好きなんです!

はるの美羽都

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今日も厳しい塩ツン王子

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    ど ん だ け ~ ~!って叫びたくなるぐらい、今日も朱乃くんに塩ツン対応をされた。
「ぐすん……」
「漫画なら私から見て、顔の少し左下辺りに書いてそうだね。その「ぐすん」」
「デスヨネー」
もうフラれ過ぎて、ショックすらあまり感じなくなってきた……
友達の双木なみき  詩織しおりちゃんに、そう言われたけど笑う気力がない。
「はぁ……やっぱり、諦めた方がいいのかな」
「何、言ってんの!朱乃にフラれたからって」
「いやいや、フラれたの初めてじゃないんで。もう、かれこれ100回以上はフラれてるんで!!てか、もう何回フラれてるか分かんないぐらい、フラれてるんで!!!」
「でも、本当にすごいよね」
「何が?」
「フラれてもフラれても、めげずにまた告白する……その図太い神経」
「オイ、ディスってるじゃないか!」
「褒めてんだよ」
「あざす」
「普通はフラれたら失恋したショックで、しばらくは立ち直れない人が多いのに対し、あんたはフラれてもフラれても告白しまくる」
「いや、ちゃんと言葉考えてるからね?」
「でも1日に1回は絶対、告白してるじゃん」
「まぁ…………確かに」
「でも、朱乃って彼女作らないよね」
「さぁ……?本当は居たりして」
「いや、本当に居ないんだよ。男友達だけと遊んでるし」
「じゃあ、作る気ないんじゃないかな……」
「でも前に、彼女欲しいな~って言ってるの聞いたことあるよ」
「じゃあ何故、私を彼女にしない!」
「タイプじゃないんじゃね?」
「……」
「冗談だし」
確かに、朱乃くんは私みたいなしつこい女……タイプじゃないよね。
「やっぱり、迷惑なのかな……好きって伝えるの」
「本人に聞いてみたら?」
「ぅえ!?無理!無理無理無理無理!!」
「どんな言葉で伝えても、却下されるんだろ?でも、告白させてくれる優しさはあるじゃん」
「優しい……?」
「優しいよ、充分」
「そっか……」
「さり気なく、あんたのことチラ見してるし」
「え!?え、えぇええ~!?」
「うるさい、耳痛い」
「すみません……」
詩織ちゃんによると、授業中とか移動教室とかふいに視線を送っている時があるらしい。
信じられない、そんなこと……あるわけない。
「ありがとう、そんな風に言ってくれて……」
「いや、本当のことなんだけど……!」
「そう思って明日も生きて学校、行くわ」
そう言って私は走った。
有り得ない。私に対して常に「ウザいんだけど」っていうオーラは出てるし、告白しても即行で却下&フってくるし……
私のこと見てるだなんて、そんな……
ない。ないないない!有り得なーーーい!
私を見てるんじゃなくて、私の居る方向に何かあるから見てるんだよ。きっとそうだ……
もしかして、私の告白は暇潰しなの?
私の反応見て遊んでるの?
朱乃くんが……分からない。


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