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第五章 魔族編

俺 神になる?

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俺 神になる?



「突然なんじゃがお主には主神になってもらいたいのじゃ!」

「え、え、えぇぇええ~!!」


時刻は遡ること数分前、俺は教会に来ていた。昨日はスタンピードやエディの件で色々あったがみんなとも仲良くなれたのでよかった。神様達には最近会ってなかったから久々に会いに行こうと思った。戦争の件で聞きたいこともあるし。


そんな感じで教会に向かって町を歩いていたんだが昨日の一件ですっかり有名人になってしまった。

「英雄アルベルト様よ!」

「アルベルト様こっち向いて!きゃ~!」

「かっけー!!」

「まだ子供なのにすげー!」

などなど、通りかかる所全てで黄色い声が上がる。とても嬉しいけどやっぱり恥ずかしい。俺は早足で教会に向かった。

教会に入ったら周りの声は聞こえなくなりシーンと静まり返っている。神様の像の前まで来て早速お祈りをした。まぶしい光が俺を包んでその場から消えた。
目を開けると懐かしい場所にいた。一面真っ白で白の大きいテーブルとイスが並べられていてそこに神様達が座っていた。


「久しぶりじゃのアルよ。まずは入学おめでとうと言っとこう」

「お久しぶりですゼスト様、皆様もご無沙汰してます。最近お祈りいけなくてすみません」

「いいのじゃよ。ワシらはお主の活躍を見て楽しんでおるからの」

「そうですか!ありがとうございます!」

「それで今日は戦争の件できたようじゃな。なにが聞きたいんじゃ?」

「はい。僕が聞きたいのは魔王軍の薬についてです。エディから聞いた話だとこの薬は相手にかけることで効果が発動するらしいです。その効果は相手への命令権と力を何倍にもするというやつでした。これが人間に使われたらまずいと思うんですがどうですか?」

「うむ、そうじゃな。その薬はとても危険だ。いくら相手が強かろうが無効スキルを持ってなければ意味がない。その薬を消してもらうのを頼んでもよいか?」

「はい!」


「ではこちらからも話があるのじゃ。突然なんじゃがお主には主神になってもらいたいのじゃ!」

「え、え、えぇぇええ~!!」

そして今に至る。

「いやちょっと待ってください!なんで僕が主神に?理由が知りたいです!」

「そうじゃな、先に理由を話すべきじゃった。この話は神全員の意思でもある。本来主神はこの世界の生態系で頂点に君臨する者に与えられるのじゃ。すでにお主はワシら神より強くなってしまっているのじゃ。最近ステータス見てなかったじゃろ?」

「えー!そうなんですか!ステータス!」

俺は慌ててステータスを開き自分の能力値を確認した。それは衝撃的なものだった。



【レベル】測定不能
【名前】アルベルト・フォン・エルフォード
【種族】主神
【称号】神を超えし者 超越者 頂点に君臨する者 ユーテラスの主神
【体力】測定不能
【魔力】測定不能
【魔法】
創造魔法
属性魔法
時空間魔法
強化魔法
生活魔法

【スキル】
測定不能

【加護】
創造神の加護
武神の加護
魔法神の加護
生命神の加護
大地神の加護
商業神の加護
技巧神の加護


スキル詳細
【属性魔法】
6属性全てを使える魔法。同時発動可能。

【時空間魔法】
時空間魔法のありとあらゆることに干渉できる。時間、重力、空間、結界など。

【強化魔法】
自分や相手のことを強化できる。強化強度は持ち主の魔力による。



「・・・」

「だから言ったじゃろ?頂点に立った者は強制的に主神になるのじゃ」

「なんですかこのステータスは。人を辞めて神になっちゃってるじゃん!これって地上の出来事に干渉したりしちゃダメなんじゃないんですか?」

「そうじゃな、本来であれば無闇に地上に行ったりしてはいけないがこの世界は主神が全てじゃ。当然ルールも主神次第じゃの」

「あーよかった。それなら地上にいても大丈夫なんですね?」

「うむ、じゃが神の仕事はしてもらうのじゃ」

「分かりました。でも戦争が終わってからにしてください。神の仕事って何なんですか?」

「この世界を見守ったり勇者召喚したり、転生させたりじゃな」

「うおー!そんなことまでしちゃっていいんですか?楽しみです!」

「あとお主の目はどんなものでも見通せる神専用の目【世界眼】になっておるから試してみるのじゃ。では戦争が終わったらまた来るのじゃ」


その一言で俺の視界は元いたお祈りをしてる場所に戻っていた。これも神様がやってることなんだよな?すごい楽しみだぜ!その前にまず戦争終わらせるか!
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