい?」
「それは構わない。そんなことでよければ」
「それじゃ、その子が納得したらウチに連れてきな。同じくらいの子供たちが何人かいるから、友達には困らないとは思うよ」
「ありがとう。さすがシスター話が分かる。しばらくはこっちで何とかする。また遊びに来るよ」
「あんまり無茶だけはしないでくれよ」

 物わかりの良さに、少し心配そうな顔をして、孤児院を後にするスイール達を見送る。

(大丈夫かねぇ。すぐ戻って来そうな気がするけど)

 その心配事はすぐに現実のものになるのだが、シスターは予想すらできなかった。



 シスターと別れたスイール達は、その日の宿を確保して街の中を見て回りながら、エゼルの事を聞くのであった。



    ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 日が傾き始め、城壁のてっぺんまで太陽一個分と迫った頃、街の片隅では旅の大道芸人が場所を借りて芸を披露している。その傍らには”本日の芸の一覧”と記された看板が立っている。
 白い化粧に真っ赤な鼻のピエロの姿。コミカルに動き、水玉模様のダブダブの服を着ている。玉乗りをしながら、ジャグリングはお手の物だ。
 玉から降りてパントマイム。歩き回るが、何もない場所でで壁にぶつかり鼻を押さえて痛がるそぶりを見せる。

 そして、数本の松明に魔法を使って着火する。
 真っ赤な火がついた松明でジャグリング始める。くるくるとジャグリングをした後に一本の松明を口に近づけ、”ぶぅっ!”と息を吹きかけると空に炎が吹き出した。

 一連の芸が終わると、大道芸人は深々と礼し、そのままの格好で固まっていた。手にはシルクハットが逆さまに握られて、いかにもチップを要求しているのがわかる。
 見ていた観衆がそれぞれ、幾つかの銀貨等のコインを大道芸人の帽子に投げ込んで帰って行く。もちろん、スイールも数枚の銀貨を帽子に投げ込んでた。



 その一連の流れの中で、大道芸人が松明に火を付けた時、エゼルの表情が今まで以上に輝くのを見過ごしはしなかった。街中の店に興味を持たなかったが、魔法がとても珍しかったようでらんらんと目を輝かせていた。

(生活の魔法なら誰でも使えるんだけど、エゼルは見たこと無いのか?)

 ふと浮かんだ疑問をエゼルに聞いてみた。

「ねぇ、エゼル。魔法って今まで見たことないの?」

 スイールは膝を曲げて、エゼルの顔を覗き込んで声を掛ける。

「…?”まほう”って、なぁに?」
「魔法を知らないの?さっき、ピエロさんが松明に火をつけてたでしょ。お父さんやお母さんが使ってるのは見たことないの?生活するために必要なんだよ。薪に火をつけるとか、暗いところで明かりをつけるとか」
「え、しらないよ。そんなことしてるのみたことない」

(う~ん……)

 考えに考えた末、一つの答えを口にした。

「よし、今日は無理だけど、今度、魔法を教えてあげよう。安全な魔法からがいいな。その前に、今日の夕ご飯を食べに行こう」
「やったぁ!!おじさん、ありがとう!!」

(おじさん、ねぇ……)

 満面の笑みを浮かべて喜ぶエゼルを見れば、おじさんと呼ばれても良いかもと許してしまう。
 それに、ジムズがおじちゃんと呼ばれていたが、自らの姿も同年代だと思いだし、スイールは苦笑するのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

王宮メイドは今日も夫を「観察」する

kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」 王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。 ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。 だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……? ※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!

川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。 だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。 だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。 馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。 俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...