4 / 12
今日も厳しい塩ツン王子
しおりを挟むど ん だ け ~ ~!って叫びたくなるぐらい、今日も朱乃くんに塩ツン対応をされた。
「ぐすん……」
「漫画なら私から見て、顔の少し左下辺りに書いてそうだね。その「ぐすん」」
「デスヨネー」
もうフラれ過ぎて、ショックすらあまり感じなくなってきた……
友達の双木 詩織ちゃんに、そう言われたけど笑う気力がない。
「はぁ……やっぱり、諦めた方がいいのかな」
「何、言ってんの!朱乃にフラれたからって」
「いやいや、フラれたの初めてじゃないんで。もう、かれこれ100回以上はフラれてるんで!!てか、もう何回フラれてるか分かんないぐらい、フラれてるんで!!!」
「でも、本当にすごいよね」
「何が?」
「フラれてもフラれても、めげずにまた告白する……その図太い神経」
「オイ、ディスってるじゃないか!」
「褒めてんだよ」
「あざす」
「普通はフラれたら失恋したショックで、しばらくは立ち直れない人が多いのに対し、あんたはフラれてもフラれても告白しまくる」
「いや、ちゃんと言葉考えてるからね?」
「でも1日に1回は絶対、告白してるじゃん」
「まぁ…………確かに」
「でも、朱乃って彼女作らないよね」
「さぁ……?本当は居たりして」
「いや、本当に居ないんだよ。男友達だけと遊んでるし」
「じゃあ、作る気ないんじゃないかな……」
「でも前に、彼女欲しいな~って言ってるの聞いたことあるよ」
「じゃあ何故、私を彼女にしない!」
「タイプじゃないんじゃね?」
「……」
「冗談だし」
確かに、朱乃くんは私みたいなしつこい女……タイプじゃないよね。
「やっぱり、迷惑なのかな……好きって伝えるの」
「本人に聞いてみたら?」
「ぅえ!?無理!無理無理無理無理!!」
「どんな言葉で伝えても、却下されるんだろ?でも、告白させてくれる優しさはあるじゃん」
「優しい……?」
「優しいよ、充分」
「そっか……」
「さり気なく、あんたのことチラ見してるし」
「え!?え、えぇええ~!?」
「うるさい、耳痛い」
「すみません……」
詩織ちゃんによると、授業中とか移動教室とかふいに視線を送っている時があるらしい。
信じられない、そんなこと……あるわけない。
「ありがとう、そんな風に言ってくれて……」
「いや、本当のことなんだけど……!」
「そう思って明日も生きて学校、行くわ」
そう言って私は走った。
有り得ない。私に対して常に「ウザいんだけど」っていうオーラは出てるし、告白しても即行で却下&フってくるし……
私のこと見てるだなんて、そんな……
ない。ないないない!有り得なーーーい!
私を見てるんじゃなくて、私の居る方向に何かあるから見てるんだよ。きっとそうだ……
もしかして、私の告白は暇潰しなの?
私の反応見て遊んでるの?
朱乃くんが……分からない。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
君を探す物語~転生したお姫様は王子様に気づかない
あきた
恋愛
昔からずっと探していた王子と姫のロマンス物語。
タイトルが思い出せずにどの本だったのかを毎日探し続ける朔(さく)。
図書委員を押し付けられた朔(さく)は同じく図書委員で学校一のモテ男、橘(たちばな)と過ごすことになる。
実は朔の探していた『お話』は、朔の前世で、現世に転生していたのだった。
同じく転生したのに、朔に全く気付いて貰えない、元王子の橘は困惑する。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる