推しが尊過ぎてっ! 2

はるの美羽都

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戻った幸せな日常

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    ストーカーさんが無事、逮捕されて私と推し様にも平穏が訪れた。
私が2週間、住んでいた家は推し様が家賃などの費用を払ってくれたお陰で、引き払うことになった。
これからは安心して、このマンションで暮らせる。
「んん~……」
「あ、ごめんなさーい」
小声で言ったけれど、聞こえていたのか推し様にベッドの中へ引き戻された。
「うわぁっ!」
「今日はお休みでしょ?」
「あ、そうなんだけど」
「じゃあ、まだ寝てよーよ」
「喉、かわいちゃって……」
「じゃあ……飲んだら、絶対に戻ってきてよ?」
「わ、分かりましたっ!」
なんなんだ!砂糖をドバドバ掛けたような甘さじゃないか!
推し様って、そんな感じだったっけ……?
甘ーーーいッ!この甘さは蜂蜜級だろうか……!?
だとすると私は今、蜂蜜の沼にハマっている。
溺れてしまって、抜け出せない……!
私は久しぶりの推し様に、胸キュンしまくった。
胸キュンし過ぎて、心臓が痛い。
喉をうるおし、ベッドに戻ると頑張って起きていたのか
「みーちゃん……?」
「はっ、はい」
「戻ってきたのー?わぁい」
と言って、抱き締められた。でも
「冷たい。みーちゃん出たから……」
「えっ、ごめんなさい……」
「もー、みーちゃん好き……」
「はい!?」
「ぐぅ……」
寝ぼけているのか寝言なのか最早、もう分からない。
でも、好きって言われると嬉しいけど……やっぱり、恥ずかしいな。
「ふふ、私も推し様のこと……だーいすきですよ」
と小声で言うと、更に推し様は私を抱き締めて嬉しそうに胸にうずめながら、すりすりしてきた。
な、なんなんだ!この可愛い生き物はッ!
まじ可愛過ぎかよッ!!!
私は目が覚めたので、しばらくスマホをいじいじしていた。
そして、いつの間にか眠っていた。

「んん……」
あぁ、いつの間にか寝ちゃってたのか。
あの温もりがないことに気付くのは容易よういだった。
少し寂しく感じてしまう。一緒に住んでいて、この部屋のドアを開けてリビングに行けば、推し様が居ることは分かっているのに、この部屋には居ないから、余計に寂しく感じてしまう。
    コンコン───
「遅くなったけど、ブランチ出来たよって……」
推し様が言い終わる前に、私は推し様を抱き締めた。
推し様が、目の前に居る───
推し様の匂い、温もり、柔らかくて優しい声。
本物の推し様が、そこに居る。
「どう、したの?」
「ううん、何でもない」
あぁ、幸せだなぁ。抱き締めたい時に抱き締められる。
好きって想った時に、好きって言える。
私は最強に幸せ者だ。
「さ、温かいうちに食べよ?」
「うん!」
「うわぁ、フレンチトーストだ!」
「好き?」
「うん、好き!」
「良かった」
一口、頬張ると外はカリッとしているのに、中はふわふわでとろける食感。
私がゼロカロリーのお砂糖を使っているから、それをフレンチトーストの上から振りかけてくれている。
だから、甘さも一緒に伝わってきて……控えめに言って最高だ。
「んまぁい」
もう、今なら語尾にハートマーク全部、つけちゃう!
「良かった~」
推し様も私の反応を見て、幸せそうにフレンチトーストを頬張っている。
実に素敵な休日である。
しかも、二人揃って休みだなんて奇跡だ。
こうやって向かい合って食べるご飯は、やっぱり美味しいな。


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