推しが尊過ぎてっ! 2

はるの美羽都

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新たな困り事 (相一朗視点)

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    今日も、僕のみーちゃんは可愛かった。
あんなに可愛いみーちゃんが、誰かに取られるのは絶対に嫌だ。
何としてでも、阻止せねばならぬ。
だから、僕はみーちゃんに会社や推し事からの帰り道は、寄り道せず真っ直ぐ帰宅すること!と口うるさく言っているんだけど、みーちゃんはことごとく無視する。
明るい時間帯だろうが、残業で遅い時間帯だろうが、本当に何があるか分からない。
出来ることなら専業主婦として、ずっと家に居てて欲しいとすら思う。
でも、僕のお金で推し事をするのは違うと言うもんだから、仕事は続けて推し事の時間も譲って、好きにさせている。
みーちゃんはみーちゃんなりに、考えている。
それは良いんだけど、こんなにも溺愛しているのに、両想いなのに結婚出来ないなんて……!
僕は胸を痛めながらも、隙あらばみーちゃんを愛でている。
好きはなかなか減らない。寧ろ、日に日に増えていくばかりだ。
これじゃあ、片想いの時と変わらないじゃないか。
僕だけが好き、みたいな……一方通行な恋愛ではないのかと、たまに錯覚してしまう。
僕にはみーちゃんが必要で、みーちゃんさえ居れば、それだけで充分なのに。
それでも、みーちゃんは躊躇ためらう。
なんでだろう?
好きって気持ちがあれば、想い合い通じる心があれば、それでいいんじゃないの?
それだけじゃあ、 まだ不安なの?
何があれば、結婚してくれる?お金?指輪?地位?

    あのストーカー騒ぎから数ヶ月が経ち、みーちゃんとのラブラブ生活に、また邪魔者がチラチラと現れ始めた。
「おはようございます!」
「あぁ、おはよう」
僕の所属している事務所の新人声優・朝乃あさの ゆかり。
確か、僕と同い年か1つぐらい下だったような……
ま、みーちゃん以外は興味ないから覚えてないんだけど。
「深山さん!今日は、よろしくお願いします!」
いちいち語尾にハートマークが見えるぐらい、鼻にかかるような甘ったるい声を出している。
こびを売る人、憧れの人、お偉いさんなど、人によって声色を変えているらしい。
僕は今を“ときめく”イケメン声優だから?
それとも、事務所の先輩だから?
何だろう、この苦手な感じ。あんまり関わりたくないな。
それに、そんなに可愛くない(みーちゃん一筋なので。他の人からすれば可愛いらしい)し、声の質もまぁまぁだと思う。
ずば抜けて良いところなんて、探しても見当たらないと思うけど、はっきり言って何かあったら嫌だし、面倒事や変なことに巻き込まれないように気を付けないと……


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